喧嘩するにもお金がかかる?暴行罪と傷害罪の罰金はいくら?

毎日、会社で理不尽な上司にイライラ、プライベートでもSNS等で人との繋がりが増えてイライラ。
常にストレスを抱えている現代社会。

そんなストレスの発散の仕方がわからず、ずっと抱え込む人も多いのではないでしょうか。
ストレスを限界まで抱えると、爆発した時につい暴力的になってしまうことも。

警察庁の公表する犯罪統計によれば、令和1年の傷害事件の件数は2万1188件、1日あたり平均で60件近くもの傷害件数が起こっています。しかもこれは警察庁が把握している分だけなので、実際はもっと多いのではないでしょうか。

どんなにストレスを抱えていても、人を傷つけるのだけはやめてください!
暴行罪、はたまた傷害罪で犯罪者になってしまう可能性もあります!

今回は、暴行罪と傷害罪の罰金について調査しました。

暴行罪と傷害罪とは

人を殴る、蹴る等で傷つけて怪我を負わせた場合、傷害罪に問われます。
暴行罪は、傷害罪の一種です。

傷害罪よりも軽い罪で、暴行は加えたが特にケガがない場合は暴行罪になります。
暴行を加えた際に、相手がケガを負った場合はより罪の重い傷害罪になります。

暴行の定義はかなり幅広く、いわゆる殴る蹴る等の暴力に加え、衣類を強く引っ張る、水をかける、あおり運転をするなども暴力行為とみなされる場合もあります。

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暴行罪と傷害罪の罰金

暴行罪の刑罰

暴行罪に罰せられた場合、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料が科せられます。
※拘留(30日未満の間、刑事施設に拘置)
※科料(1000円以上1万円未満の金銭を徴収)

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傷害罪の刑罰

傷害罪に罰せられた場合、15年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

初犯と再犯の場合

犯罪歴がない「初犯」の場合は、上記に記載した内容の罰則になりますが、再犯の場合はさらに厳しい罰則が課せられる場合があります。

再犯は、前回の刑の執行を終えてから5年以内に再度罪を犯した場合に適用されます。

暴行罪と傷害罪は未遂の場合、処罰はあるか?

暴行罪の未遂の場合

暴行罪の未遂は、処罰規定がないので処罰されません。
暴行行為があれば直ちに、暴行罪が成立します。

傷害罪の未遂の場合

傷害罪の未遂というのは、傷害罪になりうる行為はあったが、傷害という結果にならなかったケースです。この場合は、暴行の要件に当てはまれば暴行罪になります。

傷害は、被害者の自己申告ではなく、医師の診断により判断されます。

気をつけよう!これってあおり運転?どんな場合に罪になる?

近年、あおり運転による事故やトラブルが増えてきて、よくニュースなどでも取り上げられてきています。

そんな昨今、自分が車を運転していてちょっと前の車に近づいてしまったときには、「あ、あおり運転と思われたかな」と気になることはありませんか?
また右折をするときに少しもたもたしてしまったら、後ろから「プッ」と鳴らされると焦ってしまいます。そんな時に「これがあおりか?」と思うなど、自分にしても他の人にしても「あおり運転?」と思われるような場面に出くわすことがないでしょうか。

そこで、どのようなことをすればあおり運転になるのか、もしあおりだと思われる行為があればどうすればよいのか、またどのような罰則があるのか、を解説します。

どのようなことが「あおり運転」か、定義はある?

あおり運転は、「他の車の走行を故意に妨害したり威圧したりすることが目的の危険な運転」と定義づけられています。
それに、故意に妨害や威圧をしたことによって他の車を止めさせてしまうような行為があるときも、「あおり運転」とみなされます。

あおり運転には具体的に、以下の10種類の違反行為が挙げられます。

  1. 車間距離不保持:前方との車との車間距離を極端に縮めること
  2. 減光等義務違反:他の車両の運転を妨害するべく使うハイビームやパッシング
  3. 安全運転義務違反:幅を寄せて並行に走行したり蛇行運転をすること
  4. 急ブレーキ禁止違反:必要のないところで急ブレーキをかけること
  5. 警報機使用制限違反:必要以上にしつこくクラクションを鳴らすこと
  6. 進路変更禁止違反:危険な車線変更で他車に急ハンドル、急ブレーキをかけさせること
  7. 通行区分違反:対向車線からはみ出したり逆走したりすること
  8. 追い越し違反:他車を危険にさらすような無理な追い越し
  9. 最低速度違反:わざと最低速度以下でゆっくり走ったり、急ブレーキをかけること
  10. 高速自動車国道等駐停車違反:高速道路や国道での駐停車

これらの行為が見られた場合は「あおり運転」とみなされます。

「あおり運転」の定義では「故意に」とされていますが、故意でなくても前車に近づいてしまうなど上記のような行為をしてしまい、相手が危険や恐怖を感じて通報されればそれは「あおり運転」とみなされます。

自分たちも知らないうちに「あおり運転」をしてしまっていることもあるので、どういう運転が「あおり運転」に該当するのか、知ったうえで安全に運転をすることが大切です。

「あおり運転かも?」どうすればよい?

あおり運転をされているかも?と感じた場合は、話し合おうとしてすぐに車から降りたり窓を開けたりせずに、安全で人目があるコンビニやスーパーなどの駐車場に車を止めて警察を呼び、警察が来れば指示に従うようにします。

逆にあおり運転をしたつもりがないのに通報されてしまった場合は、警察の指示通りに任意同行し、「あおっていない」と言い通すことが大切です。やっていないからと任意同行に応じなければ、逃げているとみなされて却って罰則の対象になる可能性があります。
任意同行は「逮捕」ということではないので警察の指示には従い、警察署で事情を説明するようにしましょう。

ちなみに警察に通報するほどでなくても、「あおり運転をされているかも」と感じたときにどのような行動をとったか、というある調査では、4割の方が「無視した、気にしないようにした」という回答で、3割の方は「道を譲る、先に行ってもらった」と回答、残りの3割の方は「急ブレーキなどで反撃した」「速度を上げて距離を取った」などという回答でした。

「あおり運転」の罰則は?

2020年6月30日に、「あおり運転」を取り締まる「妨害運転罪」が新しく作られ、「あおり運転」は前述した10の行為に当たることと、罰則について定められました。

通行妨害を目的とする違反に対する罰則は、「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金」で、違反点数は25点となり免許取り消しです。2年間は再取得することはできません。
高速道路で他の車両を停車させるなどの危険な行為の場合は「5年以下の懲役または200万円以下の罰金」です。違反点数は35点で、3年間は再取得ができない免許取り消しとなります。

あおり運転の被害に遭わない、知らない間にあおり運転をしないための予防策

悪質なあおり運転に遭うと、事故につながることがあり最悪死亡することもあります。そのようなことにならない限り、もしあおられるようなことがあっても、気持ちを冷静に持って安全に止められるとことまで行き車をいったん止めるようにしましょう。

しかし危険な割込みなどがあれば、落ち着いて運転し続けることはできません。急ブレーキをかけて止まらなければいけない状況になることもありますが、そのあと相手が話し合いに来ても車外に出たり窓を開けて相手と話し合おうとせず、安全な場所に車を止めて警察を呼ぶようにします。

逆に自分が加害者になることもあります。知らない間に他車に危険や恐怖を感じさせていることはないとも限らないのです。
自分が加害者にならないためには、「あおり運転」といわれる10の行為を熟知して、決してそのようなことをしないように車間距離を取って安全に走行するように心がけましょう。

そしていずれにしても重要なのが「証拠」です。正しく証拠を示してくれるのは「ドライブレコーダー」です。できるだけ車には「ドライブレコーダー」を搭載するようにすることが、自分の身を守るために大切なことです。

  • 2020年6月30日に「あおり運転」といわれる10の行為と罰則が制定されました。
  • 危険なあおり運転をされた時は、人目のある安全な場所で車を止めて警察を呼び、警察が車で相手と話し合おうとしないことが大切です。
  • 知らない間に自分が加害者にならないよう、どのような行為があおり運転かを知り、安全運転を心がけ、もし通報されたら警察の指示に従いましょう。
  • ドライブレコーダーは正しい証拠を示してくれるので、できるだけ搭載しましょう。

まとめ

  • 暴行罪は傷害罪より軽い罪だが、暴行罪の範囲は非常に広い。
  • 暴行罪は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」
  • 傷害罪は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」
  • 再犯はさらに重い罪を科せられることもある。
 

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