タックスヘイブンとは?税金が少ない国がある?その方法や選び方とは

日本で暮らすには税金を納める必要があります。
会社で働いている人であれば毎月、給料から税金が引かれていることでしょう。
個人で事業をしている人も確定申告をして、税金を払う必要があります。

日本の税金って高いのでしょうか?
実は、日本の所得税は最高で55%もかかります。(住民税含む)

お金を稼いでも、国に半分以上持っていかれるので、税金を節約する方法はないかとどの事業者も考えます。

そこで注目されているのがタックスヘイブンです。

タックスヘイブンを使えば税金が節約できるとは一体どういうことなのでしょう。
今回は税金が優遇されるタックスヘイブンのやり方と選び方を紹介します。

タックスヘイブンとは

タックスヘイブンは、その名の通りTax(税金、租税)のHaven(避難所)という意味です。

利子や配当に関する税金や法人税・所得税などの税金が全くかからない、または非常に低い国や地域のことで、租税回避地や、低課税地域とも呼ばれています。

簡単にいうと、法人税や所得税という税率が低い地域のことです。

タックスヘイブンの税率に明確な定義はありませんが、法人税がゼロ、または税負担率が20%未満の地域を指すことが多いです。

タックスヘイブンは、資産隠しや税金逃れに利用されるなどの点で問題視されていることがあります。
しかし、タックスヘイブンに法人を設立して税制の優遇を受けることは違法ではありません。

タックスヘイブンでは法人の設立や株式上場を極めて有利に行えるような法整備が行われていたり、企業法と企業法専門の裁判所が整備されていたりといった、企業活動に極めて有利な制度が整備されていることが多いため、金融やITなどの業界ではタックス・ヘイブンが合法的に広く活用されています。

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タックスヘイブンの特徴

タックスヘイブンと言われている地域には以下の特徴があります。

秘匿性が高い

日本国内に法人を設立すると、代表者の住所・氏名などが登記簿に掲載され、公開されてしまいます。しかし、タックス・ヘイブンと呼ばれる国々は秘匿性が高いケースが多いため、そのような国々では会社代表者の住所・氏名を公開せずに事業を行うことができます。

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国の干渉が少ない

国や地域の規制が整備されておらず、過大に干渉されることがありません。

法人の設立・運営が用意

タックスヘイブンとされる国や地域は自国の資源や産業に乏しく、税金を優遇することで外国からの資金を集めようとしています。そのため法人の設立や運営が容易に行うことができます。

法人設立後実質的な活動を要求されることもないので、ペーパーカンパニーとして利益を守ることができます。

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タックスヘイブンのやり方

タックスヘイブンの税制の優遇を受けるには主に3通りの方法があります。
しかしタックスヘイブン対策税制の規制により、②のペーパーカンパニーを利用した方法は規制対象になる可能性がありますので実行する場合は専門家との十分な検討が必要です。

①タックスヘイブンに法人を設立(もしくは移転)する

タックスヘイブンに本社を設立(移転)すれば、その国の税制を受けることになります。
日本に資産や店舗がなく、働く場所を問わない仕事であればこの方法を利用することが可能でしょう。
しかし、タックスヘイブンに移転して、そこで事業を営むのは一般の方には困難ですし、タックスヘイブンで営むことが不可能な事業も多いようです。

②タックスヘイブンにペーパーカンパニーを設立する

ペーパーカンパニーとは法人登記がされているものの、事業活動の実態がない会社のことです。

日本の会社とは別にタックスヘイブンにペーパーカンパニーを設立し、その会社に例えばコンサルティング料などの名目で代金を支払います。
日本の会社では経費となり、タックスヘイブンにある会社では売上になります。

一見、2つの会社の利益を合計すると、金額は変わらないように見えますが、タックスヘイブンの法人税率は無視できるほど低いので、タックスヘイブンにある会社の売上金額に対応する税額を節税することができます。

以前はこの方法により法人税を大幅に節税することができましたが、タックスヘイブンを利用した節税スキームの横行による弊害が叫ばれることとなり、一定の規制がかけられることとなりました。

③オフショア口座を開設する

オフショア口座とは「海外にある銀行口座」のことです。
タックスヘイブンに口座を開設すれば、日本国内の銀行より高い利率を受けることができます。

タックスヘイブンの選び方

日本よりも税金が優遇された国は世界中に存在しており、時代の変化に合わせてタックスヘイブンの注目も変わりつつあります。その理由は、海外から多くの資産がなだれ込むことで自国経済が豊かになることを期待しているからです。

ここでは、タックスヘイブンの中でも近年特に注目が集まる国をピックアップしました。

スイス

スイスの中央銀行(スイス国立銀行)には世界中の富裕層が資産を預けていることで有名です。

スイスが世界の富裕層に選ばれているのは、プライベートバンクの守秘義務・信頼性に加え、税制も魅力の1つに挙げられます。

スイスでは、外国籍でスイスの居住権を得た者は国外からの収入を一時金として処理することができます。これによって通常の所得税や富裕税を回避することができます。

「Swiss lump sum taxation」と呼ばれるこの税制では、外国籍でスイスの居住権を得た者は国外からの収入を一時金として処理することができ、これによって通常の所得税や富裕税を回避することができます。

イタリア

イタリアは2017年に施行された新税制「The NEW ITALIAN NON-DOMICILED TAX REGIME 」で外国人がイタリアに移住する場合に非課税にすると公表しました。

新しい税制としてはその新しい移住者がイタリア国外で発生した収入のうち年間10万ユーロ(1300万円)と家族一人につき2.5万ユーロ(340万円)までを一時金として非課税にできます。
非課税の期間は10年間になります。

マルタ

外国籍のマルタに居住権を持つ者は国外から得られる収入に対して所得税がかかりません。
ただしマルタ国内で収入を得た場合は所得税がかかります(0%~35%)

加えて相続税、贈与税、富裕税などはありません。
しかし40万ユーロ(5400万円)以上の不動産を購入するか年間2万ユーロ(270万円)以上の家賃の部屋を借りるなどがの条件があります。

モナコ

モナコは所得税0%、相続税0%、贈与税0%のタックスヘイブンとして知られています。

タックスヘイブンとしての利用が多すぎてモナコに住んでいる人のうちモナコ人は16%ほどしかいないそうです。

ドバイ

ドバイには税金そのものがないことで有名です。
ドバイのタックスヘイブンを推進するにはまず会社を設立して住民カードを取得します。

次の条件として6か月に1日はドバイに居住する必要があります。

そうすることでドバイの居住権を手に入れたことになり税金が無料になります。

まとめ

  • タックスヘイブン(租税回避地)は税率がゼロ、または極めて低い国・地域のことを言う。
  • タックスヘイブンは資産隠しや税逃れに利用されるなど問題視される点も多い。

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