恒大集団倒産の噂の真相は?日本への影響と中国の反応「資本不足を解決できない」「大きすぎて潰せない」

不動産開発中国2位の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)がデフォルト(債務不履行)の可能性について広東省政府に警告したとの内容の文書がSNS上で出回り、社債急落し、上場している香港での株が4カ月ぶり安値まで下げました。

恒大集団倒産の噂の真相はどうなのでしょう?日本への影響と中国の反応を確認してゆきましょう。

中国の不動産バブルはすごいって聞いているわ

恒大集団倒産の噂の真相は?

恒大集団倒産の噂の真相を見てゆきましょう。

9月24日の文書では、恒大集団が求めている子会社の恒大地産の深圳上場を当局が認めなければ、外部投資家から調達した約2兆円の払い戻しを要求される可能性があり、資金不足に陥り、倒産し、ひいては、中国の50兆ドル(約5274兆円)規模の金融システムが動揺する恐れがあるとしている。

恒大集団は「文書は捏造されたもので公安当局に通報した。」と発表し、経営が健全であることを強調しましたが、25日は関連企業の株にも売りが広がりました。
仮に文書の内容が事実なら中国の金融システム全体のリスクに発展する可能性も懸念されています。

この噂のはっきりした真相は定かではありませんが、恒大集団の財務状況が危機的状況なのは、以前から指摘されてきました。

 

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不動産物件の大幅な値下げ
9/7から1か月間、保有するすべての不動産物件を30%値下げすることを発表しました。
多額の負債を解消するのが目的で、販売ペースの遅い物件はさらに最大12%の追加値下げを実施するとのことです。

・中国政府の最近の不動産会社の債務についての規制強化
中国の不動産管理当局は、不動産会社の債務について、資産負債比率は70%以下、純負債資本倍率は100%以下、手元資金の短期負債倍率は100%を基準とする3本のレッドラインを示し、これを越える企業は新たな借金ができなくなり、借金の規模も管理されることとなりました。
「2019年の財務データを見れば、恒大集団は3本のレッドラインをすべて超えている」と指摘されている。

・2019年7月に指摘されているが、恒大集団は不動産開発以外にも、テーマパークやサッカークラブ、病院、ミネラルウォーター販売など幅広い事業に投資をした結果、莫大な負債を抱えている。さらに、EV(電気自動車)開発のため、広州市南沙区に新エネルギー車の完成車・電池・電動機の研究開発・生産拠点を設立するとして、1,600億元(約2兆5,600億円)を投資すると発表しました。

・米格付け会社のS&Pグローバルは、恒大集団の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。
今後6か月にわたり資金繰りの悪化が予想されているため。

これらから噂が真実であっても、おかしくないとの見方が広まったため、投資家の売りにつながったと思われます。

状況証拠は沢山あるわけだ
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恒大集団倒産なら日本への影響は

恒大集団が、日本で大々的に不動産投資を行っているとも聞きませんし、幅広い事業に投資をしたテーマパークやサッカークラブ、病院、ミネラルウォーター販売などは中国国内関連の企業で、日本が影響を受ける可能性は小さいと思われます。

また、昨年から、大きな投資をしているEV(電気自動車)関係の開発事業はまだ稼働していないため、現状で、部品供給等で関連している日本企業がいるとも思えません。

従って、恒大集団倒産で、日本へ悪影響が及ぶのは、最悪の事態、中国の金融システム破綻が起こったときになると考えられます。

その際には、日本どころか世界中に大きな影響を及ぼし、世界恐慌につながるかもしれません。

現在、米国との対立もあり、そうなる前に中国政府はなりふり構わず、恒大集団倒産を食い止めるのではないでしょうか?

まさか北海道を買い占めてないでしょうね

恒大集団に関する中国の反応

中国の「知乎」に載った「中国恒大はこの危機を乗り切れるのか?」の記事を参考に見てゆきましょう。
「知乎」は中国人が利用している日本の「知恵袋」のようなものです。

2020年9月24日、中国恒大は、その立場を述べる声明を発表し、事実関係を明らかにして、問題ないとした。

噂を「捏造された、誹謗中傷」と呼んでいたが、何かが欠けているように感じられ、説得力がないように感じられた。

2020年9月25日、香港株中国恒大は終値で9.46%下落し、債券市場は終値で21.2%下落しました。

債券投資家は主に機関投資家であり、機関投資家は中国恒大のデフォルトを予期していたようです。
資本市場の反応から判断すると、特に詳細な流通文書に対する中国恒大の風評被害の払拭効果は十分でないと考えるべきでしょう。

もし、真相が、中国恒大の発表通りであれば、喜ぶべきことで、低い株価で買戻され、債券は20%割引されているので、うまくやれば財産を得ることができます。

しかし、結局、中国恒大は中国のトップ不動産陣営の一員であり、資産は1兆元を超えている。 これだけの騒動から、連鎖反応が確かに起こるでしょう。

2020年9月25日には、不動産セクターが下落しましたが、だれも逃げなかった。不動産セクターに関連する家庭用家具、建築材料があり、それらは不動産や顧客の上流と下流にあり、基本的には運命共同体となる。

2020年9月25日、中国恒大は状況を救うためのアナウンスを続けた。
第一に、財務が健全で、負債が減っており、会社に問題がないこと。
第二に、中国恒大の金碧物業が分社化されて香港証券取引所に上場することになった。
香港株式市場は不動産株やライトアセット株への親和性がより高い。

しかし、この対策では、資本不足の問題を直接解決することはできないと思われます。

今後の展開について、中国恒大は深深房(深センの不動産会社)の殻を借りたいと思ってきましたが、基本的には見込みがありません(現在取引停止)。

この問題は2016年に始まり、4年間引きずっていて、今では不動産企業への強化された規制と相まって、希望は非常にはかないものとなっています。

実際のところ、中国恒大は非常に大きく、建設中のプロジェクトは866件、従業員は13万人で、中国恒大の株主の数は言うまでもありません。

体系的な問題がある場合は、まず、販売を促進し、低価格で住宅を購入し、資金の返還を加速するよう努める必要があります。
次に、これがうまくゆかない場合は資産と土地を売却します。
最後に、どうしようもなくなれば、監督当局が支援する必要があります。

ファンドや証券会社は支援するためにいくつかの弾(資金)を与えるでしょう、そして彼らはそれを簡単に手放すことがないのは確かです。

結局のところ、許トップの政治意識は非常に高く、彼は非常に正しい方針に従っています。

したがって、中国恒大の崩壊についてあまり心配する必要はありません。
中国恒大の家を購入した人は、結局のところ、痩せたラクダは馬よりも大きいので心配する必要はありません。

2020年9月28日の朝の市場午前の終値で、中国恒大は+ 9.8%値上がりしました。

結論は、中国恒大は大きすぎて、倒産すると大きな悪影響が多方面に及ぶため、当局が、結局は倒産させないだろうというものです。

日本では大きすぎて潰せないと言われながら潰れた会社もあったはず
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まとめ

  • 恒大集団倒産の噂の真相は不明だが、その兆候は多々あり、財政が危機に瀕しているのは確かだと思われる
  • 恒大集団倒産自体の日本への影響は取引関連企業もなく、ほとんどないと考えられるが、中国の金融システムが破綻する引き金になれば、世界恐慌にもつながりかねない
  • 中国恒大集団はその規模が大きすぎて、その倒産の波及効果を考えると当局がどんなんことをしてでも、倒産させないのではと思える
いつ我が身に及ぶかわからないので情報チェックを怠らないで
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