歌舞伎の屋号や格付けについて

歌舞伎の屋号って何?

日本固有の演劇、伝統芸能のひとつ、そして1965年4月20日に重要無形文化財に指定が行われたといわれている歌舞伎、好きな人は好きだけれども興味がない人は一生涯見ることがないなどのイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。

今回はそんな歌舞伎についてまとめてみました。

歌舞伎の始まりは?

人から誘われて劇場に出掛けて観る、これも歌舞伎の世界に足を踏み入れる機会の一つになるわけですが、この演劇は伝統的な演技演出様式により上演されるお芝居、そして2005年にはユネスコで傑作宣言が行われた。

その4年後の9月には重要無形文化財から無形文化遺産として登録されるなどの歴史を持つお芝居です。

無形文化遺産とは、文字通り形を持たない文化財を保護するなどの目的を持つもの、国際連合教育科学文化機関でもあるユネスコの事業の一つとされるものです。

ちなみに、無形文化遺産には音楽・舞踊・祭り・儀式などの種類があるといわれているのですが、その種類は実に多くあるその中でも頂点と思われるものだけに与えられる名誉のような存在といえましょう。

名前の由来は、傾くの古語に相当する「かぶく」の連用形を名詞化したものであるといいますが、戦国時代の終盤頃から江戸初期にかけて現在の京都で流行したとされる歴史を持ちます。

派手な衣装を身にまとったり、一風風変わりな異形を好む者などのことをかぶき者と呼んでいた、そしてこのかぶき者といわれる人々の斬新な動き、派手な衣装などを取り入れた踊りのことをかぶき踊りと呼びます。

これが現代における伝統芸能の一つでもある歌舞伎の語源になっているようですが、江戸時代頃では公的には狂言や狂言芝居と呼ばれていたといいます。

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歌舞伎の屋号とは?

他の伝統芸能との大きな違いの一つに役者のことを『音羽屋』や『成駒屋』などのように屋号で呼ぶ点であり、役者が身を置いた陰間茶屋の屋号の名残とされます。

市川團十郎の名を耳にしたことがある人は多いかと思われますが、これは役者の芸名であり名跡と呼ばれるものです。

そしてこの名跡は代々受け継がれることになるのが特徴で、2代目や3代目市川團十郎などの呼び方で報道されることも決して珍しいことではありません。

芸名でもある名跡を継ぐことを襲名、経験を経ることで名跡を吊り変えながら次第に大きな名跡となり後を継ぐことになるわけです。

自らの子供が名跡を継ぐケースは多いのですが、兄弟や養子・実力を持つ高弟などが後を継ぐことも少なくありません。

養子と聞いた際に子供がいない夫婦の下に訪れる他人の子供などをイメージされる人も多いかと思われますが、名跡となる場合の養子は芸の中での養子であり芸養子とよばれるものです。

屋号は、家ごとにきまるもの名跡とは異なる存在、歌舞伎の世界では上演中に後方の席から役者に声をかける大向こうを行う習慣があるけれど、このとき呼ぶものが屋号になるわけです。

歌舞伎の格付けは?

歌舞伎は師弟関係がある伝統芸能でもあり、このような世界には序列・格付けなどがつきものです。

親戚・師弟関係などが多いことからも人間関係はとても濃密、序列は家柄で決まるものなのか、それとも実力で決まるものかわからない人も多いといえます。

歴史と伝統があるほど格付けは上になる、このように考える人も多いかと思われますが実際には家柄が良いほど序列が上になるわけでなく、どれだけ人気を持つ役者を輩出しているのかといった実力が序列を決めることになります。

市川海老蔵率いる『成田屋』をご存じの人は多いといえますが、歌舞伎の世界には100を超える家柄がある、そしてその中でも宗家といわれるのが成田屋です。そして、江戸時代の創設者でもある市川團十郎率いる成田屋は、お家の中でも別格とされ、序列や格付けは伝統および本人の実力により決まる部分です。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

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