- 2022年4月7日
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』紹介と感想文:本格ミステリーはハードルが高い?エッセンスが追加されたライトミステリー!
「ミステリーは面白そうだけど、難しそうで読めない」 先日、友人にそんなことを言われた。 一部のミステリーマニアに言わせれば、その難解さとそれを解きほぐす過程にこそミステリーの醍醐味があるのかもしれないが、一般的には確かにわかりやすい面白さがあってこそ […]
「ミステリーは面白そうだけど、難しそうで読めない」 先日、友人にそんなことを言われた。 一部のミステリーマニアに言わせれば、その難解さとそれを解きほぐす過程にこそミステリーの醍醐味があるのかもしれないが、一般的には確かにわかりやすい面白さがあってこそ […]
ミステリー作家でありながら、青春時代に感じる“苦味”をその謎に美しく盛り込むことに長けた小説家『米澤穂信』。 若かりし頃に味わう万能感の喪失、若さゆえの無力感など、読んでいるだけで胸の奥を絞られるようにつらい気持ちになってしまう作品が多い。しかし、そ […]
短編集はその短さゆえに、作品へ感情移入する絶対量が少なくなる。 長編作品の様に登場人物のバックボーンを重厚に描いて感情移入させたり、地道に努力を重ねることで最終的に成功を掴む描写でカタルシスを味わうことも少ない。 ところが今日紹介したい作品、辻村深月 […]
作品のタイトルだけを見て、勝手にユルユルした笑える内容の作品だと思い込んでしまうことがある。それなのに実際に作品を読み始めたらシリアスな内容だったりすると、自分の心が勝手に生み出した勘違いが原因でギャップが埋まらず、物語の導入部分で苦労してしまうのだ […]
「なんじゃいこりゃあ!!!」 と大きな声を上げて本をバタリと閉じてしまいそうになるブッ飛んだ短編小説集がある。それは木下古栗(きのした ふるくり)の『グローバライズ』という作品。※表紙のデザインが象徴的なので『GLOBARISE』と英語表記かと思いき […]
“ー生きろ。君を絶望させられるのは、世界で君ひとりだけ。” 辻村深月の作品って、精神的な辛さが前面に押し出されている作品が多いような気がしていたのですが――結末は別ですが――、先日読んだ『ハケンアニメ』はその精神的な辛さよりも仕事に懸ける熱い想いの方 […]
1つの作品を読んだだけで、その作品を生み出した作家の全てを理解した気になるのはあまりにも勿体ない。 特に宮部みゆきのように、社会派ミステリーから時代小説、ファンタジーから読みやすい少年目線の冒険譚など、作品のジャンルが多岐にわたる作家の場合、絶対に数 […]
印象的なタイトルの作品はいくつもあるが、津村記久子さんの『君は永遠にそいつらより若い』という作品のタイトルが、僕は特に魅了的に思える。 作中のある一文を切り取ったタイトルなのだが、読み終わって考えてみるとバシッとハマる格好いいタイトルで、さらにこれし […]
津村喜久子『浮遊霊ブラジル』を読んだ。 何よりも強く感じたのは「僕はやはり津村喜久子の本が好きなんだ」という意識。 もう、その意識からは逃げられないかもしれない。 とんでもなく鮮やかなオチがある訳ではないし、スッキリと終わっていくわけでもないのだが、 […]
はじめに 短編集の魅力は長編作品の魅力とは種類が違う。 一冊の本の中で様々な体験が出来たり、1つの物語だと思っていたらそれぞれの物語が繋がっていたりと、短編集だからこそ味わえる多くの要素が存在する。 さらに、好きな作家の違った作風の物語に触れられるの […]