NHKだけ映らないテレビであれば、NHKとの受信契約義務がないとの画期的な判決が、東京地裁で言い渡されました。
ではNHKだけ映らないアンテナ線フィルタはどのように購入すれば良いのでしょう?
これを取り付けさえすれば受信料を払う必要はなくなるのでしょうか?
判決と同じテレビは購入できないのかなどを順次見てゆきます。
NHKだけ映らないアンテナ線フィルタの購入方法は?
4種のアンテナ線フィルタ「イラネッチケー」がAmazonで販売されています。
(地上波用)
iranehk (イラネッチケー) 関東広域圏向け地上波カットフィルタ― (UHF26,27ch用) IRANEHK-AK27AB26N
iranehk (イラネッチケー) 関西広域圏向け地上波カットフィルタ―(大阪UHF13,24ch用) IRANEHK-BK24BB13NN
iranehk (イラネッチケー) 東海広域圏向け地上波カットフィルタ―((中京UHF13,20ch用) IRANEHK-CK20CB13NN
(BS用)
iranehk (イラネッチケー) BSカットフィルタ―IRANEHK-BS03N15N – 衛星放送の電波に対応したNHK-BS版(全国対応) 7,800円から
UHFアンテナとテレビ本体のアンテナ入力端子をつなぐ同軸ケーブル間に挿入するだけで簡単に取り付けることができるということです。
但し、次に述べますように、「復元可能な程度にNHKの放送を受信できないよう改造された受信機」であると、NHK受信料の支払い義務が生じますので、受信料を支払わないためには、単に現在見ているテレビに取り付けただけでは、訴えられて敗訴する可能性が極めて高いと考えられます。
受信契約義務を認めずNHK敗訴、イラネッチケーテレビを「受信設備とは言えない」
予測していた通りの結果になりました。単にイラネッチケーを取り付けたのではなく、取り外し困難な状態にした結果です。
https://t.co/RXidsdxEoP— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) June 26, 2020
何らかの形で固定化する必要があります。
・住人がアクセスできないアンテナ配線中にこのフィルタを埋め込んだ場合、復元不可能な改造と見なせる可能性があります。
山口ケーブルテレビジョンでは、NHKの衛星放送のみを受信できなくするカットフィルタを壁内や天井裏の配線中に取り付けることで、NHKの了解のもとBS料金を免除するサービスを行っていました。
・平成28年8月29日に、N国の立花孝志氏が、このイラネッチケーをアンナナ入力端子から取り外し出来ないように、強力な接着剤と、一度締め付けたら緩めることが出来ないボルトで取付けるとともに、このフィルタを絶対に外さないという誓約書を提出の上、NHKとの契約が不要であることを確認する債務不存在確認訴訟を提訴しました。
これは、結果的には、訴訟要件を満たさないとの理由で取り下げとなっています(NHKは債務が存在しないとの主張)。
イラネッチケーを固定化したことをNHKは争いたくなかった結果だとも言われています。
今回の判決も、そこがポイントとなったと解釈できます。
イラネッチケー取り外した場合、NHKを含むテレビ放送を視聴できず、視聴できるように復元するためには。新規に増幅器を購入し、専門知識を持ったものが復元作業をする必要があるので、女性には不可能という判決理由でした。
では、イラネッチケーを組み込んで、固定化したテレビの販売の可能性は今後あるでしょうか?
イラネッチケーの開発者によりますと、テレビ受像機には、NHKや電気機器メーカーによって、数えきれない特許が保有されており、これを組み込んだテレビを製造するのは不可能に近いという事でした。
NHKだけ映らないアンテナ線フィルタとは
NHKが映らなくなるイラネッチケーとは、2018年10月、筑波大学掛谷英紀准教授の研究室が開発したNHKの放送のみを受信できなくするアンテナ線フィルタで、イラネッチケーiranehkは「いらねーirane+ NHKからできた造語です。
これを取り付けて受信料支払い義務が生じるかどうかは、「復元可能な程度にNHKの放送を受信できないよう改造された受信機については、受信契約の対象とする」という旧郵政省(現総務省)見解に含まれるかどうかがポイントになります。
これまでも、「一旦、機器を取り付けても、男性の意思次第で機器を取り外して再びNHK放送を見ることができるため、受信料の支払い義務は免れない」などNHKが勝訴となった判決では、復元可能であることが判決理由として挙げられています。
イラネッチケーは、取り付けると、NHKのみが映らず、これを取り外すと、全ての信号が伝わらなくなるため、どのテレビ局の放送も見ることができない基板となっています。
原告の女性は、2018年10月に、イラネッチケーがついたテレビを3千円で購入し、自宅に設置し、NHKに対し、契約義務がないことの確認を求めた訴訟を提起しました。
NHKはブースター(増幅器)の取り付けや工具を使った復元により視聴は可能であると主張しましたが、「増幅器の出費をしなければ受信できないテレビは、NHKを受信できる設備とはいえない」「専門知識のない女性には(復元は)困難である」とし主張をしりぞけました。
NHKは上訴すると思われますので、このまま判決が確定するかどうかは分かりません。
NHK敗訴判決へのネットの反応
- 当然の判決ですね。そもそも契約自由の原則を無視した判決を繰り返してきた今までの裁判所がおかしかった。ただ、イラネッチケーを付けるのは手間なので、早く放送法を改正して、スクランブル放送化を実現して欲しい。
- 受信料取りたいならNetflixやAmazonプライムみたいに見たい人だけ契約するシステムにして欲しい。そうすれば見れるか見れないかで揉める事もない。これだけインターネットが発達してるのにテレビがあるから見てるなんて推測で集金するなんて時代遅れ過ぎる。
- 正しい判決が出たのは良いことだ。だがNHKは間違いなく控訴するだろう。高裁でも正しい判決が出てほしい。
- 説明も契約意思の確認、書面の締結もなくテレビを設置しただけで受信契約に合意したとみなす事自体がかなり乱暴な契約
- この判決を期にNHKが映らないテレビを作って、無駄に払わされる受信料を払わなくていい世の中になってほしい。
出典:ヤフコメ
まとめ
- NHKだけ映らないアンテナ線フィルタ「イラネッチケー」Amazonで購入できますが、これを取り付けさえすれば、NHKの受信料の支払い不要とは直ちには言えない
- 判決にあった受信契約の義務のないテレビが将来販売される可能性は、特許問題などのため低いと考えられる
- これまでのNHK勝訴の判決は、契約自由の原則を無視していたとして今回のNHK敗訴判決を歓迎し、現在の制度の見直しをとの声が多い
筆者は比較的NHKを視聴するほうで、なぜそれほどNHKをぶっ潰そうとの声があるのかがこれまであまり理解できませんでした。
WOWOWや、ネット放送など見たい人が契約するのに、受信機を購入しただけで、NHK放送を見ようと見まいと、受信契約義務が生じるとされ、NHKの受信契約のしつこさもあって問題になったのでした。
制度の見直しや、スクランブルをかけて、見たい人だけが契約するなど、この問題に様々な提案がなされています。
NHKの受信契約の問題だけでなく、番組の質や公平性などを含め、この機会にテレビ放送やネット放送を将来どうすべきという議論が盛んになるのが望ましいのではと思います。