助成金制度拡充!さらに申請が簡略化された雇用調整助成金を貰おう!

令和2年5月20日(水)より、雇用調整助成金のオンライン申請ができるようになりました。
→システム不具合のため、オンライン申請の稼働は延期になったようです。

雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者を支援する制度で、4/1~6/30までの緊急対応期間中に限り制度が拡充されていますので、ぜひ活用ください。

今回は、雇用調整助成金とは?コロナでの特例処置の内容は?について説明します。

雇用調整助成金とは

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練または出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。

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制度の概要

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。

主な受給要件(通常時)

受給するためには、次の要件のいずれも満たす必要があります。

  1. 雇用保険の適用事業主であること
  2. 売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
  3. 雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
  4. 実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
    ①休業の場合
     労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。
    ②教育訓練の場合
     ①と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること
    ③出向の場合
     対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
  5. 過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。

このほかにも、雇用関係助成金共通の要件などいくつかの受給要件があります

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受給額(通常時)

受給額は、休業を実施した場合、事業主が支払った休業手当負担額、教育訓練を実施した場合、賃金負担額の相当額に次の(1)の助成率を乗じた額です。

ただし教育訓練を行った場合は、これに(2)の額が加算されます。
(ただし受給額の計算に当たっては、1人1日あたり8,330円を上限とするなど、いくつかの基準があります。)

休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大150日分受給できます。出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

助成内容と受給できる金額中小企業中小企業以外
(1)休業を実施した場合の休業手当または
教育訓練を実施した場合の賃金相当額、
出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成率
2/31/2
(2)教育訓練を実施したときの加算(額) (1人1日当たり)1,200円 (1人1日当たり)1,200円

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コロナ特例で制度が拡充

新型コロナウィルス感染症の影響を受ける事業主を支援するため、4月1日~6月30日の緊急対応期間中は、全国で、全ての業種の事業主を対象に、雇用調整助成金の特例措置が実施されています。

支給対象となる事業主

新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置は、以下の条件を満たす事業主が対象です。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  2. 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している
    ※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。
  3. 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

助成対象となる労働者

事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが助成対象です。
学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当も、「緊急雇用安定助成金」の支給対象となります。

助成額

助成額の計算は
(平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率 (1人1日あたり8,330円が上限)

ですが、平均賃金額の算定について、一定規模以下の事業所は簡略化する特例措置を実施する予定です。

区分大企業中小企業※1
新型コロナウイルス感染症の
影響を受ける事業主
2/34/5※2
解雇をしていないなどの上乗せの
要件を満たす事業主
3/49/10※2

※1 中小企業とは、以下の要件に該当する企業をいいます。
・小売業(飲食店を含む): 資本金5,000 万円以下 または従業員 50 人以下
・サービス業: 資本金5,000 万円以下 または従業員 100 人以下
・卸売業: 資本金1億円以下 または従業員 100 人以下
・その他の業種: 資本金3億円以下 または従業員 300 人以下

※2 新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づき都道府県対策本部長が行う要請に協力し、その他要件を一部または全部満たす事業主に対しては、助成率を10/10に拡充しています。

条件を満たすことで助成率が10/10になる

一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を10/10とする(1人1日あたり8,330円が上限)

  • 中小企業であり、解雇等を行わず雇用を維持している場合
  • 新型インフルエンザ等対策特別処置法等に基づき、都道府県対策本部長が行う要請より、休業又は営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること
  • 以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
    ①労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること
    ②上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払率60%以上である場合に限る)

休業手当の支払率60%超の部分の助成率を特例的に10/10とする(1人1日あたり8,330円が上限)

  • 中小企業が解雇等を行わずに雇用を維持している場合、休業手当60%を超えて支給する部分に係る助成率を10/10とする

適用日

適用日は4月8日(水)以降の休業等から遡って、緊急対応期間(4/1~6/30)中に限り適用

支給対象日数

本助成金の支給限度日数は原則として1年間で100日分、3年で150日分ですが、緊急対応期間中(令和2年4月1日~令和2年6月30日)に実施した休業などは、この支給限度日数とは別に支給を受けることができます。

支給実績(5/21時点)

雇用調整助成金の最新の支給申請件数及び支給決定件数は以下になります。

雇用調整助成金の処理状況累計支給申請件数累計支給決定件数
令和2年5月21日時点(速報値)34,609件
(対前日比+3142件)
17,392件
(対前日比+1675件)

支給までの流れ

原則として休業の実施前に「計画届」を提出し、休業の実施後に「支給申請」を行います。
ただし、特例として「計画届」を休業の実施後に提出することも可能です。

  1. 労使協定
    休業等の具体的な内容を検討します。
    労使間で休業に係る協定を締結します。
  2. 休業等の実施
    休業等を実施します。
  3. 支給申請
    休業等の実績に基づき、支給申請をします。
  4. 労働局の審査
    支給申請の内容について労働局で審査が行われます。
  5. 支給決定
    支給決定額が振り込まれます。
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