大阪都構想って結局、何だったんですか?
わかりやすく説明してあげよう!
2020年11月1日の住民投票で否決された大阪都構想。
実は、今回の否決は2回目。
住民は、2015年に一度否決の判定を下しています。
大阪都構想って一体どんな内容だったの?
どんなメリットがあるの?
なんで反対多数なの?
今回は、大阪都構想について紹介します。
大阪都構想の概要
大阪都構想って、結局何がどうかわるのか?
大阪には、「大阪府」と「大阪市」の2つの大きな自治体があります。
この2つの自治体が二重行政になっているというということで
- 大阪市を廃止し、現状の24区を4つの特別区に分ける
- 大阪市の広い範囲の権限・予算を大阪府に一元化し
- 残された財源・行政権を4つの特別区に分割しよう
というのが大阪都構想になります。
都構想が実現されると二重行政が解消され、4つの特別区に分ける事で住民サービスが充実するという内容でした。
大阪都構想のメリット
二重行政がなくなる
- 府のやる事と特別区のやる事が整理されて二重行政か起きる仕組みがなくなる
- それぞれの意見を擦り合わせる必要がなくなり無駄な会議がなくなる
- 物事を決めるスピードが速くなる
住民の為に使えるお金が増える
- 無駄な会議を無くし時間短縮して経費削減、住民に使えるお金を増やす
- 仕事が限定化する事で組織がシンプルになり効率化して経費削減、住民に使えるお金を増やす
- 「官から民へ」を進めて住民に使えるお金を増やす
大阪発展の事業計画が進む
- どれだけお金を負担するかで府と市の間で揉める事がなくなり決定のスピードが速くなる
- 事業計画が始まるまでのスピードが速くなる
- 全体をみた計画で社会資本の整備が進みやすくなる
民間を引き付ける大阪へ
- 事業計画のスピードが速くなる事で民間からの投資が活発になる
- 民間投資で社会資本の整備が進み大阪が発展する
- 大阪が発展する事でまた民間投資が増え新しい事業を始めやすくなる
より良い住民サービスが提供される自治体へ
- 今より小さい自治体になって住民に近い視点で行政サービスが提供される
- 地域が求める行政サービスが提供される
- 経済格差を小さくした特別区同士で競い合う事で住民サービスが充実する
大阪都構想のデメリット
特別区になり住所表記が変更される
- 新しい自治体となり住所表記が変更され最初は戸惑うことが予想されている
大阪市という自治体がなくなる
- 府市統合、特別区設置で大阪市という名前の自治体はなくなる
新しいコストが発生する
- 特別区設置で新しくつくるシステムや庁舎(後に新設した場合)の維持コストが発生する
- 地域にあった丁寧できめ細かい住民サービスをする為に役所の人員を増やす事になり人件費が発生する
- 移行に伴う初期経費(イニシャルコスト)はシステム改修費、庁舎整備費、移転経費、街区表示変更経費などです。その他毎年システム運用経費(ランニングコスト)が発生する
場合によって住民や企業に負担がある
- 会社印・名刺・封筒・ナビゲーションソフト・顧客情報の入力・看板の意匠変更など、事業主や住民の状況に応じた負担が生じる
大阪都構想の歴史
2010年:都構想を看板政策にし、「大阪維新の会」発足。
2011年:橋下徹氏、大阪府知事を辞職し、市長就任。松井一郎氏、知事就任。
2012年:「大都市地域特別区設置法」成立。
2015年5月17日:大阪都構想1回目の住民投票 → 否決
2015年:吉村洋文氏、市長に就任。松井一郎氏、知事再選。維新政治続行。再び都構想に向けて動く。
2020年11月1日:大阪都構想2回目の住民投票 → 再否決
なぜ反対多数だったのか?
大阪都構想は2度の住民投票の末、否決となりました。
では、なぜ大阪都構想は反対多数だったのでしょうか。
これに関して、元大阪府知事である橋下徹さんは以下のように話しています。
「大阪都構想は手術、大阪都構想運動は薬。僕が知事になった2008年の状態の大阪府と大阪市は対立しまくって病気の状態だった。これをなんとかしないといけないと思い、これまで10年以上薬である都構想運動(改革)を行い二重行政を直していった。松井さん(府知事)、吉村さん(市長)も行ってきた。そうすることで病気が治ってきた。もう治ってきているものに手術(大阪都構想)を行う必要はあるの?と住民は不安になってしまっていた。2008年の最悪な状況がなくなったのは維新政治の成果。そのことによって、薬も手術もいらなくなったと住民の方が思われたのが今回の結果です。」
ちなみに、住民投票直前までは賛成と反対はほぼ拮抗、むしろ賛成派が有利と言われていましたが、毎日新聞が出した「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」と報道されたことも影響していると思われます。