「マイナンバーカード、免許証と一体化を検討」
政府が首相官邸でマイナンバー制度を活用し、行政のデジタル化を進めるワーキンググループ(WG)の初会合を開きました。
運転免許証など国家資格証のデジタル化やマイナンバーカードとの一体化が検討されています。
マイナンバーカードは、基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)が記載された顔写真付きの公的な身分証明書です。
本人確認書類として運転免許証、パスポート、住基カードと同様に利用できます。
免許証を持っていない人は、マイナンバーカードを本人確認書類として使っているのではないでしょうか。
免許証をすでに持っている人からすれば、マイナンバーカードを作るメリットはあまり感じられないかもしれません。
しかし、2020年のコロナ騒動における「特別定額給付金」がマイナンバーカードがあれば早く貰えたり、マイナポイントの5,000円分付与キャンペーンなども始まり、マイナンバーカードを持つことで優遇される場面も増えてきています。
さらに、マイナンバーカードは2021年3月から健康保険証としても利用できるようになります。
保険証の機能に加えて学校などで受けた健康診断結果を閲覧できるようにするなどの機能追加も検討されています。
何に使うのかわからなかったマイナンバーカードが徐々に便利になってきています。
今回は、免許証とマイナンバーカードが統合することのメリットとデメリットを紹介します。
マイナンバーカードと免許証統合のメリット・デメリット
マイナンバーカードが免許証と統合されると何が良いのでしょうか。
ここでは、メリット・デメリットを紹介します。
メリット
管理が楽になる
今までマイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など用途は違うのでそれぞれでカードを持つ必要がありましたが、今回の免許証と統合、さらに健康保険証との統合が進めば、マイナンバーカード1つ持つだけでよくなり管理が簡単になります。
マイナンバーカードの価値が上がる(普及増も期待できる)
マイナンバーカードの普及率は未だ16.7%程度です。
マイナンバーカードの普及率をあげるための施策のひとつが今回の免許証との統合です。
今までは本人確認書類くらいでしか使い道がなかったマイナンバーカードですが、
免許証との統合をはじめ、健康保険証との統合などで便利になることで価値があがります。
便利になることで普及率が増えると、さらに便利になる機能の追加も検討されるので、
より使い勝手がよくなる可能性があります。
行政のデジタル化が進む
定額給付金の申請にマイナンバーカードを使ったオンライン申請をすると給付が早くなるという話だったが、実際は、システムの連携がとれていない状態で、マイナンバーカードを使った申請を取りやめる自治体もいました。
まだ行政にマイナンバーカードなどのデジタル化のシステムが整っていないためだと思われます。
今までは使っている人も少なく、後手になっていましたが、普及が進めば、行政のデジタル化もせざるを得ない状態になると予想されます。
デジタル化が進めば、人の手間が省け効率化が進み、アナログでありがちなミスも少なくなります。
デメリット
紛失時などの情報漏洩リスクが高まる
マイナンバーカードと免許証の統合で便利になる一方、紛失・漏洩時の危険性も増します。
セキュリティに絶対はないので、紛失・漏洩時の対策をきちんと整える必要があります。
政府や自治体にすべての情報が管理される不安
運転免許証に加え、将来的には健康保険証、銀行口座、スマートフォンとの連携などが実現すると
便利になる反面、1つのマイナンバーからすべての情報にアクセスすることができるので、知らない間に個人情報が利用されているかもしれません。
まとめ
今回、マイナンバーカードと免許証の統合について紹介しましたが、
マイナンバーカードは現状何のために作る必要があるのかわからない人が多いと思います。
政府はマイナンバーカードを「22年度末にほとんどの住民が保有する」との目標を掲げています。
多くの人が本人確認のために携帯する運転免許証と一体化できれば、マイナンバーを通じた行政のデジタル化が進むとみているようです。
しかし、政府に対する信用がないので、万が一紛失や、情報が流出した際に危険が及ばないかなど不明な点も多いです。
利便性よりも、不安の方が勝っているので、取得していない人も多いはず。
紛失や流出時のリスクを今の行政が補いきれるとは思えません。
現状の安全性の担保がない状態で、マイナンバーカードは普及していくのでしょうか。