窮地にある日産が、中国の自動車メーカー東風汽車に出資要請をし、最終的には買収されるのではとの噂が出ています。
コロナ禍からいち早く立ち直った中国企業の外国企業買収攻勢がいよいよ始まったかと懸念されています。
その読み方から始めて、東風汽車とはどのような会社で、日産との関係、なぜ出資要請したかについてまとめていきます。
東風汽車の読み方は?どんな会社?
東風汽車の読み方やどんな会社かを見てゆきましょう。
東風汽車と呼ばれる会社には、東風汽車集団有限公司(以下東風汽車DFGと表記)と東風汽車有限公司(以下東風汽車DFLと表記)と2つあります。
東風汽車(DFG)は、上海汽車、第一汽車と並ぶ中国の三大国有自動車メーカーのうちの一つの中国の国有企業です。
中国進出を図る日産が東風汽車(DFG)との間で、2003年に出資比率を日産(中国)投資有限公司と東風汽車(DFG) それぞれ50%として、設立した合弁会社が東風汽車(DFL)です。
なお、中国語で、汽車は列車ではなく、自動車を意味し、公司は会社を意味します。
東風汽車は、英語では、Dongfeng Motorであり、ピンイン(中国の発音記号に相当)ではDōngfēng Qìchēと表記され、敢えて日本語読みにするとトンフェン チチュアとなります。
日産の内田誠現CEOは、2018年 – 2019年東風汽車(DFL)のトップである総裁を務め、就任した時点で月間8万6000台だった日産の中国販売台数を、10万台を超えるまでに成長させた実績があります。
東風汽車が日産買収の噂!?
日産の2020年3月実績で、グローバル販売、42.6%減の31万5194台と、従来からの経営の混乱、不振にコロナショックも加わり、窮地に追い込まれています。
この窮地を救う一手として、某経済誌に、報じられたのが、内田誠CEOが東風汽車(DFG)に出資要請をしたとの記事で、このままでは日産が中国の東風汽車(DFG)に買収される可能性が出てきたとの噂がたっています。
先に見てきたように、内田誠CEOは、東風汽車(DFG)との長い付き合いがあり、人脈もあるでしょうから、3社連合のルノーや三菱自動車が日産同様苦境にあり頼れない中で、次の一手というと、東風汽車(DFG)を頼るというのはあり得る話と思われます。
なお、ルノーは今年4月14日に、東風汽車(DFG)との合弁会社「東風ルノー」の持ち株をルノーが東風汽車(DFG)に売却し、合弁会社から手を引きました。
今回のことを、「コロナからいち早く回復した中国の国有ファンドや企業が他国の基幹産業に買収攻勢を掛けて来る」と心配していた事例が早速現実になったと指摘されています。
日本の基幹産業である自動車産業が、中国資本や会社により、買収されるという訳です。
確かに、コロナショックから立ち直れない日本の企業が、おたおたしているうちに、コロナを収束させた中国企業から買収攻勢を受けるというのは日本産業、日本自体の危機につながります。
やっぱり製造業は自動車からですね。国内じゃなくても明るいニュースは良いものです。中国自動車販売、4月は約2年ぶりにプラス成長 コロナ制限緩和で(ロイター) – Yahoo!ニュース: https://t.co/37G95q8DOn
— すみだらしさ@営業マン (@sumidarashi) May 11, 2020
東風汽車に関するネットの反応
- 内田誠社長が東風汽車に出資要請をしたのかー。こういう選択をする日本人経営者がいるのは頭が痛くなりますねー
- 豪州のみならず、いよいよ日本にまで触手を伸ばしてきた。日本政府が甘い対応をしたならば、取り返しがつかなくなる。政府レベルでホンダとの資本提携を模索すべき
- 東風汽車の日産買収の可能性が本当ならば、日産を一時的に国営企業にするのもありだと思う
- ルノーはまだネームバリューのある会社だったから良かったが東風汽車なんて会社の傘下になったら日産を買う人は相当減るだろうな。
- 東風汽車は中国国内2位のシェアを誇ってるから買収の恐怖以外に悪いことがない…日産社内では賛成の声が上がってるのでは…
出典:ヤフコメ
まとめ
- 東風汽車(DFG)は、中国の三大国有自動車メーカーの一つで、読み方はトンフェン チチュアである
- 日産は東風汽車(DFG)と合弁会社東風汽車(DFL)を作り、このトップを今回東風汽車(DFG)に出資を要請したとされる内田誠日産CEOが昨年まで務めていた
- コロナ禍に乗じて、経営危機となった日本の基幹企業を中国が買収することを懸念し、何とかせねばと心配する声が多い
ゴーン事件以降、次々と日産に難題が降りかかり、コロナ禍でいよいよ窮地に追い込まれた形です。
もし、日産が買収された場合、台湾企業の鴻海がシャープを1年で黒字化して再生させたようなことが、東風汽車(DFG)にできるのでしょうか?
それとも、電気自動車などの重要技術だけを抜き取られて終わることになるのでしょうか?
企業再生についてこれまでを見ると、国が関与して成功した例をほとんど見つけられません。
それこそ、ゴーン並みの強力なリーダーシップで、大改革をしないとこれから先は見えてこないように思えます。