ラニーニャ現象をわかりやすく解説!

気象庁は9月10日に「ラニーニャ現象」が発生したと発表しました。
ラニーニャ現象が今後も続いた場合、今年は3年前のような厳冬、豪雪となるのかとの声もあります。

ラニーニャ現象とはどんなことかをわかりやすく解説し、日本の2020年冬の予想をまとめてみました。

去年は稀にみる暖冬だったからね

ラニーニャ現象をわかりやすく解説

日本に厳冬をもたらすというラニーニャ現象をわかりやすく解説してみましょう。

一言でいうと、ラニーニャ現象とは太平洋赤道域の東部ペルー沖の海水温が平年より低下している現象です。

そのメカニズムは次のように考えられています。
・太平洋赤道域で貿易風(東風)が常に吹いている
・貿易風が、平常時よりも強くなる。
・太平洋赤道域の西部では、この強い東風によって吹き寄せられる「暖かい海水の層」がより厚くなり、東南アジアのインドネシア近海の海上では、積乱雲がより盛んに発生します。
・太平洋赤道域の東部では、暖かい海水が、強い東風によって西部に吹き寄せられるため、東部に来ることが難しくなり、かつ深いところの冷たい水の湧き上がりが、平常時より強くなります。
そのため、太平洋赤道域の東部では、平常時よりも海面水温が低くなります。

ラニーニャ現象が発生すると、世界中の天候に影響を及ぼし、一般的に日本は夏の気温が平年よりも高めとなる一方、日本の冬は、平均気温が平年並みか低い傾向となります。

これは、海面温度が平年より高い東南アジア付近で、積乱雲が活発に発生し、これに、西から吹く偏西風が影響され、蛇行し、この蛇行で日本付近に強い寒気が流れ込みやすくなり、平年より寒い冬となると説明されています。

例えば、2017年にラニーニャ現象が発生した時に起こった「平成30年豪雪」では、2017年12月以降、偏西風が日本付近で南へ蛇行したため、日本付近に繰り返し寒気が流れ込み、低温や大雪となったのです。

以下に、ここ20年間のラニーニャ現象と日本の冬の気候との関係を表にまとめました。

 

ラニーニャ現象の発生している冬は、2007年末から2008年初の冬に暖冬になったのを除きほぼ、低温、豪雪となっています。

3年前、福井県の道路で1千台以上の車が立ち往生したり、物流がストップしたりしたニュースに驚いた記憶があります。

あの時の映像は忘れられない!
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2020年冬の予想

海面温度は冬にかけて基準値より低い値で推移し、12月までは90%の確率でラニーニャ現象が継続する見込みとされています。

しかし、気象庁発表(9/25)の今年の冬(12月~来年2月)の予想では、ラニーニャ現象にも関わらず、東・西日本と沖縄・奄美の気温はほぼ平年並みで、北日本(北海道と東北)は平年並みか平年より高いとされています。

 

これは、ラニーニャ現象が発生している影響で、シベリア高気圧が南東へ張り出し、東・西日本に寒気が流れ込みやすくはなりますが、温暖化で大気全体の高温傾向が続いているため、平均気温はほぼ平年並みとなるということです。

北日本は低気圧の影響を受けやすいため、暖冬傾向になるといいます。
降雪量も冬の日本海側で、北日本が平年並みか少なく、東日本(北陸)がほぼ平年並み、西日本が平年並みか多い見込みとなっています。

しかし、昨冬が記録的暖冬だったなど、ここ数年暖冬が続いるため、平年並みとなっても、厳寒と感じるかもしれません。

地球温暖化の影響の方が大きいんだ!

ラニーニャ現象に関するネットの声

  • ここ数年の冬は、ラニーニャだろうがエルニーニョだろうが暖かい。自分は暑がりでこの数年真冬に半袖着てる状態が続いてるので寒いのは大歓迎。何卒極寒でお願いします。
  • 気温が低いのは何とかなるが、大雪、ドカ雪は勘弁してほしい。
  • 三年前かな、すんごい雪ふったのがラニーニャ現象のときらしく 今年もラニーニャ言われてるんで、どか雪くるかも
  • やっぱそうだよな、今年はラニーニャ現象だから寒いんだ、今年の冬は寒いはずよ
  • ラニーニャ現象ということで去年と比べ雪が降りそうだけど、スノボできるかな(*’∇’*)ワクワク程度で済んでくれるのか、前のあの大雪みたいな惨事になるのか… スキー場だけ雪たくさん降るといいのになぁ

出典:ヤフコメ

やっぱり寒いのはいやだわ
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まとめ

  • ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の東部ペルー沖の海水温が平年より低下している現象で、世界中に様々な異常気象をもたらす
  • 2020年冬の天気の予想は、ラニーニャ現象にもかかわらず、地球温暖化の影響で、ほぼ平年並みだが、ここ数年が暖冬だったため厳寒と感じるかもしれない
  • 久しぶりの雪や寒いの歓迎の声がある一方、仕事を考えると、どか雪だけは勘弁してほしいとの意見も

関東に住む筆者も2007年末大雪で車の運転や雪かきに苦労したことを記憶しています。

昨冬の記録的暖冬や、ここ数年の暖冬で、体も心も寒さへの備えがおろそかになっている可能性があります。

また、この冬が平年並みの予想としても、最近の異常気象、100年に一度の豪雨などを考えますと、うかうかとはしていられません。

たとえ予想が外れても、十分な冬の備えは怠るまいと考えています。

夏は酷暑だったから、冬はそこそこにしてほしい
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