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  • 2022年7月9日

柚木裕子『盤上の向日葵』感想文|この将棋ミステリーの傑作は唐沢の目線で読むことをすすめたい!

柚木裕子『盤上の向日葵』を読んだ。 2018年本屋大賞第二位になったミステリー作品。 ミステリーといっても読者が謎を考えるタイプのミステリーではなく、一人の人間の生き様を、刑事と共に追体験していくようなミステリーになっており、良い意味でいつも通りの柚 […]

  • 2022年7月9日

村上龍『オールド・テロリスト』感想文|とりあえず表紙の可愛らしさと内容の残酷さのギャップを無くしてほしい

装丁のイメージと本の内容が大きく異なる作品は多いが、村上龍『オールド・テロリスト』の表紙とその内容のギャップは大きすぎる。 このユーモラスな表紙に『オールド・テロリスト』というタイトル。それらに引っ張られて、行為は過激でもどこか遊び心のあるおじいちゃ […]

  • 2022年7月8日

森博嗣『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』感想文:あえて抽象的に物事を考えるとは?

新潮社から出版されている敬愛する森博嗣さんの著書。 小説だけでなく、同書のように”何かの考え方”を示した本も多く出版している森先生だが、個人的にはエッセイ本よりもこういった作品の方が好きだったりする。指向性がある本というべきか、ひとつの物事について潜 […]

  • 2022年7月8日

皆川博子『アルモニカ・ディアボリカ』感想文:BL好きの女子以外も楽しめるミステリアスで愛情深い人間ドラマ

前作の『開かせていただき光栄です』の世界から5年後のイギリスを舞台にしたミステリー?小説。便宜上、ミステリーと付けたが、実際は言葉でカテゴライズ出来るような作品ではなく、「素晴らしく面白い小説」というような抽象的でチープな言葉になってしまうのが悔しい […]

  • 2022年7月8日

皆川博子『開かせていただき光栄です』紹介と感想文:どこか幻想的で甘い腐臭が漂う解剖ミステリーはまぎれもない傑作

『開かせていただき光栄です』という作品名を聞くと、非モテ男が佐々木希チックな彼女を初めて抱く時に言いそうなセリフランキング一位みたいだが、そんな冗談を言うのが本当に失礼だと書きながらすでに反省しているほどの傑作小説。 物語の展開が一切読めない胸躍る作 […]

  • 2022年6月30日

『ドラえもん短歌』の魅力は黒いドラえもんから生まれる -枡野浩一-

僕らにとっての”ドラえもん”とは、どのような存在なのだろうか? アニメや映画のイメージからすると、かわいらしくて文句を言いながらものび太君を助けてあげて頼りがいがあったり、涙もろくてドジでポンコツなところもある未来から来たネコ型ロボット。それでいて原 […]

  • 2022年4月18日

和田竜『忍びの国』小説感想文:耐え忍ぶのではなく金を懐に忍ばせる事が伊賀忍者の生きがいである

海外から見た日本のイメージは、未だに侍や忍者から脱却できてはいないのかもしれない。 海外向けの日本人のパフォーマンスはどうしてもSAMURAIでありNINJAをしておくのが無難であることは昔から変わらず、未だにチョンマゲ姿に袴を着ている人たちがTOK […]

  • 2022年4月18日

本橋信宏『なぜ人妻はそそるのか?』感想文:結局タブーを犯すことに興奮する生き物なのだよ、人間は!

全力でスタンディングオベーションを贈りたくなるほど魅力的なタイトルの本がある。それが本橋信宏さんの『なぜ人妻はそそるのか?「よろめき」の現代史』だ。 作品タイトルを聞いただけで「たしかに何でそそるんだろう?」とテンションが上がってしまい、手が震え汗ま […]

  • 2022年4月7日

紗倉まな『最低。』感想文|女の子が自分で選んだ道を【AV落ち】なんて呼ばないで欲しい

「いつも大変お世話になっております」 と、 三つ指立てて頭を下げなければならない人がいる。 名前は、紗倉まな。 職業はセクシー女優だ。 本当に日々お世話になっている。 「ありがてぇ・・・ありがてぇよぉ・・・」 といった感じで手をこすりながら感謝の言葉 […]

  • 2022年4月7日

純粋で怪物的なマイノリティー主人公はコンビニで世界の正常な歯車となれるのか?『コンビニ人間』感想文|村田沙耶香

  村田沙耶香『コンビニ人間』を読んだ。 第155回芥川龍之介賞を受賞したこの作品と、作者である村田沙耶香さんの独特のキャラクターは大いに話題になった。 インタビュー記事でもよく描かれていたが、村田さん自身がコンビニでアルバイトをしている事 […]