【日本の昔話】わらしべ長者

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わらしべ長者

むかし、むかし、ある所に1人の貧しい男がおりました。

男は、朝から晩までせっせと真面目に働いていましたが、いくら働けど貧乏で何をやってもいいことがありませんでした。

男はとても運のない人生を歩んでいました。

ある日、男は、一か八かの最後の手段として、お堂に行き観音さまにお祈りしました。

運のない男の最後の運だめしだったのです。

「観音様、観音様、私はとても運がありません。もうこれ以上生きていても仕方がありません。どうか私に運を授けてくださいませ。」

男は、遅くまでずっと観音様にお祈りを続けました。

すると、夕方暗くなった時、観音さんが男の目の前に現われました。

「男よ。あなたに運を授けます。あなたは、このお寺を出るとき、転んでしまうでしょう」

「あぁ、観音様、転んでしまうなんて私はやっぱり運がない」

「何を言うか。それがお前の運の始まりです。転んだ時に何かをつかみます。それを持って西に行きなさい。」

「はい、わかりました観音様。」

男はお堂を出ると疲れていたのか、転がってしまい、その時何かをつかみました。

それは、一本のわらでした。

「わらが1本か。こんなもの持ってて何になるんだか。でも観音様のお告げだからなぁ。」

何の役にもたたないと思いましたが、男は、わらを持って西に歩いて行きました。

男が歩いていると、あぶが飛んできました。
男はあぶをつかまえると、わらの先に縛りつけ、また西へと歩いて行きました。

しばらく歩くと、泣きじゃくる小さなん子どもと母親がいました。
母親は、子どもが泣きやまないのでとても困っていました。

男は子どもに近づいてみました。

すると、子どもが急に泣くのをやめたではありませんか。

子どもは男の持っているわらにくくられたアブを大変気に入ったようでした。

「これは観音様から、大事にもっておくように言われたものだけど、子どもが喜ぶならあげてしまおう」

男は、子どもにアブのついたワラをあげました。

「ありがとうございます。なんもありませんが、これをどうぞ。」

すると、子どもの母親はお礼にミカンを三つくれました。

男はミカンを三つ手にして、さらに西に歩いて行きました。

しばらく行くと、娘さんが道端で苦しんでいるのを目にしました。

「どうしたんですがお嬢さん」

「もう、のどがかわいて一歩も歩けない。どこかに水はありませんか」

「それは困りましたね。このあたりは川も池もないし…。お、そうだ。これをあげましょう。」

男は水の代わりにミカンを娘にあげました。

ミカンをすべて食べた娘の体調はみるみるよくなりました。

「このご恩は一生忘れません。これをどうぞお受け取りください」

娘はお礼に上等な絹の布をくれました。

絹の布を持って、男はさらに西に歩いて行きました。

しばらく行くと、サムライと元気のない馬に出会いました。

「おい、そこの男。ちょっと待て」

サムライは男の持っている美しい布を見て、男に死にそうな馬と絹の布を交換してほしいと言いました。

「その馬、もう死にそうじゃないか」

「いんや、ちょっと疲れているだけだ。いいからその布をよこせ」

サムライは強引に絹の布を持って行ってしまいました。

男は、絹の布を失い、元気のない馬を貰いました。

「あー、やっぱり俺には運なんてないのか。」

男は落ち込みましたが、やさしい性格だったため、元気のない馬を夜通し面倒を見てあげました。

すると馬は、朝にはすっかり元気になっていました。

元気になった馬を見て、男も元気が湧いてきました。
男は馬を連れて、さらに西に歩いて行きました。

西に行くとある城下町へ着きました。

すると、門の中から、お金持ちそうな殿様が出てきました。

「これこれ、そこの男。私はこれから東の国へ行かねばならない。荷物を運ぶ馬がたりないからその馬をゆずってくれんか」

「馬ですか。」

「金ならいくらでも出す。500両か?1000両か?」

「せ、千両??」

男はびっくりして倒れてしまいました。

男が気が付くと屋敷で看病されましたが、その看病してくれている娘にどこか見覚えがありました。

「あ、あのもしや、あなたは絹の布をくれた娘さんですか?」

「あ!あなた様はあの時お方!」

このようすを見ていた殿様が言いました。

「あなたが娘を助けてくださった方でしたが。それだったら私の娘も貰ってやってください。そしてわしの跡継ぎになってくれ」

「ひえー!運がつきすぎてる!」

こうして男は綺麗な娘を嫁に貰う事ができ、さらにはお金持ちにもなりました。

観音さまに言われたとおり、男はわら一本で長者になり、男は、生涯、わら一本粗末にすることはありませんでした。

村人からは、「わらしべ長者」と呼ばれました。

~おしまい~

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