高校野球が始まると「やぐらを組む」とか「やぐらをつける」などの言葉が行き交かっています。
やぐらとはどのような意味で、野球でなぜやぐらを組むというのか由来を調べてみました
やぐらとは?
やぐらとは?まずやぐらそのものの由来や意味を確認しておきましょう。
やぐら(櫓)は中世までは「矢倉」や「矢蔵」と書かれていたそうで、これには、「矢の座(くら)」、つまり「矢を射るための高い場所」が語源だとする説と、「矢を収納しておく倉」からだという説があります。
曲輪の隅や門の周辺など、見晴らしが効く場所に建てられることが多く、主な用途は見張り台でした。
つまりやぐらとは、城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物でした。
しかし、現在のお城にある石垣や土塁の上に木造の建築を建てて、攻め手への攻撃と防御を有利とする建築物と「やぐらを組む」とは、ちょっと違和感がありますね。
愛媛県大洲市、肱川のほとりに聳える大洲城跡🏯
鎌倉時代の末期に宇都宮氏が大洲を拠点とし城を築いたことから始まります。
戦国時代には藤堂高虎や脇坂安治などが入城し城郭の拡張、改築に取り組みました。
台所櫓、高欄櫓、苧綿櫓、三の丸南隅櫓が現存し国の重要文化財‼️https://t.co/47PA5np8ka pic.twitter.com/ScC7KivFVk— いちち@にっぽん旅行記 (@ichichi1019) March 14, 2021
戦国時代の城では、丸太を組んで建てた井楼櫓(せいろうやぐら)が、よく使われていたそうです。普段は見張り場として使うので、何か起きたときのために、即応用の弓矢を備えておく必要があります。そこで、「やぐら=弓矢を置いておく場所」という意味から、矢倉の字が当てられるようになったのでしょう。
また、戦場で、敵陣を偵察するために材木を井桁(いげた)に組んで作るやぐらにも使われていたそうです。
その他やぐらには、火の見やぐらがあり、夏祭りや盆踊りのメインステージのためにやぐらを組むなどもあります。
宮崎県の田野・清武地域の農産物[日本一の干し大根と大根やぐら]活動が、2020年グッドデザイン賞の「地域コミュニティづくり」部門で受賞したとの記事を見つけました。
大根やぐらは、干し大根を生産するためのやぐらで、標準的な構造は [延長]約50m [幅]約6m [高さ]約6m [棚数]約10段 で約300基が設置され、杉と孟宗竹で作られているそうです。
その姿は壮観です。
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まさに木で組んでできたやぐらで、典型的なやぐらの形状と言って良いでしょう。
やぐらを組むの野球での意味
野球で「やぐら」というのは、トーナメント表のことで、この表を作ることを「やぐらを組む」と言います。
地方大会のヤグラをつけてみようなどとも使われています。
高校野球では、地方大会も含め、トーナメント方式で優勝チームを決めていきます。
なぜやぐらを組むというのか?由来は?
トーナメント戦で組み合わせが塔状に伸びていくことから、トーナメント表のことを「やぐら」というようになったようです。
先ほどの、大根やぐらを見てください。まさにトーナメント表とそっくりの上に行くほど淘汰され、最上段は、尖がってただの1本になっています。
まとめ
- やぐらとは城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物のことだったが、火の見やぐらや夏祭での木で組んだ仮設の舞台なども指すようになった
- 野球でやぐらを組むとの意味はトーナメント表を作ることを意味する
- 木で組み上げられた壮観な大根やぐらを見ると、トーナメント表が目の前に出現したように見える
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