ネッククーラーの効果!冷える仕組みを知ったら欲しくなる

5月末に富士通ゼネラルから発表された深部体温を冷やすことで灼熱下での作業リスクを減らせるネッククーラーが評判になっています。

ネッククーラーを実際使った場合の効果やその仕組みに迫ってみました。

当面企業レンタル用とのことですが、高くてもいいので、個人に売ってほしいとの声が、コロナ禍の夏に現場で奮闘する方々から寄せられています。

マスクしながら重労働なんとかしてほしい

ネッククーラーの効果とは?

富士通ゼネラルが5月末に発表したネットクーラーCómodo gear(コモドギア)の効果を見てゆきましょう。

温暖化で年々酷暑がひどくなるうえに、コロナ禍でマスク着用の場面が増えることが予想される今年の夏です。

この救世主として、首に装着するウエラブルエアコンにCómodo gear(コモドギア)に大きな期待が高まっています。

首に冷却部、腰にラジエーターとバッテリーと、2か所に装着します。
それぞれの重さは、首の冷却部が約170gで、腰のラジエーター部が約670gと軽量化されています。
通信機能としてNFC(近距離無線通信)とBluetoothを内蔵しています。

作業の邪魔にならず、高い気温の中でも冷却部の温度が約20度となって、体全体を冷やす効果を発揮します。

バッテリーは外付けリチウムイオン電池を使用しており、3時間の充電で2~4時間使うことができます。

警備業や建設業、工場、イベント会場といった、炎天下や空調が届かない環境で作業が必要となる業種で使用されることを想定しており、国内企業を対象に6月末から国内企業へのレンタル(1カ月・1台1万円以下を想定)を開始するそうです。

第二弾として、秋頃の発表を目指し、冷暖切替機能なども機能を開発中とのことです。

「WINヒューマンレコーダー社(板生清・東京大学名誉教授)が着想されていた今回の製品の発想の元となった原理を用いたネットクーラーの効果を人体実験したという山田 眞次郎氏の2015/07/27のブログがあります。

https://blogs.itmedia.co.jp/yamadashinjiro/2015/07/post.html

NPO法人ウェアラブル環境情報推進機構(WIN)の板生清理事長(東京大学名誉教授)が発明された「ウェアコン」(ウェアラブルエアコン)の試作品を用いたというものです。

外気温と同じ30度の室内で、ウェアコンをつけたとこころ20分くらいで、脳の温度が下がるのがわかった。

皮膚の感覚は、暑くて我慢できないほどではなくなるが、暑さは感じる。
肌がベタベタした感じだが、そのベタベタした感じほど暑くは感じない。

1時間くらい経つと、室温は30度になっているが、ほとんど暑さは感じなくなる。
身体の表面のベタベタ感は少し緩和されたが、まだ残っている。
しかし、汗が出るわけではない。

3時間後の電源が切れて、再度充電して体験した結果から、部屋の中で座ってする仕事においては、ウェアコンがあれば、エアコンは不要だということがわかったということです。

確かに効きそうじゃ
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ネッククーラーが冷える仕組みは?

「WINヒューマンレコーダー社(板生清・東京大学名誉教授)が着想されていた、深部体温を冷やすことで灼熱下での作業リスクを低減させることを目的とし、製品化に至りました」とFNNオンライン6/12で報道されていました。

即ち基本となる原理は、首にある頸動脈を通る血液をペルチェ素子で冷やすことで、身体の深部体温(脳や内臓の温度)を血管網を通じて冷やすという点にあります。

ペルチェ素子というのは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルチェ効果を利用した板状の半導体素子で、コンピュータのCPU冷却、車などに乗せる小型冷温庫、医療用冷却装置などにすでに使用されています。

他の冷却装置に比べて、装置の体積が小さく装置の小型化が容易な点、騒音・振動を発生しない、冷却と発熱の切り替えが可能という長所がある一方、吸熱側で吸収した熱などを、他の熱交換機を使用して放熱する必要があります。これが十分でないと、素子自体が破損・焼損することがあります。

冷却と発熱の切り替えが可能という点を利用して秋には、温暖用のウエラブルの開発を考えているものと思えます。

以上の点を考慮して今回のような製品になったと思われます。

冷やす仕組みは、首の部分に搭載されたペルチェ素子の冷却部で熱を放熱板に送ることで冷却する。
同時に、冷却部で生じた発生した熱を水冷により冷却するシステムとなっています。

ペルチェ素子の冷却部を持つ首だけネッククーラーは既に市販品としてあるようですが、発熱した熱は空冷する構造になっています。
例えば、サンコー製で、首だけで、安価です。

「ネッククーラーNEOとminiの違いは?この夏の必需品になるか実際試しブログレビュー」の記事を参照してください。

今回のは、冷却を水冷で行うというのが従来になかった点の1つです。
冷却効率に差があるのかもしれません。外気温度が変化しても安定して冷やせるというのがうたい文句の一つになっています。

富士通ゼネラルのこれに関する特許出願を調べてみましたところ3件の関連すると思われる公開特許が見つかりました。

いずれも、2018/10/12に出願され、1年半後の2020/04/16に公開されています。

特開2020-058738 身体温冷装置
(課題)利用者の頸動脈の温度を適切に調節する。
特開2020-058741 身体温冷装置
(課題)騒音を低減する身体温冷装置を提供する
特開2020-061101 身体温冷システムおよび身体温冷装置
(課題)様々なサービスを適切なタイミングで利用者に提供する

1.特許明細書に添付された図面が製品発表されたものとほぼ同じである

2.三名の発明者のうちに佐藤龍之介氏の名があり、2020/05/28 テレビ朝日 【スーパーJチャンネル】で<新着ニュース>Comodo gearが放映された時に、富士通ゼネラルのビジネスアーキテクト・佐藤龍之介からのコメントが紹介されていた

板生清名誉教授の着想をセンサー、コントローラー等を含めて、今回の製品発表に至ったいうことだと思えます。

なお、関連では、2019.08.29のクラレのニュースで、
富士通ゼネラルとWIN HR社が発売予定のウェアラブル電子制御冷暖房装置を搭載したジャケットを開発しましたとあります。
2020年夏試験販売とありますが、発表されていないようです。

是非早く売り出して普及してほしいわ!

ネッククーラーへのみんなの声

  • 配達の仕事をしています。まだ6月だというのに毎日蒸し暑くて…マスクもしているので上から下まで汗だくです。真夏は本当に命取りになるので、こんなに画期的なものがあるなら、少し高くても是非買いたいです!
  • 首とか頭が冷えるだけで全然違いますもんね。レンタル1台1万円以下なら安いし、外で働く人達に会社側が支給してあげて欲しいですね。
  • 介護の仕事をしてます。今年はコロナの感染予防のため入浴介助中もマスク着用です。浴室内は35°C超え、湿度90%です。値段が高くても自分の身を守れるのなら購入したいです。
  • 3時間の充電で2~4時間しか動かないならまだまだ実用的ではない。せめて1時間未満の急速充電で最低4時間動かないと。重量も1キロ弱じゃ重すぎる
  • 早くても来年からか…値段と冷却能力が気になりますね。値段によっては、腰にバッテリー付けて使う、というよりも、2台持ちで1台充電させながら使用するとかもよさそう。

出典:ヤフコメ

切実な声がでているようね
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まとめ

  • ネッククーラーの効果を実際に試した方のブログに、30度を超える部屋で、暑さを感じることなく、クーラー不要で仕事がはかどったとの報告がある
  • 冷える仕組みは首の頸動脈を通る血液を約20度の冷却部で冷やすことで、身体の深部体温を血管網を通じて冷やすという点にある
  • 酷暑の中でマスクをして働く配送、介護などの現場から、高くても良いので、是非一般にも売ってほしいとの切実な声がある

今回の製品の原理は2015年ごろには発想されていたようですが、実用化にはなかなか至らず、冷却部の構造や水冷方式、センサーを組み合わせたシステムとして完成されたものと思えます。

コロナ禍の酷暑の夏だけに、最も望まれる製品となっているようです。
ただ、今回のは、現場企業レンタル用とのことで、一般用が売り出されないのは大変残念です。

地球温暖化もあり、需要は世界中で今後ますます高まると思えますので、是非個人で使えるタイプを早急に開発してほしいと願います。

発想から実用化にこれほど時間がかかったのはなぜなの?
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