マラソンスイミングのルールと世界記録・日本記録は?

東京2020オリンピック大会(2021)も、残す競技があとわずかになってきました。陸上のマラソン、サッカー、野球など注目競技がまだまだたくさんありますが、五輪終盤戦のちょっと独特な種目に注目してみました。

それはマラソンスイミングです。一体どんな競技なのか。ルールや世界記録などについて基本をまとめました。(出典:Wikipedia、スポーツメディア)

自然の水路で行われる長距離水泳は「オープンウォータースイミング」。国際水連の規則では、そのうち10kmの競技を「マラソンスイミング」と呼ぶんだって

マラソンスイミングのルール

マラソンスイミングは、海や川など安全に配慮された場所で10km泳ぎ、順位を競うスポーツです。五輪では北京大会から正式種目になった新しい競技。

東京五輪ではお台場の海の周回コースを利用。波や水温、風や天候などさまざまな自然条件を味方につけ、途中給水を受けながらトップを目指す「戦略的遠泳競争」とでもいえそうなスポーツです。

オープンウォータースイミングの発祥は80年代。91年に世界水泳の正式種目になったんだ。その当時は男女とも25km、5時間超も泳ぐ大レースだったそうだ

主なマラソンスイミングのルールをまとめました。

■コースは男女とも10km。

■泳法は自由形。

■スイマーは承認済みの水着、ゴーグル、最大2枚のキャップ、ノーズクリップ、耳栓を使用できる。

■競技が実施できる水温は16℃以上31℃以下。

波や水質、天気もだけど、クラゲなど海の生物との「遭遇」にも対処が必要。まさに自然との闘いだね!
では次項から禁止行為や世界記録などをみていきましょう。

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禁止行為は?

マラソンスイミングのルール上で、禁止されている主な行為をまとめてみました。

■泳ぎ方は自由で途中で立ってもいいが、水中を歩いて移動すると失格。

■スピードや浮力を助ける用具(浮輪など)をつけてはいけない。

■水着はワンピースかツーピース。首、肩を覆ってはいけない。両脚も足首まで。

■水温20度以上ではウェットスーツ着用不可。

給水は?

マラソンスイミングのルールで珍しいのが、陸上のマラソン同様の「給水」です。しかし海の中で泳いでいる最中に、どうやって給水するのでしょうか。

海水を飲むわけにもいかないし、川などの淡水でも汚いしな…ww

マラソンスイミングで選手に給水する際は、給水用竿(フィーディングポール)を使います。会場に設置される給水用桟橋からフィーディングポールを伸ばし(5m以内)、その先に取り付けたカップなどにドリンクや補給食などを入れて選手に渡します。

選手たちはタイムロスしないように、泳ぎながら受け取り給水します。そのスムーズなテクニックも大変重要だそうです。

↓0:45頃から給水シーンが

ちなみにペットボトルなどを岸から投げて渡すのは禁止なんだって!
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マラソンスイミングの世界記録

ルールや禁止行為をご紹介したマラソンスイミング。ではこれまでの世界記録はどのくらいなのでしょうか。

前述したように、マラソンスイミングは自然の海などで行うレースで、実施する時期、場所、天候などにによって条件は千差万別。このため基本的にタイムはあまり重視されず、純粋に「最初にゴールしたら勝ち」という順位トライアルです。

ですが、一応タイムも計測していますので、参考ながらこれまでの「最速世界記録」を調べてみました。

■マラソンスイミングの世界最速記録

・男子 … スピルドン・ジアニモティス(ギリシャ)/11年のマラソンスイミングワールドカップ(ポルトガル)で、1時間40分29秒5を記録

・女子 … アンジェラ・マーラー(ドイツ)/同じレースで、1時間48分41秒9を記録

なお東京五輪で4日行われた女子マラソンスイミングの優勝タイムは、クニャ選手(ブラジル)の1時間59分30秒8でした

マラソンスイミングの日本記録

男子に先行して4日行われた東京五輪女子のレースでは、日本期待の第一人者・貴田裕美選手は2時間01分40秒9で13位でした。

では日本人の過去最高記録はどのくらいなのでしょうか。やはりレースごとに条件が異なるため、正式な日本記録はないようですが、2000年に始まった国内最高峰の日本選手権の優勝タイムで見てみましょう。

・男子 … 東翔 1時間50分24秒

・女子 … 平下心 1時間57分34秒

まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

  • 東京五輪男女マラソンスイミングが4・5日の両日、お台場コースで開催
  • 海を10km泳ぐ長距離競泳。波や風、天気、クラゲなど自然との闘い魅力
  • 途中給水があるのも特徴。竿の先にボトルなどをつけて泳ぎながらゲット

東京五輪マラソンスイミング、いよいよ5日には男子のレースが早朝から開催されます。男子代表は南出大伸選手。25歳で、和歌山・海南高から日体大卒。18年の日本選手権優勝者です。

世界の強豪たちにどこまで迫れるか、注目しましょう。

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