プロ野球・中日ドラゴンズの本拠地「ナゴヤドーム」が、命名権を企業に販売し、今年から名称を「バンテリンドームナゴヤ」に変更しました。
数年間とはいえ、開設以来長年馴染んできた「ナゴヤドーム」の名前が消えるとあって、ファンや地元市民からは惜しむ声が。さらには「なぜバンテリン?」「ダサい」「略すとバンドー?」など困惑も聞こえます。なぜこの名前になったのか、事情を探りました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)
バンテリンドームナゴヤがダサいの声
ナゴヤドームは中日の親会社、中日新聞社の系列企業が運営。旧ナゴヤ球場に代わる本拠地として97年に建設されました。以来ずっと名前は変わらず地元市民や中日・セリーグファンに親しまれてきました。
そして昨年末、開場以来同じだった「ナゴヤドーム」の命名権を、地元・名古屋市の医薬品メーカー「興和」が取得し、今年から5年間、名前を「バンテリンドームナゴヤ」に変更すると発表しました。
セリーグ球団の本拠地の命名権取得は、広島カープの「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」(略称マツダスタジアム)に次いで2チーム目。パリーグでは現在、日本ハムの札幌ドーム以外の5球団がすべて命名権を企業に売却しています。
ちなみにパの各球場の名称は「楽天生命パーク宮城」(楽天)、「メットライフドーム」(西武)、「ZOZOマリンスタジアム」(ロッテ)、「京セラドーム大阪」(オリックス)、「福岡PayPayドーム」(ソフトバンク)です。
NPBで7球場目となる「バンテリンドーム」ですが、中日ファンや地元民の間では当初評判がいまひとつだった様子。SNSなどでは「ダサい」「言いにくい」「俺はナゴドのままで行く」など、他球場と比べての「センスのなさ」や以前の球場名へのノスタルジーを訴える声が多かったようです。
ではなぜ名前が「バンテリンドームナゴヤ」に決まったのでしょうか。
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バンテリンドームナゴヤの名前に決まった理由は?
地元ファンらからは「なぜバンテリン?」「別の名前はないの?」との声も聞かれる「バンテリンドームナゴヤ」。球場と命名権を取得した興和株式会社の発表によると、なぜ命名権を取得し、名称に「バンテリン」を付けたかには意外と深い理由があるようです。
コロナ禍で踏み切る?
そもそも欧米に倣ってここ30年ほど日本で一般化してきた命名権(ネーミングライツ)ビジネスは、施設側が名前を「広告費」として売ることで、運営費用の一助にしようというのが主目的。ただナゴヤドームの場合は東海地方・中部財界を代表する大企業が株主でもあり、これまで特定企業に命名権を渡す話は出てこなかったそうです。
しかしコロナ禍で地元経済が厳しい状況にある中、地元に根ざす大企業の一つ・興和の打診をきっかけに「地元財界一丸でコロナを乗り切り、地域の発展につなげたい」と、中日はその象徴として命名権売却に踏み切ったといわれます。
アスリートといえば…
興和といえば「キャベジン」「キューピーコーワ」「ケラチナミン」などの家庭医薬品の販売元として、CMも多く全国的に有名な会社。なぜ「コーワドーム」や「キャベジンドーム」にしなかったのでしょうか。
バンテリンは肩こりや腰痛治療の同社の代表的な外用鎮痛消炎剤。野球選手などアスリートにも馴染みがあり、“痛みに強い”イメージがスポーツと親和性が高くブランド力向上にもつながると考えたそうです。この理由には、SNSでファンから「確かに選手の怪我も早く治りそう」といった好意的声も聞かれるようです。
バンテリンドームナゴヤの名前に関するみんなの反応
- 略すとバンドーかな?
- ニホンガイシホールの時も何それと思ったが…バンドーはゆで卵しか思いつかない
- 名前がコロコロ変わると球場名の「重み」というか、歴史が軽くなるよな
- まあ慣れるもの。しばらくすると「今日のバンテリンどうだった?」と言うようになる
- 地下鉄駅名どうすんだよ
出典:ヤフコメ欄
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- ナゴヤドームが命名権販売で今年からバンテリンドームナゴヤに変更
- 変更は開場以来23年で初めて。地元では「ダサい」「なぜ」と困惑も
- コロナ禍で地元財界団結、球場運営支援へ。「痛みに強い」イメージ?
バンテリンドームナゴヤ命名の年間契約料は公表されていませんが、ZOZOマリンなどの例からみると年2~3億円程度とみられ、コロナ禍で収益が激減している球団や球場にとっては貴重な財源となるのは間違いありません。
スポンサーも120年以上の歴史がある老舗の地元有名企業だけに、選手のCM起用の可能性や地元愛アピールにもつながり、互いにウィンウィンな結論だったともいえそうです。
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