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  • 2021年7月31日

胸熱の傑作小説『かがみの孤城』感想文!じっくり生まれる信頼関係がこんなに心地いいなんてすっかり忘れていた|辻村深月

辻村深月『かがみの孤城』を読んだ。 多くの辻村作品を読んできたが、この作品はその集大成とも呼ばれており本屋大賞を受賞するのも納得の傑作といえる。本当に素晴らしい作品だった。 正直、素晴らしい作品すぎて書評・レビューなんて書ける気がしないので、まだ読んでいない人に少しでも楽しんで読んでもらうべく、評価というより僕が楽しめたおすすめのポイントを書いてみたいと思う。 もちろん、読み終えた人に共感を感じて […]

  • 2021年7月2日
  • 2021年7月1日

池井戸潤『鉄の骨』感想文:萌の悪女っぷりが酷くて談合とか逆転とかもうそういう事じゃない

『下町ロケット』やドラマ『半沢直樹』の原作である『オレたちバブル入行組』など、池井戸作品は数多く世の中に浸透している。 どの作品も主人公たちに絶体絶命のピンチが続いている中で、仲間と努力して最後の最後で逆転して爽快になれる本が多く、その爽快さこそ池井戸作品が世間に評価される理由ではないかと思っている。 今日はそんな池井戸作品の中で、仲間側の人間なのに珍しく最低な登場人物が登場する本の感想を書きたい […]

  • 2021年7月1日

辻村深月『ツナグ』感想文:心をツナグのではなく繋がりを切り離す物語

映画化されていた作品なので名前だけは知っていたが、ずっと未読だった辻村深月『ツナグ』の文庫本を先日読んだ。作品ごとに少しつながりを持たせる作家だが、この作品は完全な単独作品なのでどのタイミングで読んでも支障はないと思う。 人気作だけあって内容も構成も面白く、一気に読み切ってしまった。辻村作品はシンプルな味付けの料理に見えても隠し味がたくさん入っているの読んでいてワクワク感が継続していく印象がある。 […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年6月30日

タイトルにチョコレートが入る小説たち【9作品】バレンタインデーにどうぞ!

2018年9月22日更新 『チョコレート』という言葉からはどんなイメージが連想されるだろうか? 高級感があるものから駄菓子屋で売っているお手軽なものまであり、子供から大人までが手に取るチョコレート。バレンタインで贈るときのドキドキや貰った時の喜び様々な記憶の中にもチョコレートは存在している。 『チョコレート』という固有名詞の魅力はもちろん、漠然とした印象とてポジティブにもネガティブにも働く。そして […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年7月19日

読後感が爽やかな青春小説【26作品】実際に読んだ傑作小説だけおすすめします!

2017年10月15日更新 はじめに “素晴らしい青春小説”は“初恋”に似ている。 物語に感情移入し輝かしい時間を共に過ごすことで得られるトキメキはもちろんだが、読み終わった時に味わう喪失感が初恋に破れたときの感覚に近いからではないかと思う。 その失恋に似た喪失感への対応策は心が日常に戻るのを待つか、その喪失感を埋めてくれる新しい作品に出逢うしかない。失恋を癒すために時の流れと新しい恋という薬が必 […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年6月30日

朝井リョウ『チア男子!!』感想文:映像向きの作品を小説で描いたのは朝井リョウの計算か否か?

作品が好きであることと、その作品を生み出した作家自体を好きであることは全くの別物である。 例を挙げるとするならば百田尚樹の作品がある。 男たちの熱い人生の戦いを描く百田尚樹の小説たちが僕は大好きで、陶酔していると言っていいだろう。しかし、百田尚樹が好きなわけではない。本人の事はむしろ嫌いだ。それでも本人の好き嫌いと作品の好き嫌いは関係がない。 当然、逆の例もある。 僕は今回紹介したい作品の作者であ […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年6月30日

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』感想文:音楽に救われる低空飛行のパンクロック少女の青春の1ページ!

思春期の頃、音楽に心を救われた人たちは多い。 日常の鬱々としたやり場のない気持ちを、爆音で好きな音楽を聞くことで受け止めてもらうことは、割と多くの人が味わったことがある苦くも懐かしい経験なのではないかと思う。かくいう僕も例に漏れず、音楽を聞くことで現実逃避をしていたことがあるが、その現実逃避の時間は当時の自分に必要な時間だったのだと思えるようになっている。 この文章を読んでくださっている人の中にも […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年6月30日

やっぱり叫びながら告白してほしいんだよね『トリガール!』中村航

小さいころからテレビで見ていた鳥人間コンテスト。琵琶湖の青空に滑るように進んでいく美しい翼は夢と現実の狭間を飛んでいるようで、テレビを見ていた幼い日の僕を夢中にさせていた。 当時の鳥人間コンテストは真面目に長く飛ぼうとするだけではなく、コスプレして海に飛び込む人たちがいたりするお祭り的イベントの要素もあったのだが、現在では大学チームや鳥人間コンテストのOBたちがチームを組んで参加する真剣でハードル […]

  • 2021年7月1日
  • 2021年6月30日

鳥人間コンテストは現実でも小説でもパイロットがウザいほうがウケる『イカロス・レポート』竹田真太朗

先日読んだ中村航さんの『トリガール!』が思いのほか青春していて楽しめたので、同じく鳥人間コンテストを題材にした作品が他にもないのだろうかと色々と探し回ってしまった。そこで発見したのが、この竹田真太朗『イカロス・レポート』である。 イカロスという墜落の象徴のような存在を敢えて人力飛行機と重ね合わせているあたりに面白味を感じる題名で、同じく鳥人間コンテストを題材にした青春小説になっている。 今回は、そ […]

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月29日

こんな村に住んでみたい!読み終わりの喪失感が激しすぎる『神去なあなあ日常』感想文|三浦しをん

三浦しをんの『神去なあなあ日常』を読みました。 『WOOD JOB!』という題名で映画されているこの作品は、個人的には映画に向いていない作品だと思ってました。単純に林業という”お仕事小説”という側面のみから描く小説だったら映画にするのも面白いと思うんですが、この作品は林業という仕事の魅力以外の、違った魅力にあふれている作品でもあるからです。 そして、その魅力は三浦しをんの文章だからこそ味わえる格別 […]

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月29日

『幸せの条件』新しいことに挑戦しようとするあなたにオススメの本!!【誉田 哲也】

もうすぐ始まる新しい季節。それは新入学生や新入社員たちが、新しい環境で活躍する季節です。 そんなウチの職場にも新入社員K君がやってきました。 その新入社員K君は何故か僕にやたらとタメ口で話しかけてきたり、参考になるかと思って渡した僕の資料をパラパラめくり、「芥川さん、この内容でまぁOKです」と、新入社員からありがたくも承認を得ることに成功したりもしているのですが、それも新しい季節の小さな悪戯といえ […]

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月29日

カフェで読みたいおすすめ小説【22作品】癒されるやさしい本をどうぞ!

カフェで癒しの時間を過ごす時に、そのパートナーとして一冊の小説があることほど素敵なことはない。 香ばしいコーヒーに鼻腔をくすぐられながら、一つの物語に没頭できることは、読書好きにとってこの上ない贅沢だ。 できれば、その癒しの時間に読む物語はむやみに人が死ぬような話ではなく、優しさと温かさを兼ね備えた柔らかい読み心地の癒される小説であってほしい。 そんな時間を皆さんにも味わっていただきたいので、今回 […]

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月29日

夏のコーラと青春ミステリーは最高!『カクレカラクリ』感想文|森博嗣

熱く燃え上がるような青春を経験した人は、実は結構少ないのではないだろうか。 何か一つのスポーツに挑戦したり、何か一つの好きなことに没頭したり、ティーンエイジの大切な時間をその一つに捧げたことがある人にとっては、その挑戦や没頭こそを青春と感じるのではないかと思う。 しかし、振り返ってみたら「ああ、あの日は確かに青春だったな」なんて懐かしめる出来事も青春と呼ばれてもいいと思う。今日はそんな熱い青春では […]

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月29日

文字から聴こえてくる美しい音楽の調べ♬『蜜蜂と遠雷』感想文【直木賞・本屋大賞ダブル受賞作品】恩田陸

読みました。読みましたよ、恩田陸『蜜蜂と遠雷』。 第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞をW受賞している作品なので期待はしていましたが、正直、ここまでの傑作だとは思いませんでした。読み終わって、ちょっとまだ興奮から醒めていないような状態なのですが、あまりにも素晴らしかったので勢いに任せてネタバレ感想とこの作品の素晴らしい点を書いていきたいと思います。 今年読んだ中で絶対にTOP3に入る作品だろう […]

  • 2021年6月29日
  • 2021年7月1日

小説『しゃばけ』シリーズ全巻ネタバレ感想文と名言集 -畠中恵-

※2018/03/09 更新 畠中恵の作品に登場するキャラクターたちはみな人柄が良い。もちろん畠中恵作品と一言ではまとめられないのだが、個人的に一番楽しめて一番温かい作品は、愉快な妖たちが登場する『しゃばけシリーズ』ではないだろうか。 『しゃばけ』シリーズの優しい登場人物たちは他人を想い共に苦しんだり、誰かのために己を犠牲にしたりと、切なさと温かさが同居する名言の数々を残している。そこで今回は『し […]

  • 2021年6月29日
  • 2021年7月1日

村田沙耶香『地球星人』感想文|常識がゆがんでトランス状態になってしまう”らしさ全開”の狂気小説

村田沙耶香『地球星人』を読んだ。 この作品は『コンビニ人間』が第155回芥川賞を受賞したあとに出版された初めての作品となる。 ある意味、『コンビニ人間』という作品は他の村田沙耶香作品に比べて、性描写や暴力描写はおとなしい一般的な作品だった。 現代社会における”普通”という考え方が、いかに排除的で異常なことであるかを怪物的主人公の目線で描いていたが、作中には青少年に読ませられないような性描写はなかっ […]

  • 2021年6月29日
  • 2021年7月1日

この傑作に共感できない人生を送りたかったなぁ…『何者』感想文-朝井リョウ

僕は作家本人の人柄を好きになってしまうと作品も好意的に捉えてしまうことがあるので、なるべく作家と作品は別物として読むように気を付けているんです。 だから、朝井リョウの作品『何者』を読んだ時に感じた感想。 「これは素晴らしい作品を読み終えてしまった」 という感覚は、きっと作家の魅力とは無関係で作品に魅力があったに違いないと確信しています。 朝井リョウの作品はどうも心をえぐられる事が多いので心に準備を […]

  • 2021年6月29日
  • 2021年7月1日

超能力者が登場する珍しい小説たち【9作品】

※2018年7月30日更新 「超能力者はこの世界に本当に存在するのだろうか?」 そんな疑問は誰しもが抱いたことがあり、肯定派・否定派が多数存在する。いまだに議論されているということは明確な回答は得られていないのだろう。 小説においても “超能力” という存在が登場することがあるのだが、超能力という言葉の知名度に比べ、明確に超能力と定義されている能力が登場する一般小説は意外と少ない。 その理由として […]

  • 2021年6月29日
  • 2021年7月1日

なぜ『教団X』が”つまらない”という感想になるのか考える|明確な答えを示さない傑作小説の感想文|中村文則

アメトークの読書芸人を観た事のある人ならば知っていると思うが、中村文則さんの小説の中に『教団X』という作品がある。 番組の中で大絶賛されていたこともあり、多くの人が手に取ってこの本を読んだことだろう。 特徴的な装丁や壮大さを感じさせるタイトルは多くの人間の興味を引き、かなりの部数が売れたようだ。 ところが、この作品は売り上げに対して、多くの批判の声も聞こえてくる。 もちろん多くの人間の目に触れれば […]

  • 2021年6月28日
  • 2021年6月30日

おすすめエッセイ【12作品】時が流れても色あせない名作エッセイを随時更新していきます!

エッセイは面白い。 特に文章を書くことを生業にしている小説家が書くエッセイや、お笑い芸人が書くエッセイは物事を見る視点が面白く、同じ場面に自分が遭遇したとしても見えない角度で世界を切り取れるのが素晴らしいと思う。 その独特の視点があるから、作家や芸人は他にはない面白さを世の中に発信することが出来るのだろう。 独特の視点から生まれるエッセイはやはり独特で、何度も読み返したくなるものばかりだ。 今回は […]