コア視聴率とは?違いと調べ方

NHKが生中継した東京五輪の開会式の平均世帯視聴率は56.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、これは1964年の前回の東京大会の61.2%(関東地区)に迫る数字であったと話題になりました。

一方で、ダウンタウンの松本人志の発言「ネットニュースっていつまで“世帯”視聴率を記事にするんやろう?その指標あんま関係ないねんけど。。。」から、テレビ局が重視しているのは、今や個人視聴率だとも話題になりました。

さらに最近では、女子ボクシング金メダリストに対する「張本失言」でコア視聴率低迷にあえぐ「サンデーモーニング打ち切り説」を加速するのではとの報道もありました。
コア視聴率とは?これまでの視聴率と何が違い、どのように調べるのでしょう?

調べる方法を含め、詳しくまとめていきます。

50歳以上の購買力は低いということ?

コア視聴率とは?

まず、コア視聴率とは?を見てゆきます。

視聴率には「世帯視聴率」と「個人視聴率」の2種の視聴率があります。
「世帯視聴率」とは、テレビ所有世帯のうち、どのくらいの世帯がテレビをつけていたかを示す割合です。
ふつう使われる視聴率はこの「世帯視聴率」のことを指す場合がほとんどです。家単位で測定しますので、何人見ていたかはわかりません。

一方で、「個人視聴率」とは世帯内の4歳以上の家族の中で、誰がどのくらいテレビを視聴したかを示す割合です。人単位で測定しますので、性別、年齢別、職業別などに分けて、調査でき、その番組がどれくらい誰に見られていたかを知ることができます。マーケティング的な利用が主となります。

さらに、個人視聴率のうち、13歳~49歳までの男女の視聴率コア視聴率と呼びます。

ある番組Aの視聴率を表で示すと次のようになります。

 

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一般視聴率との違い

コア視聴率は、13歳~49歳までの男女の個人視聴率を意味します。

コア視聴率が重視される理由

コアとは、中心部分という意味で、視聴率においては、その番組を放映する側が見てほしいターゲット層の視聴者を指します。

13歳の中学生から49歳までの男女というと、行動範囲も広く、消費活動が最も激しい層に重なります。
ある商品が良いとなると、世代間のコミュニケーションも盛んで、SNSなども利用し、その評判は広く拡散すると想像されます。

CMを打つ企業、広告会社としては、最も大事な購買層になると考えられます。

実際、TBS系「噂の東京マガジン」やテレビ朝日系「アタック25」の番組終了などは、世帯視聴率はそれなりの数値をとっていたものの、コア視聴率の数字が低くなったため、打ち切りになったのではと言われています。

「サンデーモーニング打ち切り説」を加速するのではとの説も、50歳以上の中高年齢層が主で、世帯視聴率は稼いでいるが、コア視聴率が低いため、マーケティングから見ると、価値が低いのではという観点から出たと思われます。

テレビ各局も決算でコア視聴率を発表するなど重視し始めています。

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コア視聴率の調べ方は?

視聴率調査の最大手ビデオリサーチ社は2020年4月から、個人視聴率の積極的な広報対応を開始しましたが、公表するのは個人全体のみで、コア視聴率など個別の数字は、公表していません。

視聴率の調査方法は以下のような3つの方法で行われています。

ピープルメータ(PM)システムによる調査
ピープルメーターとは、個人視聴率調査に使用する測定機で、調査協力を受けた個人宅に設置され、家庭内の複数台のテレビの視聴状況を測定します。
テレビを視聴するたびに測定機付きのリモコンボタンを押して個人データを入力することで、家族の誰が、いつ、どの番組(放送局)を視聴したかを記録することができます。

オンラインメータシステムによる調査
オンラインメータとは、機械式世帯視聴率調査の調査システムで、調査対象世帯に視聴率を測定する機器と測定データの蓄積および通信を行う機器を設置しインターンネット等データ通信回線を通じて、自動でデータを収集・集計し、翌朝には視聴率がわかる仕組みになっています。

日記式アンケートによる調査
調査員によって調査票が届けられ、対象者はテレビの視聴情報を記入します。対象者はテレビごとに、個人単位でテレビを見た時間を1週間毎日記入してもらいます。記入されたデータは後日、調査員が回収し、1週間分まとめてデータセンターで集計します。

なお、視聴率調査の対象となる世帯は、統計学の理論に基づいてランダムに選ばれ、調査結果が対象世帯の視聴態度により影響されないように、地区ごとに2年~3年の周期で全ての世帯が入れ替わるようにローテーションすることにより、正確度が保証されています。

なお、「ソレユケ テレビ探偵団」というサイトで、コア視聴層の週間でのランキングがアップされていますので、参考にしてください。

【最新】テレビ視聴率ランキング TOP20・コア視聴層
https://soreyuke.tv/post-23636/

ここでは、ライブと録画それぞれの視聴率が合計とともに表示され週間でのランクが表示されています。

これはTV局、CM会社にとって大事なデータだ

まとめ

  • コア視聴率とは、一般には、13歳~49歳までの男女の個人視聴率のこと
  • コア視聴率は、マーケッティングの観点から、TV局、広報会社のターゲット層に重なるため、重要視されてきた
  • 最新のコア視聴率のランキングを調べることが出来るサイトを紹介した
単に視聴率が高いだけではダメな時代に!
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