おすすめの警察小説【16作品】リアル、人情、サスペンス、猟奇殺人、マル暴、海外作品を厳選!

  • 2021年6月30日

※2020年10月1日更新

僕はハードボイルドな警察小説も好きで読むし、映画化に向いているエンタメ的な警察小説もよく読む。

警察という存在が現実的であまりにも自然に身近にあるので、自分が『警察小説』というジャンルを多く読んでいる認識はあまりなかったのだが、記事を書くにあたり、過去に読んだ警察小説の数を確認してみたところ、意外なほど多くの作品を手にとっていることがわかった。

気が付いたらまとめておすすめできる作品のポイントが何となくわかる程になってきたようだ。

そこで今回は僕が読んだ『警察小説』の中でおすすめしたい作品を紹介していきたいと思う。

ルール

  • 実際に読んで面白かった作品をまとめとして紹介(ランキングではなく順番はランダム)
  • 現在個別ページがない作品もいずれ個別ページを作成し、映画、ドラマ、漫画、アニメなど、他の媒体になっているなどの詳細情報はそちらに
  • 基本的にはおすすめしたい点をフォーカスする。気になった点は個別ページに書く。あらすじはamazonから引用させてもらう
  • ダラダラと長い記事なので目次を活用してもらえるとありがたい
  • 重大なネタバレはしないが、見たくなかったり長い記事読むのが面倒だったら目次で飛んで欲しい
  • 警察が主役であれば、細かいジャンルについては自由に紹介する
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孤狼の血 #柚月裕子

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。

ヤクザを相手にした無骨で乾いた印象の警察小説。ベテランと新人のコンビの作品は多いが、あくまでも大上日岡という個人がコンビを組んでいるから楽しめるのだと、核心を持って言えるほどキャラクターが立っていて面白い。荒々しい広島弁と内容もマッチしていているし、終盤に見せるいくつもの伏線回収も見事で読みだすと止まらなくなってしまう。スパッと切り取られたように物語が終わるのもハードボイルドで個人的にはとても好きで、ヤクザ物なのにそこまで残酷に感じずに読めるのは、直接的な暴力描写が少ないからかもしれない。

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凶犬の眼 #柚月裕子

所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく…。警察VSヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。日本推理作家協会賞『孤狼の血』シリーズ最新刊!

前作にも登場した日岡が山奥の駐在所に飛ばされた日岡がマル暴に復帰するまでが描かれる『孤狼の血』の続編。男と男の約束。ヤクザは必要悪か絶対悪か。正義と仁義について。いくつもの男くさいテーマを抱えつつ駐在・日岡と極道・国光が徐々に信頼関係を結んでいく様子はとにかく熱い。ヤクザであることなど関係なくとにかく国光が格好いいので、その生き様に触れるだけでもこの本を読む価値があると思う。日岡と国光の間には読んだ人が驚くような出来事も起こる上に、ラストのシーンがゾクゾクするので楽しみに読んでもらいたい。

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半落ち #横山秀夫

「人間五十年」―請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが、犯行後二日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。感涙の犯罪ミステリー。

容疑は認めているが、隠し事もある状態のことを「半落ち」と呼ぶが、この作品はその隠し事・・・空白の二日間について調べていく物語。初めてこの本を読み終わって閉じたとき、僕はとにかく泣いてしまった。物語を自分に置き換えた場合、果たして同じ選択をする事があるのだろうか。社会のルールがすべてにおいて絶対的な正しさとみなすべきなのだろうか。人間はいくつになっても自分自身が驚くような選択をする事があるのかもしれないが、自己投影することで少しだけ不安になる。読み終えた後にも考えさせられる社会派の名作警察小説だ

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ストロベリーナイト #誉田哲也

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。人気シリーズ、待望の文庫化始動。

誉田哲也といえばこの作品!と言いたくなる姫川玲子シリーズの第1巻。映像が鮮明に目に浮かぶような描写と、ページをめくる手が止まらなくなるようなリーダビリティーを誇るシリーズの中でも特に続きが気になってしまうのがこのストロベリーナイト。身内の警察関係者との軋轢などがある中でも姫川玲子は良い意味で女性らしい雰囲気を無くさないまま、エグい事件に正面から向き合っているので、警察小説の中でも珍しい部類に入る作品だと思う。

ちなみに『ソウルケイジ』『ブルーマーダー』など続編は多いが、中でも『インビジブルレイン』は名作。恋愛要素もあり、シリーズの大きな転換期になるので、ぜひ順番に読んでみて欲しい。

ジウ #誉田哲也

都内の住宅地で人質篭城事件が発生した。所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうが―!?篭城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは?ハイスピード、未會有のスケールで描く新・警察小説。

もう一つ、誉田哲也の警察小説といえばこのジウシリーズも外せない。面白く読みやすいのはもちろんだが、『武士道シックスティーン』のキャラ設定が警察に変わって残酷にしたらこんな話になりそうだなと、思わず妄想を膨らませてしまうような魅力的な登場人物が活躍する。三部作になっており、終盤では警察小説というよりも対テロ小説のようになっていて息をのむ展開が続いていく。ただ、ジウというタイトルの割にはジウという存在が中途半端に感じるので、あまりジウに期待せずに読んでもらいたい作品でもある。ちなみに幼少期のジウの体験は想像するだけで痛いので、あまり自己投影しないことをすすめたい。

百舌の叫ぶ夜 #逢坂剛

能登半島の突端にある孤狼岬で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事は…。錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編。

ドラマ『MOZU』の原作小説にしてハードボイルド作品。主人公の倉木尚武は悲劇的で芯が強く、不器用な性格をしている所に不思議な魅力がある。その倉木を中心に美希と大杉がなれ合わない距離感で捜査を進めていく展開はつい前のめりになってしまう。また、記憶喪失の男の正体や裏側にある陰謀が明らかになっていく流れは、一度読みだすと止まらなくなってしまう中毒性を持っている

ちなみにこの作品は続編にあたる『幻の翼』と合わせて上下巻になっているような内容で、さらに続編『砕かれた鍵』では衝撃的なことが起こるのでドラマファンの方も騙されたと思って読んでみて欲しい。余談だが続編ではエロいシーンが増えていく、笑。

その女アレックス #ピエール・ルメートル

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

日本でも非常に話題になったカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの二作目。3部構成でアレックスという女性が拉致監禁脱出するのだが、それぞれの章でアレックスに対する読者の印象が見事に操作されるので読んでいてとても面白く、恐怖、軽蔑、戦慄、憐みなど多様に変化する自らの感覚が楽しめる作品だ。”信頼できる”主人公であるカミーユが登場する作品は1作目『悲しみのイレーヌ』と3作目『傷だらけのカミーユ』と数作発売されており、どの作品も重なり合った真実が逆転する意外性に満ちた作品になっているのでぜひ手に取ってもらいたい。

チャイルド44 #トム・ロブ スミス

スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レオ・デミドフは、あるスパイ容疑者の拘束に成功する。だが、この機に乗じた狡猾な副官の計略にはまり、妻ともども片田舎の民警へと追放される。そこで発見された惨殺体の状況は、かつて彼が事故と遺族を説得した少年の遺体に酷似していた…。ソ連に実在した大量殺人犯に着想を得て、世界を震撼させた超新星の鮮烈なデビュー作。

国家保安省・・・つまり、秘密警察ということでこの作品も入れてみた。スターリン体制下の旧ソ連が舞台の殺人事件の話で、読み進めていくとこれ以上ないほど興奮できる名作。上巻では共産主義の矛盾とそこから生まれた社会情勢の劣悪さが、下巻では国に追われながら少年少女の連続殺人事件を追うレオたちの奮闘が存分に描かれている。絶望的な状況の中、純粋に正義のために立ち上がり突き進んでいくレオを心の底から応援できる作品になっている。個人的には下巻の列車のシーンが最高に興奮できる名場面だと思う。

第三の時効 #横山秀夫

殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短篇集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ―。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。

F県警強行犯シリーズ。男臭くてプライドが高い警察内部の摩擦が描かれているゴリゴリの警察小説。タイトルから感動モノのような印象を受けるが、同じ警察署の中で情報を隠しあったり、足の引っ張りあいをしながら競ったように事件を解決する様子がかなりハードボイルドな印象を受ける作品。個人的には、仕事なんだから組織として最大公約数になるようにはたらいてほしいと思ってしまうが、その中でも朽木の正統派な強さにだけは憧れを持ってしまう。やはり正統派で強い心を持った警官というのは格好いいものだ。

強奪 箱根駅伝 #安東能明

12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。駅伝生中継のジャックをも仄めかし、次々と要求を突きつけてくる誘拐犯。混迷の中でスタートした駅伝。そして、激走とシンクロするように誘拐犯・TV局・警察の熾烈な攻防戦が始まった。ハイテクを駆使し可能性の限界に挑んだ犯罪の結末は。一気読み間違いなしの傑作サスペンス巨編。

誘拐事件と箱根駅伝が絡み合った異色のサスペンス小説。警察小説としてすすめるべきか悩んだのだが珍しい作品なので入れてみた。警察、テレビ局、犯人、学生とコロコロ視点が変わっていく面白さがあるのだが、同時に誰に感情移入すればいいのかわからず、バタついた印象を持ってしまうかもしれない。そんなときは迷わず学生にだけ感情移入しよう。クライマックスの十区の激走は素晴らしいので、犯罪要素なしの王道スポーツ物として読んでも楽しめる作品になっている。あと、箱根駅伝の中継のリアルさから作者の箱根駅伝愛も感じられるのが好印象だったりする。

ヒトリシズカ #誉田哲也

見えそうで見えない。手が届きそうで届かない。時と場所、いずれも違うところで起きる五つの殺人事件。その背後につらつく女の影。追う警察の手をすり抜ける女は幻なのか。いまもっとも旬な著者の連作ミステリー。

五つの殺人事件と姿が見えそうで見えない一人の女の影を追う連作ミステリー。東野圭吾『白夜行』のように、影がチラリと見え隠れするゾクゾク感もあり、存在が明らかになるにつれて高まっていく内容は非常に読みごたえがある。誰が悪いわけでもない。誰が間違っていたわけでもない。それなのに空しさと悲しさが溢れて静かに幕を下ろしていく物語は読み手の心に不思議な影を落とす。読んだ方にだけ言ってしまうが、最後に静香は一人ではなかったのではないかと僕は思う。

もぐら #矢月秀作

かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した―。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。悪を憎む孤独なヒーロー、ここに誕生。

ドンパチしまくるハードボイルドな警察小説。実際にこんな展開なんてありえないと思うが、そんなことが気にならないくらいスカッと悪を成敗していく”もぐら”が登場する話。細かいことを気にしないで映画『ダイハード』などのハリウッド映画を見ているつもりで読むと楽しめると思う。警察小説なのに超法規的措置で進んでいくストーリーは、重厚な作品というよりエンタメな作品なのでそのつもりで手に取ってもらいたいところだ。ちなみにシリーズは結構出ているので気に入ったら順番に読んでほしい。

犯人に告ぐ #雫井脩介

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

いい意味で胃が痛くなるような雫井作品の中でも特にストレスがたまる傑作警察小説。姿の見えない犯人を見つだすためにTVを利用した劇場型捜査を展開していく。6年前の事件の傷を心に抱える巻島警視に感情移入すると、よりストレスが溜まってしまうのだが、そのストレスを共に味わうのも警察小説の醍醐味ではないだろうか。また、中盤以降では「警察VS犯人」の図式に「世論」が割り込んでくることで、巧妙に集団心理や情報操作の恐ろしさを伝えている社会派な一面もある小説になっている。キメ台詞である「震えて眠れ」は何度読んでもシビれる。

教場0: 刑事指導官・風間公親 #長岡弘樹

各話に施された恐るべき仕掛けの数々と、 驚天動地のラスト! トリックメーカー長岡弘樹の面目躍如! 「刑事コロンボ」「古畑任三郎」に連なる 倒叙ミステリーのニューヒーロー! ――各話タイトルの元ネタが分かった方は、 かなりの「刑事コロンボ」通です!

教場シリーズといえば、指導官である風間が警察学校で生徒を追い込み、ふるいにかけるような展開が見どころだが、この教場0はまだ指導官になる前の刑事だったころの風間が事件解決を促す物語になっている。とはいえ、やっていることはほとんど前シリーズの内容と変わらないので安心して読める。ラストでは、なぜ風間が警察学校の教官になったのかがわかるのでシリーズを読んできた人は是非そのまま読んでもらいたい。ちなみにおすすめは第五話『指輪のレクイエム』

連続殺人鬼 カエル男 #中山七里

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。

感想

カエル男と呼ばれる連続猟奇殺人犯を追う警察の話。前半は猟奇殺人もののスタンダードな展開なので少し退屈に思えるかもしれないが、クライマックスに向けて二転三転するようなどんでん返しの連続はかなり読みごたえがある。虐待のシーンや殺害された死体の描写はかなりグロイので読者は選ぶかもしれないが、主人公・古手川の過去にもスポットを当てたり、刑法39条の心神喪失について問題提起をしているので、ただの色物小説ではなく厚みと面白さを兼ね備えた作品であることはしっかりと伝えておきたい。内容がいいのにタイトルがダサいのでもう少し捻ってほしかった、笑。ちなみに続編もあるのでどうぞ。

刑事のはらわた #首藤 瓜於

幹部に目をかけられ、所轄署刑事から県警本部へと異例の出世を果たした八神は、畑違いの鑑職課でベテラン課員を率いて緊張の連続。愛宕港で引き揚げられた死体は、窃盗で5ヶ月前に出所したばかりの男だった。男の行動を不審に思った八神が秘かに調べていくうちに、未解決の金塊盗難事件が浮かび上がる。

感想

刑事課ではなく鑑識課の警察小説。鑑識課なので、登場する事件がすべて解決するわけではないところに新鮮さと面白味を感じるが、その分事件が多く起こるので、「臨場→解剖→臨場→解剖」の繰り返しを読んでいると頭がおかしくなりそうだった。丁寧な言葉遣いをしつつ、まっすぐで優秀な主人公に好感を持っていたが、精神的に少しずつ追い詰められていき、読者にも主人公の目的がわからないまま進んでいく様子はかなりの緊張感がある。物語の最後のページの向こう側で八神はどのような道を歩むことになるのか、想像すると気持ちが沈んでしまう。

最後に

いかがだっただろう?

気に入った作品は見つかっただろうか?

警察小説は人情物としても描けるし、エンターテイメントとしても描ける。

さらに犯人側の視点を入れたり、ハードボイルドな作品としても描いていくことが出る幅広いジャンルだと思っている。

それは警察という存在が”人間に深く関わる仕事”なので、生み出されるストーリーも人間のように十人十色で幅が生まれるのではないかと思っている。

これからも、そんな警察小説を楽しんで読んでいきたいと思う。

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