自粛の反対語や類義語は?分かりやすくなぜこの言葉なのかを解説!

コロナ感染拡大に伴い「渡航自粛要請」、「イベント自粛要請」などから、「緊急事態宣言」発令後は、(特定の場合を除いて)「外出自粛」、「店舗の営業」自粛が要請され、最近は、「繁華街の接客を伴う飲食店」への外出自粛などを強く促すとなっており、自粛という言葉が独り歩きしています。

今回のコロナ感染対策で、中国を含めた海外ではあまり使われない自粛という日本語にどういう意味が含まれているのでしょうか?なぜ日本ではこの言葉を使う必要があるのでしょうか?反対語や類義語を含めて解説します。

よーく考えると深い意味がありそう!

自粛の反対語は?

まず、自粛の反対語から考えてみましょう。

自粛の言葉自体の意味としては、「自分から進んで、行いや態度をつつしむこと」となります。

反対語としては、「自分から進んで」に重きを置くと、「他者から強いられて」となりますので、外出自粛は外出禁止に
「行いや態度をつつしむこと」に重きをおきますと、「度が過ぎた行動をとる」「我がまま」、「放縦」となりますが、ぴったりとした反対語は見つかりません。

外出自粛を解除する、外出自粛の要請を終了するなどとなります。

自粛に対応する英語や中国語を調べてもなかなかぴったりする言葉は出てきません。
英語では、Self-restraint(自制), self-control(自制)、self-discipline(自己規律)というところですが、うまく当てはまりません。

中国のメディアでは外出自粛は「自律走出去」(自らを律して出かけない)
「呼吁国民不要出门。(非强制)」(国民に外出しないよう呼びかける(強制ではない))となっていました。

そもそも、中国、欧州、米国では、都市のロックダウンが行われており、外出は自粛ではなく、(一部を除いて)禁止であり、違反した場合は罰せられます。

自粛は日本独特なのか?
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自粛の類義語は?分かりやすくなぜこの言葉か解説

では、自粛の同義語、類義語を見てみましょう。
克己、慎み、自重、自己抑制、我慢、自己制御、自制などが挙がります。

ただ外出自粛を外出自重や外出自制におきかえてみますと、自ら進んで行ったというニュアンスが強調され、国や県から要請されたという視点が欠けてくるように思えます。

この点で、特に日本において、「自粛」が強調される意味があるのだろうと思えます。

海外メディアは、今回の強制を伴わない措置について懐疑的な見方が多いようです。

フィガロ(フランス):「(ロックダウンしない)日本の緊急事態宣言は、現実には見せかけだけ」「日本人は在宅を強制されないし、自粛要請に従わなくても企業は処罰されない」

ロイター通信:「日本では自粛要請を無視しても、罰則はない。ロックダウンにある多くの他の国の厳格さとは異なるようだ」。「新型コロナウイルスの拡散抑止に一定の役割を果たすことは間違いないが、その効果と“後遺症”については不明点も多い」

ガーディアン(イギリス):「日本政府は罰金や罰則を伴う法的権限を有さない代わりに自粛を求め、拒否する事業者の名前を公表する見せしめ行為に効果があると期待している」「(日本が厳格な措置に踏み切らないのは)軍国主義時代に起きた国民の権利の侵害や、ハンセン病患者の強制的な隔離といった苦い思い出に起因している」

環球時報(中国):「日本人の世間体や外聞といった他人の視線を気にする「恥の文化」が機能することが期待されているとの見方が出ている」
中国社会科学院の研究員:「日本の『恥の文化』が役割を発揮する。違反行為があれば巨大な世論の圧力を受けることになる」。「緊急事態宣言を出したにもかかわらず、人々に家に閉じこもるよう強制したり、違反した場合の制裁を科す法的権限は無く、政府は日本人の市民精神や社会の同調圧力に頼ることになる

中国現代国際関係研究院の劉軍紅:「日本人の国民性から言えば、『処罰』は不要で『警告』だけで『申し訳ない』と感じさせる文化が浸透している。こうした国民性が、感染状況をどの程度改善させるかについてははっきりと言えないが、少なくとも国民は感染症の流行の深刻さについて理解を深め、自身の行動をより抑制するようになるだろう」

強制でなく、自粛だけで、幸運にも感染拡大阻止できるとすれば、日本人の国民性からくる「周りの状況や周りの人にどう思われるかなどということを考えて、自ら、行為を控えたり態度を改めたりしてつつしむ」恥の文化が効果を上げるとしています。

不倫騒動の渦中の芸能人が活動を自粛するとか、天皇陛下が崩御された時や、大きな災害時などに、テレビで明るいコマーシャルやお笑い番組などを放送するのを自粛するなどを考えますと「周りの眼を気にする」国民だと思えます。

政府もそれに期待して、経済のダメージを最小限にして感染抑制ができると見込んだのでしょう。

えらく信頼されたものね!

自粛という言葉に関するネットの反応

  • 生きてるうちにこれだけ自粛という言葉の意味について考えることは2度とないだろうと思うくらい毎日考えてる
  • 政府がみんなの経済的負担を背負いたくないから「自粛」という言葉を使っているだけで 普通にもうロックダウンしなきゃいけない状況なのに 「”自粛”ならいいでしょ」って遊びに出かける人がいるの恐ろしい…
  • 自粛という言葉に 滅入りそうですよね。 捉え方で気持ちを変えなきゃね! 引きこもり…… あ、もっとダメか
  • 「自粛」という言葉が責任逃れにしか聞こえない。「自粛」という割に休むと生活出来ない、給料下がっても国は「そんなの知らない、お前が悪い」と言われてるように思える。
  • 「外出自粛」という言葉のニュアンス(極力人との接触を減らす)を汲めずに、人でごった返す商店街に複数人ででかけてしまう残念な人や、自らが人混みの形成に参加している残念な人が沢山いる状況・・・

出典:ヤフコメ

海外では、しっかり補償しているように見える
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まとめ

  • 「自粛」の反対語は「他者から強いられて」の「禁止」、類義語は「自重、自己制御」などありますが、人の目を気にするニュアンスが含まれません
  • 経済に決定的なダメージを与えず、感染拡大を阻止するためには、日本人の国民性を考えると「自粛」がベストの解だと考えられた
  • 自粛という言葉のあいまいさに悩んだり、他者を非難したり、様々なコメントが寄せられていますが、このままでうまく行くのかという不安は皆が抱えている

日本独自の新型コロナ感染抑制方式の成否の鍵を握るのが、3密となる状態を避けるための行動変容にあります。

日本人だからこそできる外出自粛が効いて、人との接触を80%以上削り、コロナ収束に向かわすことができれば。政府も国民も世界に例がないと賞賛されるのは間違いありません。

しかし、失敗してロックダウンとなれば、それ見たことかと、2兎を追ったからだと言われてしまいます。

対応の遅さや、対策の後手後手で、政府に言いたいことは山とありますが、寝ずに頑張っているクラスター対策班や医療関係など多くの関係者そして、医療崩壊に飲み込まれるかもしれない自分自身や家族のためにもここは、自粛の趣旨を十分踏まえた行動をとるしかありません。

やるしかないわね!

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