「市中感染とは、街中で活動中に、どこの誰から移ったのかわからない感染を言うと思ったのに、変異種感染のニュースでは、濃厚接触者からの感染なのに、市中感染と言っていて定義が分からなくなった」との声があります。
市中感染とは定義はどうなっているのでしょう?これと対をなす言葉は何でしょう?
やさしくわかりやすく解説してみました。
市中感染とは定義は? わかりやすくまとめてみた
定義を2つ見てゆきましょう。
市中感染定義1
感染場所がどこかで区別されます。
市中感染の定義は、「院内感染」と対をなす言葉で、病院外で摂取した病原体によって発症した感染症を指すとなっています。病原体にはウイルスと細菌が含まれます。
「院内感染」は病原体に感染しやすい、体力、抵抗力が落ちた患者の感染に対し、「市中感染」は、社会生活をしている普通の健康人に起こる感染と対比されます。
欧米でも
市中感染症community-acquired infectionは、
市中感染症とは、病院外でかかった感染症、またはそれ以前に医療機関に接することなく入院後48時間以内に診断された感染症のことを言うとなっています。
この定義によれば、以下となります。
・病院など医療施設外で感染したら市中感染
・ウイルスに感染して入院後発症しても市中感染(一般に入院して48時間以降に発病した場合は院内感染)
従って、
「ウイルスを保有した者がクラブに遊びに行き、その場で非感染者がウイルスに感染し、、病院を受診して経過観察となり入院。そして入院中にコロナウイルスが発症した」
「感染者の家庭内で、濃厚接触者が感染した」など
たとえ、ルートが追えていても、病院外なら、市中感染ということになります。
市中感染定義2
一方で、「市中感染」をどこで感染したのかがわからない通常の生活の中での感染と定義する場合もあります。
接触や飛沫で人から人にうつる感染症は、一般的には、通勤途中や繁華街などでの接触、たまたま食べたものが病原体に汚染されていたなど、通常の生活の中で起こります。
経路不明者は4割に上っており、市は「市中感染が広がっている兆しがある」とする。
ここでは、病院やコロナウイルス感染症が流行している国からの海外帰国者、知人や家族からの感染以外の、クラブやカラオケ店などでのクラスターなど、感染経路が追えるものは、市中感染に入らないことになります。
市中感染の定義は?
先にみたように、市中感染の定義は2つありますが、最近の記事で、定義2の「どこで感染したのかがわからない通常の生活の中での感染」の意味で主に使われていることが多いと考えられます。
その特徴は、感染経路が追えない、クラスターでなく散発的、日常的に感染することにあります。
報道で見てゆきましょう。
三が日が明けた今月4、5日の検査件数がそれぞれ1万件を大きく上回っており、市中感染の広がりで陽性率が14・7%(6日時点)に上昇していることもあって、感染者数が大きく膨れ上がったとみられる。
市中感染が広がると陽性率が上がる。
神奈川県、濃厚接触者の追跡を見直し「市中感染広がり意味ない」とした
市中感染広がれば、感染経路が追えない。
英国で見つかった新型コロナウイルスの変異ウイルスが、海外に滞在歴がなく、入国者との接触も確認されていない20~60代の男女3人から検出されたと発表した。経路がわからない変異ウイルスの感染例は初めてとみられ、「市中感染」した可能性があるという。
市中感染=経路がわからない。
変異種感染が分かった都内の10歳未満の女児の濃厚接触者の男性も陽性が判明していたが、女児と同様に英国滞在歴はなく、滞在歴がある人との接触も未確認で、市中感染の可能性がある。
変異種感染が発生している海外の国に滞在歴がなく、滞在歴がある人との接触もない場合は市中感染であり、変異種に市中感染した人との濃厚接触による感染者は二人の間の経路は追えますが、変異種感染の元の感染者が不明のため、感染源を追いかけることができないため、市中感染者となると解釈されます。
市中感染に関するネットの反応
- 市中感染とは、街中を活動中に、どこの誰から移ったのかわからない感染を言うと思っていたのですが、先日のニュースでは、濃厚接触者からの感染なのに、市中感染といっておりました。なので定義がわからなくなりました。
- コロナ市中感染する人ってだいたい鼻だしマスクしてる人なんじゃないの?と思う。だいたい駅前歩いてると鼻だしの人を1割くらい見るので
- 若い人たちは無症状や、軽症が多いと言う。部活やスポー少活動を休止するとか、PCR検査をしてからにするとか出来ないものでしょうか?スポーツは声も出るし、息づかいも荒い。市中感染を広げる要因になりませんか?
- 東京オフィスのあるビルの内の感染者報告が週1-2でちらほら来ていたけど先週辺りから1日おき、昨日今日は連続。市中感染広がってるな〜…とおののいている。
- もうホントいつどこで誰が感染するか分からないほど市中感染が広がってるんだね💧 よほど放出ウイルス量の多いスーパースプレッダーがいたのか。
出典:ヤフコメ
まとめ
- 市中感染の定義には2つあり、最近の報道で使われているのは、「どこで感染したのかがわからない通常の生活の中での感染」の定義2である
- 定義1で対応語は「院内感染」だが、定義2では、「海外からの帰国者やクラブなどでのクラスターなど感染ルートが追える感染」である
- 眼に見えないウイルスが市内のいたるところに潜んでおり、いつ感染してもおかしくないと恐れおののいている声が多い
市中感染の広がりとともに、感染ルートを追っても無駄だとか、自分だけ気を付けていても仕方ないなどあきらめムードが出てくるとより一層コロナ感染を抑え込むことができなくなってきます。
過度に他人に対し厳しい目を向けるのもどうかと思いますが、厄介なコロナ感染症に対抗するには、あきらめない地道な個々の努力しかないのではと思われます。
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