編集部&堀越先生が謝罪!ヒロアカのキャラ名変更「志賀丸太」騒動まとめ

2月3日(月)の夕方6時すぎに少年ジャンプ編集部の公式Twitterから以下のようなツイートが流れました。

そして夜9時頃には作者の堀越先生の公式Twitterでも以下のようなツイートが。

今週号で明らかになったドクターの本名が「志賀丸太」

この名前が「過去の史実を想起させる」という指摘があったとのこと。

(噂によると、違法アップロードされた少年ジャンプを発売前に読んだ海外の読者からのクレームだったようです)

作者の堀越先生と相談の上、単行本収録時には、ドクターの名前を変更することになったという。

決して作者や編集部にそのような意図はなかったというが、一体「史実」って何?

ボカして書いているから、歴史にそんなに詳しくない自分には全然ピンと来ませんでした。

そこで、調べてまとめてみたので紹介します。

そもそもドクターとはどんな人物だったか?

まずヒロアカのドクターのこれまでの確認ですが、

ドクターはオール・フォー・ワンの腹心で脳無の共同開発などをしていた研究者。

作中では人体実験を繰り返し、脳無のような怪物をたくさん作ってきました。

また死柄木弔をサポートしている人物でもあり、ギガントマキアに勝利した際は、全面的に支援すると宣言していました。

同一人物かどうかは確定していませんが第1話でデクに無個性だと告げたドクターとそっくりです

これについてはアニメ版で声優をつとめている方が両方とも同じことから、同一人物説が濃厚です。

キャラクターブックによるとツバサ医院の院長と紹介されています。

ツバサといえば、小学校時代に爆豪の取り巻きで、一緒になってデクをいじめていた「ツバサくん」という子供がいます。

背中から大きなツバサが出ている子供でした。

この情報は本編では出てきませんが、ドクターはツバサくんのおじいちゃんであると書かれています。

つまり、デクと意外な接点があった人物でもあります。

脳無の研究を見れば分かりますが、人に複数の個性を与える研究で、失敗すれば死に、生き残っても知能の低い怪物になるだけ。

いわゆる、研究のためなら何でもやってしまうマッドサイエンティストという位置づけです。

そして今回、問題になったのは、この人体実験をやっていたドクターの名前が「丸太」であったこと

では、「丸太」の何が問題なのか?

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海外で問題になっている!?過去の史実とは何か?

この「丸太」が問題なのは731部隊を想起させるからです。

731部隊といえば第二次大戦中に細菌兵器の開発を行っていた日本軍の秘密部隊です。

通称”731部隊”。

かつて、NHKスペシャル(2017年8月13日放送)では、ロシアのモスクワで発見された組織の全貌を知る手がかりを元に、なぜ人体実験に手を染めたのか、などを紹介していました。

終戦から4年後、731部隊の幹部らを裁くために旧ソ連で開かれた軍事裁判、ハバロフスク裁判の音声記録です。

部隊の中枢メンバーが人体実験の詳細を証言する中で、こんな箇所があります。

「こうした人体実験に、大学から集められた医学者たちは、どう関わっていたのか。当時を知る元部隊員、三角武さんは事実を知ってほしいと今回初めて取材に応じた。部隊が保有する飛行機の整備に携わった三角さんは、医学者の実験のため、囚人が演習場へ運ばれたときに立ち会っていた。囚人は頭を丸坊主に刈られ、「マルタ」と呼ばれていたという。」

引用:NスペPlus731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20170915/index.html

つまり、人体実験の被験者のことを「マルタ」と呼んでいたんですね。

今回、ドクターの名前が「丸太」だったことから、過去の史実を想起させるとして海外からクレームが来たわけです。

たまたまでしょ?と思うけど、こういう歴史に関することは、知らなかったでは済まされないケースがあるんですね。

・戦争中、中国に対して加害国だった日本人が描くマンガ

・そのマンガの、人体実験を行っていた敵キャラ・ドクターの名前が「丸太」

・マルタは731部隊の人体実験の被験者の蔑称である

こういうつながりから、今回のドクターの名前が丸太であったことは、海外では関連性が非常に高いとみなされてしまったようです。

これは、分かりやすい例として紹介されていたのですが、

アメリカの大人気マンガの、核兵器を武器に戦う敵キャラの名前が「ヒロシマ」

こんな設定だったらどう思うか?という例えです。

もし実際に原爆の被害に遭われた方が知ったら、傷ついてしまうことは想像に難くありません。

ドクターとツバサくんにまつわるゾッとする話

少し余談になります。

このツイートが少し気になりました。

原作7巻で、保須市でデク、飯田、轟らがステインと戦うシーンで、逃げてきた飛行タイプの脳無が空からやってくるシーンがあります。

この脳無はデクを足でつかんで攫おうとしていました。

何故デクをピンポイントで狙ったのか?

ひょっとするとこの翼を持つ脳無はあのツバサくんでは?

ということは、ドクターは自分の孫を人体実験して脳無にしたのか?

と考えると本当にゾッとしますよね。

しかも、ツバサくんはキャラブックでは「同じ中学には進まなかったようだ…」と意味深なことが書かれています。

7巻のおまけページでは、作者による「それとないヒント的なやつのコーナー」として

THE・翼の脳無があの集団から緑谷出久を選び掴んだのは何故だ!?

と謎掛けをしています。

そして小学校時代の大きな羽の生えたツバサくんの絵が添えられています。

これってもう答えじゃんか!

自分の孫まで研究材料にしてしまうなんて。恐るべしドクター。

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今回の「丸太」騒動のまとめ

日本では丸太といえば木材しか思い浮かびません。こういうやつ。

だから、丸太という普通名詞として使用されている単語をキャラクターの人名に使っただけのような気もします。

よっぽど歴史に詳しい人ならともかく、今の時代に「丸太」と聞いて隠語だと思う人は少ないでしょうね。

本来ならジャンプ編集部が気づいて対応すべきだったところですが、編集部も若い人が多いし、気づく人もいなかったのかな。

堀越先生もきっとそんな意図はなかったと思うので、これにくじけず頑張ってほしいですね。

実際、批判的なツイートは海外からのものが多く、日本人のツイートは応援するものがほとんどでしたから。

しかし、こうなるとこれから日本のマンガで「丸太」は禁句になってしまうんでしょうか。

いわゆる自主規制ってやつで。

そして、自分の名前が「丸太」だった人はこのニュースを聞いてさぞかしびっくりしてるでしょうね。

追記1

2月7日(金)に、再び少年ジャンプ編集部、および作者の堀越先生からコメントが発表されました。

この中で堀越先生のコメントが少し興味深い。以下はコメントから抜粋。

(1)「志賀」は彼がかつてオール・フォー・ワンに心酔し、自らその存在に近づきたいと思ったことから、その本名「死柄木(しがらき)」の一部をとって「志賀」と名乗ることにしたもの。

(2)「丸太」は「丸々と太った」感じを表せればと名付けたもの。

コメントの(1)を見ると、ドクター自らがオール・フォー・ワンに心酔して、その名字の一部を名乗ることにした、という意味に受け取れます。いわば作品の中の設定ですね。

しかし(2)を見ると堀越先生がキャラ名を考えるときに体型からヒントを得て「丸太」と先生自らが名付けたとあります。

つまり「志賀」はドクター自らが名付け、「丸太」は堀越先生が名付けた、ということになります。

まとめると

・「志賀」はドクターの本名ではなく偽名である
・「丸太」はおそらく本当の名前かもしれない
・ドクターの本当の名字はまだ明かされない

ということになります。ここまで含みを持たせていることは、物語上、重要な部分に関わってくるのかもしれません。

単行本収録では「丸太」は別の名前になるのでしょうが、「志賀」は死柄木から名付けられたこともあり、ここは変わらないでしょうね。

追記2

2月10日(月)にジャンプ+から志賀丸太の変更後の名前が発表されました。

引用:ジャンプ+より

これによると志賀丸太の新しい名前は「柄木球大(がらききゅうだい)」です。

名字の「柄木」はオール・フォー・ワンの名字「死柄木」から取ったもので、名前の「球大」は「丸太」の「丸→九→球」「太→大」という感じで名付けたのでしょうね。

いずれも、当初の名付け方法から外れておらず、名字はオール・フォー・ワンから取り、名前は見た目の丸々太った体型から来ているようです。

すでに電子版の少年ジャンプは変更済み、単行本収録でも変更されるようですね。

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