2021年1月31日(日)に行われる第40回 大阪国際女子マラソン大会で、ペースメーカーとして川内選手を含む複数の男子選手が起用されることになりました。
マラソンのペースメーカーの報酬はどれほどなのでしょう?
また、川内選手がこの役割担うことになった理由についてまとめます。
そもそも川内選手に、マラソンのペースメーカーの経験はあるのでしょうか?
マラソンのペースメーカーの報酬は?
マラソンのペースメーカーの報酬はどれくらいになるのでしょうか?
ペースメーカーの報酬について、はっきり公表されているものは少ないですが、公表されている報酬は以下です。
サミー・タンギ(当時30歳、ケニア)は、オリンピックの800メートルチャンピオン、デビッド・ルーディシャのペースメーカーを務めており、ペース設定のために1レースあたり最大$ 2000〜 $ 3000(20万~30万円)を稼いでいると言っています(2015年Courier Mail紙)。
ルディシャと一緒にダイヤモンドリーグに参加し、アディダスとのスポンサー契約も結んでいました。
ペースメーカーも、パートナーの選手と同じ豪華なホテルに泊まることができ、メルボルンのホテルでは、タンギが床のマットレスの上にいる間、ルディシャは大きなキングサイズのベッドで寝ていたそうです。
数分の仕事でこれだけ稼げるのですから、マラソンのように数か月準備して、本番でも少なくとも60分以上かかる仕事はより高額だと推測できます。
マラソンのペースメーカーの役割
日本ではマラソンのペースメーカーは2003年の12月から公認されました。
・レース途中まで正確なラップ(1kmあたり〇分〇秒など)で走って、集団が牽引されることで好記録を出しやすい環境を作り出す。
選手は時計をいちいち確認しなくても済み、レースに専念できる。
例えば、2019年12月1日に行われた福岡国際マラソンでのペースメーカーの役割は、日本記録を上回る1km58~59秒ペースで走ることが課せられていました。
・走る距離は、多くが30kmまで。
・数人のペースメーカーが先頭を走ることで、風よけの役割を果たす。
また、国際大会などでは、レースで世界最高記録などが出れば「高速コース」として認知され、記録狙いの選手が世界中から集結し、大会の価値が上がり、一般ランナーの出場希望者も大幅に増え、経営的観点から言っても重要となる。。
マラソンのペースメーカーの報酬
いくつかの情報を集めてみますと、
・大きな大会であれば100万〜300万円
・一つのレースにつき報酬は、100~300万円ほど
・走る人の実力に応じて、50万円~200万円ともいわれてる
・大きな国際大会では300万円以上もの報酬がある場合もあるそうです
・1kmごと1万円など(中国)からすると、30kmであれば、30万円となります。
なお、2019年には、初めての試みとして、「大阪国際女子マラソン ラップチャレンジ」という企画があり、8位までの入賞者を対象に、30~35キロのラップタイムの最速選手に賞金50万円、さらにこのラップタイムで大会最高を出すともう50万円の、計100万円が贈られるというものでした。
東京マラソンでは1000万円以上、だが大阪国際女子の優勝賞金ははっきりしません。
ただし2020年優勝の松田瑞生には、日本実業団陸上競技連合から奨励金1000万円が贈呈されました。
以上からしますと、大阪国際女子のような大きな大会で、人気のあるプロの川内選手がペースメーカーとして出場するとなると、300万円近くの報酬は出るのではと推察されます。
川内選手が大阪国際女子でペースメーカーをする理由
まず主催者が川内選手にペースメーカーを依頼した理由を挙げてゆきましょう。
主催者が招聘した理由
・2005年のベルリンで野口みずきが樹立したマラソン女子の日本記録2時間19分12秒の更新を狙う。
招待選手として出場する東京五輪マラソン代表の一山麻緒(23)=ワコール(自己ベスト2時間20分29秒)、同じく前田穂南(24)=天満屋=(自己ベスト2時間23分48秒)の奮起に期待する。
ここに、豊富な国際レースの経験を持つペースメーカーとしての川内選手に期待している。
・男子ペースメーカーを採用
コロナ禍で女子の海外招待選手が一人も来られないため、良い記録を出すには女子ペースメーカーだけでは前に出にくい
・話題性を高め、大阪国際女子に注目を集める
公務員ランナー当時からの川内優輝の人気や、女子大会で、日本で初の男子ペースメーカーの採用で、東京オリンピック延期で代表選考などの話題が乏しい大会を盛り上げたい。
#防府読売マラソン は2時間10分26秒で2位でした。
10年連続10回目の招待選手で10回目の入賞(優勝4回、準優勝4回、3位1回、7位1回)でした。
またサブ20の100回も達成しました。
様々な対策をして、難しい状況の中で大会を開催して下さった防府市・山口県のみなさん、本当にありがとうございました! pic.twitter.com/FqppE3tEkd
— 川内 優輝 Yuki Kawauchi (@kawauchi2019) December 20, 2020
川内選手が受けた理由
川内選手が大阪国際女子でペースメーカーを引き受けた理由
・女子の日本記録更新に寄与したい
・プロとして収入を得る
2000年はコロナ禍で、多くの大会が開催されず、プロランナーとして、働く場が少なくなりました。
先に述べたサミー・タンギがプロのペースランナーとなったのは、出場者だと賞金が得られない可能性があるのに対し、ペースランナーは確実に報酬が手に入るという点が動機のひとつでもあったそうです。
プロ転向前後の川内選手の稼いだ賞金の額は次のようになっています。
2018年 万金石マラソン(台湾)優勝(1万ドル(約107万円)
ボストンマラソン 15万ドル(約1605万円)
他に、2勝しているが、賞金額は不明。
2019年 春、公務員ランナーからプロ転向
2019年5月 バンクーバーマラソン 優勝 2000ドル(約21万円)
ニューカレドニアマラソン、静岡マラソンなどで優勝しているが、賞金額は不明。
2000年 びわ湖毎日、福岡国際マラソンなど3レース出場しているが優勝はなし。
あいおいニッセイ同和損害保険に所属しているものの、プロとして結果を出さないと十分な収入にはつながらないでしょう。
注目を浴びるのは非常に大切なことです。
・ペースメーカーとして経験がある?
2012年「かすみがうらマラソン」で川内優輝選手がペースメーカーながら優勝したと話題になりました。
2012年4月15日 (日)に、 茨城県 (土浦市)で行われた「かすみがうらマラソン」で、2:22:37のタイムで2位以下を2分以上引き離して、優勝しました。
実は、公式のペースメーカーではなく、弟に12月の福岡国際の参加A標準記録(2時間27分以内)を突破させるため、1キロ3分25秒ペースの2時間25分を設定し、走っていました。
ところが、弟は23キロ付近で振り落とされ、その後、川内選手は前を走る米国人選手を追いかけ、それ以降は16分48秒、16分48秒、16分10秒と驚異的なペースアップで、走り終え、結果として優勝してしまったそうです。
女子のトップがあまり遅いとまさかとは思いますが、置いてゆかれることになりかねません。
なお、公式のペースメーカーが優勝したことはこれまで何度かあり、禁止されているわけではありません。
例えば、2011年、ペースメーカーのベンキモンディウがポールテルガトを追い抜いてシカゴマラソンで優勝したことがあります。
川内選手が大阪国際女子でペースメーカー!ネットの反応
- プロランナーとしては、いい30Km走の練習にもなりますし。それなりのサラリーも貰えるのでしょうね。
- ベルリンマラソンやボストンマラソンは男女同時スタートなので、普通に男性ランナーがペースメーカーとして伴走していますので、問題なかったと思います。是非、川内さん等のペースメーカーの助力を得て、2時間20分を切る好記録が誕生する事を願っております。
- 話題づくりの側面からもなかなかの妙案。川内選手にそれだけの価値があると言うこと。そうした意味においても、流石「プロ」。
- ベルリンマラソン(男女混合)で高橋尚子さんが当時の世界記録を更新した時も男子選手がペースメーカーをしていましたね。
- これは面白い試みですね。経験が豊富な川内君ならうまくアシストしてくれるでしょう。
出典:ヤフコメ
まとめ
- マラソンのペースメーカーの報酬は大きな大会なら100~300万円ほどと推察される
- 川内選手がペースメーカーを担うことになった理由には、大会主催者側、川内選手としてそれぞれ3つの理由がある
- ま川内選手の参加で、マラソン女子日本記録更新への期待とともに、開催者の初の決断に拍手を送る声も多い
コロナ禍で、ようやく最近開催されるようになったマラソン大会ですが、女子マラソン大会への川内選手のペースメーカーとしての招聘は、東京オリンピックの延期で代表選考レースが終わってしまったマラソン界にとって面白い試みだと思います。
川内選手には、途中でむきになって爆走しないようにお願いしたいところです。
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