MLB(メジャーリーグ)の2021オールスターゲームが米現地時間の7月12日、コロラド州デンバーで行われます。その「前夜祭」として毎年ファンに大人気、大注目を集めるホームランダービーに、日本人として史上初めて大谷翔平選手(エンゼルス)の出場が決まりました!
大谷選手の大飛球が見逃せないメジャーの2021ホームランダービー。そのルールや日米の違い、心配な点などをまとめました。(出典:Wikipedia、スポーツメディア)
ホームランダービーのルール(メジャー)を分かりやすく解説
かつてあのイチロー、松井秀喜氏でさえ出場を果たせなかったメジャーのホームランダービー。大谷選手が日本人で初めて成し遂げることになります。ちなみに、メジャーで先発登板した投手がホームランダービーに出るのもMLB史上初だそうです。
ではまずメジャーのホームランダービーのルールをご説明しましょう。
ホームランダービールール
●8人の選手がトーナメント形式で対戦(準々決勝→準決勝→決勝)
●制限時間4分で何本の本塁打を打てるか競う
●440フィート(=約134.1メートル)以上の本塁打を2本以上打った場合、制限時間に30秒が追加される
●45秒間のタイムアウトを1度だけ使用できる(決勝戦のみ2度)
●本数が並んだ場合は制限時間1分のスイングオフで競い合う(それでも決まらない場合、3スイング制のタイブレークを勝者が決定するまで行う)
VOTE FOR SHOHEI FOR ASG, WATCH HIM IN THE HR DERBY, APPRECIATE HIM. pic.twitter.com/GHLZVNo7sF
— Los Angeles Angels (@Angels) June 19, 2021
ルールの変遷
1985年から始まったメジャーのホームランダービーですが、これまでルールが何度か変遷しています。2006~14年までは本塁打以外のスイングをすべてアウト(ただし、打てるボールが来るまで見逃すのは何球でもOK)とし、1選手1回の試技で10アウトになると終了、というルール。2015年からは現在の制限時間制になりました。
We’ve said it before & we’ll say it again: he does it all.
Shohei Ohtani will participate in the Home Run Derby!
大谷翔平がホームラン・ダービーに出場!— Los Angeles Angels (@Angels) June 18, 2021
日本との違い
日本のプロ野球でも毎年オールスターの試合前にホームランダービーが行われています。今年のルールは以下の通りです。
●8人の選手がトーナメント形式で対戦(準々決勝→準決勝→決勝)
●制限時間2分で何本本塁打を打てるか競う
●同点の場合1分間の延長戦を行う
●延長戦でも同点の場合は①ホームランダービーファン投票の投票数が上位の選手②本年公式戦で本塁打数が多い選手③昨年公式戦の本塁打数が多い選手―の条件で順位を決定
●ただし決勝が本塁打数0で同数の場合は引き分け
ちなみに日本でもメジャー同様、2017年までは「1選手が7アウトになると終了」でしたが、18年からは制限時間制になっています。
【日ハム大谷がホームラン競争優勝 プロ野球オールスター】https://t.co/wPxWP9xya7 pic.twitter.com/D5X70X9XI5
— 北海道新聞 (@doshinweb) July 15, 2016
ホームランダービー後の不振が心配される理由
「野球の華」でもある豪快な本塁打が何十本も見られるため、とりわけファンが熱狂するホームランダービーですが、一部選手や球団には歓迎されていないようです。
疲労や不振に懸念
というのも現在のルールになって以降本塁打数が激増。例えば旧ルールでは過去の1ラウンド最多が28本だったのに、19年は3ラウンド合計で何と91本も多発(ちなみに打ったのは今季の大谷選手のライバル、ゲレロJr選手です)。
疲労のため怪我につながる恐れや、無理やり本塁打を多数打つためスイングの形を崩し、オールスター後の公式戦で調子を落とす懸念が、選手や球団側に多いとされます。
MLB打診に辞退者も
メジャーではダービー出場の8人は、それまでの公式戦本塁打数上位選手にMLBが個別に要請して決めています。しかし上記の懸念のためや、実際に怪我を抱えている場合出場辞退する選手も少なくありません。
現に今年も両リーグの本塁打ランク上位選手に打診が行っているものの、6月19日現在で明確に受諾したのは大谷選手らわずか。
ゲレロJr選手は前向きですが、タティスJr選手は態度未定。17年優勝のジャッジ選手は「参加は考えてないし今のところ興味はない」ときっぱり断っています。
そこで賞金を爆上げ
こうした懸念への対応としてMLBは19年に、優勝賞金を前年の12万5000ドルから8倍の100万ドル(約1億1000万円)に爆増させました。なお日本での優勝賞金は100万円。雲泥の差ですが、日本ではダービー出場選手はファン投票で選ばれるため、状況がかなり異なるともいえます。
ホームランダービー2021メジャー大谷へのネットの反応
- 出場辞退者続出のMLBホームランダービー。大谷は“真夏の祭典”の救世主になる!?
- 見たいのは見たいが疲れが心配。なのでホームランダービーより1イニングで良いので2刀流がみたい。歴史に残る
- 凄い出来事は10年に1回も起こらない。大谷がホームランダービー優勝したら株価も上がるよ
- アナタホントニホンジンデスカ?
- MLB全然興味ないけど大谷が出るんならHRダービー見てみようかな
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 大谷翔平が日本人で初めてメジャーのホームランダービーに出場決定!
- 1R4分間の本塁打数を競うルール。3R勝ち抜けば優勝。賞金は1億円超
- 日本は2分と半分以下。相当ハードなため辞退者も。大谷は意に介さず
大谷選手、日ハム時代には優勝やMVP経験もあるホームランダービーとオールスターですが、やはりメジャーのそれは格別な重みがある様子。
メディアの取材には「(メジャーには)投手で行くと思っていたので、こうなるとは予想外」と驚き、「単純に日本人として出てみたいという気持ちが野球選手として強かった」と熱い気持ちを吐露していました。
しかも「一生の記念」などではなく十分自信もあるのが彼の凄いところ。「以前スタントンのを見て凄かった」と思い出を語りつつも「出るからには(優勝を)目指す」と断言しています。
いわゆる疲労などの懸念も「何事も経験しないと」と意に介さないのも大谷選手らしさ。無理だけはせず、是非初のオールスターを楽しんでほしいものです。
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