世界三大自動車レースの一つで、全米No1の人気を誇る「インディ500」を二度も制覇した初のアジア人、佐藤琢磨選手。文字通りの世界的偉業を成し遂げた佐藤琢磨選手ですが、SNSでは祝福や歓喜の声とともになぜか「グリコポーズ」も話題に。
今回のインディ500・V2セレモニーで、佐藤琢磨選手が披露したグリコポーズの理由は?佐藤選手とグリコポーズとの「浅からぬ縁」を探ってみました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディアなど)
佐藤琢磨のグリコポーズはなぜ?話題に
17年の初優勝の快挙に続き、43歳にして2度目のインディ500優勝を果たした佐藤琢磨選手。インディ500を複数回制覇したドライバーは、100回を超える長いレースの歴史上も過去たった20人しかおらず、日本やアジア人としてはもちろん初めてです。
レース終了後の表彰セレモニーで、マシンから降りた佐藤琢磨選手はコクピットのエアロスクリーンの縁に立ち、まず両手人さし指を“ナンバーワン”の形で天高く上に。その後指を2勝目を意味するVサインにし、エアロスクリーンの縁の上で左足を上げ「グリコポーズ」を世界に向けて披露しました。
なぜ佐藤琢磨選手はグリコポーズをしたのか。そこには3年越しの〝約束〟がありました。3年前の優勝時、佐藤選手は同じく表彰式でマシンの上に仁王立ち。両手を挙げて勝利を喜びました。このシーンを、長年佐藤選手のパーソナルスポンサーを務める江崎グリコが、大阪・道頓堀の有名なグリコサインのディスプレーに映し出し、祝福しました。
その際、祝福で大トレンドになったSNSではファンから「左足を上げてたら完璧にグリコポーズだった」との指摘が続出。これを知った佐藤選手は「今度やってみる笑」とツイートし、以降、再び優勝しての「グリコポーズ完全再現」に意欲を示していたわけです。
↓グリコ公式もポーズに賛辞!
Glicoが応援するレーシングドライバーの佐藤琢磨 @TakumaSatoRacer さんが、インディアナポリス500マイルレースにて2017年に続く2度目の優勝!おめでとうございます!
セレモニーでのポーズもありがとうございます♪
Glicoはこれからもココロ&カラダづくりを応援して参ります!https://t.co/0LdOJuYHov pic.twitter.com/4RpYo5zt3d— Glico PR Japan (@GlicoPRJP) August 24, 2020
佐藤琢磨がグリコポーズした理由はスポンサーだからだけじゃない
そしてついに2020年インディ500で2度目の優勝。佐藤琢磨選手はしっかり約束を覚えていました。ホンダのビクトリーマシンの上でにこやかにグリコポーズ。日本と世界のファン、グリコへの感謝のメッセージを示しました。
ただレース後インタビューに応じた佐藤選手によると、今回グリコポーズができた理由は「3年前の約束」「スポンサー・グリコへの感謝」だけではなかったそうです。コメントを引用します。
「グリコポーズはもちろんファンの方からの提案でした。(前回優勝で)自然と出たガッツポーズがグリコさんのポーズに非常に似ているということで」
「『せっかくだから完全なグリコポーズをやってほしい』というリクエストがSNSやファンクラブ内のやりとりでもあり、『次機会があったらやってみる』と答えていました」
「今回は本当にむしろあれがやりたいがために勝ったみたいな(笑)。それくらいうれしかったです」「これまでのマシンだとコクピットがオープンで開いていました。普通はそのままその場で立ち上がると仁王立ちになります。右足、左足をコクピットのサイドウォールにかけるので立ち方が大の字になってしまう。その状態で片足を上げるのは不可能なんです」
「今回、エアロスクリーンが付いたことで、フレームが後ろにつながっていて真ん中に立てるんです(笑)。ただものすごい不安定で、まず両足で立ってみて、これちょっと倒れたらかっこ悪いなと思ったのですが『あー、これはやっちゃおうかな』と思って、片足を上げて完璧なグリコポーズをやってみました!」
:F1-Gate.comより
つまり「マシンが〝片足立ち〟できる形状になったから」も理由の一つと佐藤選手。従来のインディマシンはコックピットに座ったドライバーの頭はむき出し状態でしたが、事故時に頭部を保護するため、今年からインディカーでは「エアロスクリーン」というフロントガラスのようなカバーが設けられました。
このため従来マシンでは車上での片足立ちは難しかったものの、今年からはしっかり(笑)グリコポーズをとれるようになったというわけです。
↓今回優勝時の佐藤琢磨グリコポーズ
インディ500を優勝した佐藤琢磨選手がTwitterで勝利のメッセージ、記念撮影ではグリコポーズ https://t.co/z3GFYSQuoY #indy500 #佐藤琢磨 pic.twitter.com/IzIjEXoOEo
— Car Watch (@car_watch) August 24, 2020
↓3年前の初優勝時、道頓堀グリコ看板に映し出された佐藤ポーズ
佐藤琢磨、3年ぶりのインディ500優勝。このポーズで今回も大阪・道頓堀のグリコサインを飾ってくれるかな。楽しみだ。^_^ https://t.co/Mta1KBlBKj
— K.Shigematsu (@shigemac) August 24, 2020
佐藤琢磨のグリコポーズへのネットの反応
- 3年前ノリで約束した事を義理堅く果たすとは!「今度やってみる」の「今度」をサラッとやっちゃうタクマカッコよすぎ!
- そもそもインディ500において『今度』の機会が来るドライバーの方が珍しいのに。男前過ぎ
- カッコいいな~、あとはまた道頓堀でのグリコ楽しみ
- 初Vでファンから「グリコのポーズして~」と言われ、今回まさかの公約実行👍流石ですw
- 佐藤さんグリコポーズ、アメリカでもネタになっちゃったよ…人柄にじむ。コメントもおもろいし
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- インディ500でV2の偉業を果たした佐藤琢磨のグリコポーズが大きな話題
- 表彰式での車上グリコは3年越しの約束。ファンやスポンサーへの感謝示す
- マシンにエアロスクリーンが付き、片足立ちできたのも「物理的理由」?
佐藤選手は今回の優勝に際し、何度もチームやスポンサーへの感謝を繰り返しています。巨額の資金が必要な自動車レースではオーナーやチームの支援と総合力が不可欠。これまで何度もクラッシュや敗退を繰り返しながらも、オーナー達は粘り強く佐藤選手への支援を継続してきたそうです。
「彼らがどれだけ楽しみに1勝を待っていたか考えるといたたまれない。勝利は彼らに捧げたい。素晴らしい仲間、オーナー、メカニック、エンジニアと一緒に勝てたことが自分の中では一番大きい」と、「チームへの感謝」をとりわけ強調している姿が印象的でした。
米国で23日、世界に誇る歴史的大偉業を、ある日本人が達成しました。その名は佐藤琢磨。伝統の自動車レース、インディアナポリス500マイル(インディ500)で自身二度目の優勝を果たしたのです!日本はもちろんアジア初、アメリカ人でさえ少な[…]