少し前の事だが、電車の中吊り広告で見かけてからずっと気になっていた本をうちのワイフがたまたま買ってきた。ナイスワイフ。
その本は堀江昭佳さんの『血流がすべて解決する』という本で、身体の問題に留まらず心の問題まで含めて、「こんな症状の人は血流に問題があるんだよ~」と教えてくれる本です。
僕は書かれている内容の100%を信じている訳ではないのですが、実際に書かれている内容のいくつかを試してみたところ非常に参考になる部分も多かったので、この実用書の感想と要点のまとめを一部ネタバレしつつ書いていけたらと思います。
“最近、体の調子がいまいちだなぁ・・・”
なんて感じている人の参考になれば嬉しいです。
血流がすべて解決する
概要
この本は、「血流を増やして、心と体のすべての悩みを解決する方法」を書いた本です。大げさだなあと思われるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。
血流は、全身にある60兆個の細胞に酸素や栄養を届けるという大切な役割を担っています。さらに、幸せホルモンややる気ホルモンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の働きも、血流によって左右されています。この人間の心と体を支えている大切な血流が悪くなってしまうと、心身ともに不調が出てしまうのは当然ともいえるのです。
逆にいうと、血流を改善すれば、心の悩みも体の悩みもおもしろいように解決していくのです! 血流をよくするというと、「血液サラサラ」を思い浮かべるひとが多いと思いますが、とくに女性の場合、そもそも血がつくれず、不足しているために血流がよくないというひとがほとんどです。まずは、血をつくれるようにし、血を増やし、その結果血流をよくしていくことが必要です。
本書では、人気漢方薬剤師が、そのための食べ方や睡眠のとり方、生活習慣の改善方法をお伝えしていきます。どれも手軽に取り入れられるものばかりですので、ぜひチャレンジしてみてください。
引用:amazon
血とは女子力そのものなのです。
そんな一文が本書に書かれているくらいなので、基本的には女性に向けて書かれた内容になっています。
日本人の多くに見られる慢性的な体調不良の原因。もっと大きく言うと心と体のすべての悩みの原因は血流にあるという考えの元、人間の体の血流を良くする方法が書かれています。
感想
実用書として非常に勉強になる内容で、前半部分の血流を良くする方法が書かれている部分に関しては、実際に自分でも実践してみました。わかりやすいですからね。
本書によれば、血流が悪くなる本当の理由(体質)は3つ。
- 血がつくれない【気虚体質】
- 血が足りない【血虚体質】
- 血が流れない【気滞 オ血体質】
という漢方の世界では常識も呼ばれるような体質が原因との事。
そして、その体質の不全は『病気』ではなく『未病』と呼ばれる病気の一歩手前の状態を指すようで、多くの女性がその不調に悩まされており、この本ではその体質の改善の方法が書かれています。では実際に体質を改善するにはどうするべきなのか、要点をまとめてみました。
体質改善のポイントを押さえる
基本的には、『つくる→増やす→流す』という順番を絶対に守るということが重要だそうで、細かいことはしっかりと本を読んでいただきたいのでポイントだけ見ていきましょう。
■胃腸を元気にする
1番は血がつくれない気虚の改善で、その為には空腹時間を増やして胃を休ませることが重要とのこと。胃を休めるには睡眠中に胃に何も入っていない事が重要とのことで、朝食ではなく夕食を抑える方法をおすすめしていました。
■肉食女子になる
肉食女子とはガツガツ男を漁る方ではなく(まぁそれはそれで沢山増えればいいと思うが)、文字通り肉を食べる女性になると良いとのこと。さらに、食べるのであれば牛肉や豚肉よりも。鶏肉を食べてヘム鉄を摂取すると良いそうです。
■23時までに寝る
交感神経と副交感神経の入れ替わりの関係から23時までに寝ておくことが血を増やすために必要とのことです。ちなみに体内時計のリセットの為に、起きたら五分ほど朝日を浴びると良いそうです。そして朝は7時には起きましょう!
■寝る前に『完全呼吸をする』
完全呼吸とは、
P157
①息を吐き切る。
②鼻から息を吸う(このとき、腹式呼吸でおなかで吸って、続けて胸式呼吸で胸いっぱいに吸い込みます)。
③息を止めて、おしりをキュッと締める。
④口から一息に吐く(吸ったときの倍の時間をかけて、おなかと背中がくっつくくらい吐き切ります)。
⑤これを三回繰り返す。
というもので、リラックス効果があるそうなので、寝る前に行うことが勧められています。そんなに時間がかかるものではないのでお手軽です!
■第二の心臓と言われるふくらはぎを鍛える
重力があるのでどうしても血は足に集まります。故にふくらはぎが鍛えられれば血流が良くなるそうで、その為の【もも上げウォーク】と【かかと上げ下げ運動】の方法が書かれています。ちなみに他にも【かんたん丹田呼吸法】や【足握手ストレッチ】など、ちょっとした時間でも出来る血を流しやすくする運動法や呼吸法が書かれています。
基本的に血を流すことについて書かれた章は主に女性に向けての記事でした。というか、全て女性をターゲットにして書かれている本なので、貧血気味の女性、不妊治療を受けている女性、慢性的に身体の調子が良くない女性などは、参考になる内容が多く書かれているように思えます。
試してみた
実際に僕も自分にできることを試してみました。
まず、1週間の夕食断食をしてみました(野菜スープだけは飲んだりしました)が、やりはじめの1~3日は夜寝る前の空腹がつらくて意味があるのかと思っていましたが、後半は起き抜けでも朝食を美味しく食べられるようになったので効果があったのではないかと思います。でも、人から誘われて飲みに行ったりする機会が多い人は結構大変かもしれませんね。
朝食では無理でしたが、昼食ではなるべく肉を摂取するようにしました。もともと、低糖質高たんぱくの食事は心がけていましたが、さらに意識するようになりました。でも鶏肉って意外と昼食だと取りにくいんですよね。←「鶏肉」と「取りにくい」がダジャレみたいになっているのはただの事故です、笑。
また、23時までに寝ることについても意識しました。これが意外と難しいのですが、やはり、23時に寝る為には22時30分には布団に入る事は大前提。一時間前に湯船につかり、一度身体を温めた後に冷やしていきます。さらに、本を読んだりラジオを聞いたりと、何かしらの一工夫をしないと難しいと感じました。 ブルーライトは睡眠を妨害するのでスマホやテレビは厳禁です。
続いて完全呼吸について。完全呼吸は夜だけではなく、仕事でストレスを感じた時に意識して行う事できもちの整理が付きやすい気がします。長谷部ではないですが、心が整った気がするとでも言えばわかりやすいでしょうか。
僕は基本的に食事と睡眠の意識の部分で本書を活用しました。実際に自分で試した限りだと、『一週間夕食断食』が非常に身体のサイクルが良くなった気がします。無理をする必要はないと思いますが、夕食以外の食事に気を使ってバランスよく食事が出来るならダイエット効果も期待できそうです。もし興味があったら試してみてはいかがでしょうか?
最後のまとめはやや強引?
この本、書かれている内容は非常に興味深いので、僕自身も実践していることは多いのですが、所々に理論破綻がみられる傾向があります、笑。なんというか、展開が強引なんですよね。
「こういう理由なので、こういう行動をとりましょう!」と書かれているんですが、その理由の根拠が100%納得できない感じがするんです、笑。たとえば、
漢方の世界では○○なので○○は当然です。
であったりとか、
○○と思うのは自然なことです。
だったりとか。言葉で誘導はしてくれているし、実際身体にも良いのでしょうが、言われている内容は、当然ではないし自然でもなかったりするのでどうも説得力に欠ける部分があるんです。
すべては解決していない
あと、タイトルを全否定してしまって申し訳ないのだが、別に血流がすべて解決していないという点があります。堀江さん、スイマセン。もちろん作品タイトルなので、多少風呂敷を広げなければいけないというのは分かっているのですが、それにしてもすべては解決していないです。最後の章で、こんな流れがありました。
- 患者のAさんは堀江先生の治療を受けて血流が改善されました。
- それでも患者のAさんは色々なことが不安でしかたない性格。
- その原因を探ると、どうやら幼いころからの父との人間関係に問題がありそう。
- Aさんはその事を父と向き合ってしっかりと話すことにした。
- 父と向き合い話し合ったことで心の不安が解決しました
- 血流がすべてを解決するんです!!ドンッ!!
いやいやいやいや、それは血流関係ないし、笑。
解決したのはAさんが父と話したからです。その思考に至ったのは血流の改善があったから~。ってのは流石に強引なのではないでしょうか。書いている内容は良い事なのに、逆に怪しく見えてしまうので勿体ないです、笑。
最後に
人の身体は神秘的で、まだまだ解明されていないことが多いですよね。
この本に書かれていることのすべてを受け入れる必要はないし、すべてを否定する必要もないので、実際に行動を起こしてみて自分の身体に合った部分だけを継続していけばいいのではないかと思います。実用書の実用的な使い方とは、本来そういうものなのかもしれませんね。
興味のある女性の方、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか!