レオパレスにいったい何があったのか?今に至るまでを掘り下げてみる

 
レオパレスが11月13日に4月から9月の連結決算を出したね。
 
175億円の赤字だってね。レオパレスは色々と問題が取り上げられてたから入居率が厳しいみたい。

賃貸アパート大手のレオパレス21が2020年11月13日発表した2020年9月中間連結決算によると、純損益は175億円の赤字(前年同期は244億円の赤字)でした。

10月時点での入居率は77.46%。
一見そこまで悪くないように見えますが、損益分岐点になる入居率は80%ということなので、それ以下だとレオパレスは損失を出し続けることになります。

ちなみに過去の入居率は以下のようになっています。

2019年4月:92.82%
2019年8月:89.41%
2019年12月:85.26%
2020年4月:82.35%
2020年8月:80.21%

なぜレオパレスの入居率は下がり続けているのか?

今回は、レオパレスにいったい何があったのかについて紹介します。

ガイアの夜明けによる報道

レオパレス問題については、テレビ東京の番組「ガイアの夜明け」で、度々報道がされています。

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【サブリース問題】

2017年12月、ガイアの夜明けはスクープ第1弾として、レオパレスのサブリースをめぐる契約トラブルの実態を放送しています。

「30年間、安定的に家賃を保証」などのうたい文句で、賃貸アパートの個人オーナーや相続税対策を考えている人などとサブリース契約を交わし、次々とアパートを乱立させます。
その結果、入居率が下がって儲けがでなくなった物件に対して「家賃収入の減額」や「契約の解除」を言い渡す。

この一方的な契約変更は「終了プロジェクト」という名称で、10年未満の契約は家賃減額交渉をし、10年以上の契約は契約解除を強気で交渉しろという指示が組織的に行なわれていたことも明らかになりました。

【界壁の施工不良】

2018年5月には、界壁の施工不良問題を放送しています。
レオパレス物件の天井裏にカメラを入れ、遮音や延焼を防ぐための「界壁」が設置されていなかったことが明るみになりました。

ネットで都市伝説的に話題になるレオパレスの壁が薄い問題ですが、実際に設置しなくてはいけない界壁が設置されていない物件もあり、騒音や耐火性に大きな問題がある状態だったということになります。

界壁がないと建築基準を満たさない違法建築となります
これをガイアの夜明けに報道されると知ったレオパレスは緊急会見を開くことになります。

建築基準法違反の疑いとその施工管理責任について認め、レオパレスが界壁問題を調査すると発表されました。

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【不良物件の調査・補修工事はされていない】

2019年2月に放送された内容では、前回記者会見で、不良物件の調査や補修工事を行うと発表したものの、まったく進んでいない現状が明るみにされました。

レオパレスは全棟調査の実施を約束していたが、調査すらされずに数か月放置をされている物件もあり、調査を依頼して界壁の不備が発覚したとしても、レオパレス本社による社内判定で問題なしと判断されるなど、まったく対応する様子がありませんでした。

番組放送後に社長が会見を開き、本件について謝罪。
33都府県の1324棟で施工不良が見つかったこと、1万4443人の入居者に転居を求めることを発表しました。

株価は2006年をピークを迎え、その後右肩下がり

このように、ここ数年で様々な問題が浮き彫りになったレオパレスですが、株価は大分昔から下降トレンドを形成しています。

物件のオーナーもそうですが、レオパレスを信じて長年持ち続けている株主も大損していることでしょう。

物件を探したことのある人ならわかると思いますが、レオパレスって家賃は高いですし、設備は微妙ですし、個人的にはあまり住みたいとは思えないです。

短期で住みたいとか、会社の社宅になってるなど、特別な理由がないと住む家としては候補に入らないと思います。

違法建築って何?建物を建てる時に満たすべき基準には何があるか?

かつてレオパレスが、設置しなければいけない「界壁」を設置していなかったことがわかり、違法建築であることが明るみに出ました。

ところで、違法建築ってどのようなものでしょうか
また違法建築にならないための条件には、どのようなものがあるのかを解説します。

違法建築とは

建物を建てるときは、建築基準法や自治体の定める基準に適合した建物であるかを行政に確認してもらう必要があります。

しかしその確認をせずに建てた建物や、確認をしてもらったにもかかわらず別の違て方をした場合、また、確認をしてもらった適正な建物であっても増改築をするときに確認を取らなかった場合も違法建築をみなされます。

違法建築になる主な理由

違法建築になる主な理由は下記のとおりです。

  • 行政確認後の変更
  • 確認後に法が改正された場合
  • 個人でDIYを行った場合

行政確認後の変更

昭和から平成の時代によく見られた事例ですが、行政に許可を得てはいても、その後コストや人員の軽減を図るために設計を大きく変更するというものです。

行政は確認をしてOKを出しているので違法建築だとは気づきにくく、災害が起きてから発覚するというケースです。

確認後に法が改正された場合

行政の確認を得た後に、法が規制される場合によくあります。確認を得て建物を建ててから、建築基準法が改正された場合、本来なら新しい法律に合わせてリフォームをしなければいけないのですが、そのままにしてあるというケースです。

個人の家の場合、法が改正されたからと言ってそこに住んでいる人が、自分の家も該当するから改築しなければいけない、と思う人はほとんどいません。

災害が起きて住宅が損傷した時や、家を売る時にわかることが多いです。家を売るときに新しい建築基準法を満たしていないと売値がつかないので、改善をする必要が出てくるのです。

個人でDIYを行った場合

DIYで家を増築した場合やデッキなどの設備をつける場合、その大きさや広さによっては行政に届け出る必要があるのです。

例えば、10㎡以上の増築工事をするときや、「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」である準防火地域や防火地域に増設をする場合は、申請が必要です。
また建物の密集地域や線路沿いなど、各自治体が許可を必要とするエリアを定めていることもあります。

これらのことを知らないで、個人で増築をした場合は、違法建築に該当してしまうのです。

建築基準法を満たす主な基準

建築基準法では満たさなければいけない条件があります。その主なものをあげてみます。

《市街地の環境を悪くしないための集団規律》

  • 敷地と道路に関する基準
  • 建蔽率
  • 容積率

《建物自体の基準を定める単体規律⦆

  • 建築物単体の安全性
  • 耐震性

敷地と道路に関する基準

建築物を建てるときは「道路斜線」の範囲内で建てなければいけません。
「道路斜線」とは、建てようとする建物の前にある反対の境界線から一定の勾配(1.25または1.15)で引かれた線のことです。道路斜線の範囲内で建てることを「道路斜線制限」と言います。
その範囲内で建物を建てれば、道路の採光や通風などに支障をきたすことがありません。

また「北側斜線制限」という決まりもあります。北側に隣接する敷地に日が当たらなくなるということを避けるために設けられた決まりで、「高さと建てる位置を制限」するものです。
自分の家の南側を広く開けて北側に詰めて家を建てれば、北側の敷地はますます日が当たらなくなります。そのようなことを回避するための制限です。

建蔽率

建ぺい率とは、敷地の面積に対する建物面積の割合のことです。建ぺい率が大きいほど大きい面積の建物を建てられます。建ぺい率は、「建物面積÷敷地面積」で求めることができます。

建ぺい率を定める理由は、採光や通風・延焼を防ぐために敷地内に適切な空き地を確保するためです。

そのため、建ぺい率をするのは都市計画区域や準都市計画区域で、地方の方で隣の家と隣接しているわけではなく空き土地が多くあるような場合は、建ぺい率を指定していないところも多いです。

容積率

建ぺい率は敷地に対する建物の面積の割合ですが、容積率というのは敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のことです。

2階建てなら1階と2階の総面積、3階建てなら1階から3階までの総面積です。

容積率を定める理由は、収容人数を規制するためです。収容人数を規制することで、道路や公園、上下水道などの整備が効率的にできるようになります。

容積率の基準は、地域別で決められるものと前面道路の広さで決められるものがあり、両方を比較して小さい方が採択されます。

建物単体の安全性

建物自体の安全性を確認するために、建築確認をしなければいけないという決まりです。
法令で決められたとおりの建築計画であるか、工事の着手前に確認されます。

着手前だけでなく特定の工程が終わった後に行われる中間検査や、工事終了後の完了検査もあります。

検査で違法がわかったときは、いったん工事を中断して違反をただすための措置がとられます。

建物の安全性、建築工事に違法や手抜きがないように建築士を工事監理者として配置することも定められています。

完了検査に通過すると「検査済み証」が発行されます。

耐震性

建物は、梁や柱の強度を強くして地震の揺れに耐えられるように「耐震構造」が施される必要があります。

昭和56年(1981年)6月1日以降に定められた基準が「新耐震基準」で、それ以前の旧基準に合っただけの建物は、新耐震基準に合った建物に改善しなければいけません。

違法建築でないか見分ける方法

違法建築かどうかを調べるには、行政が発行をする「建築確認証」や「検査済み証」を確認します。

無い場合は、役所で「建築確認台帳記載事項証明」を発行してもらうことができます。

「建築確認書」と「検査済み証」の日付が確認できれば、承認を受けている建物だと証明できます。

ただ確認の証明書が発行された後に、工事内容を変更する場合もあります。その場合は図面と現状を照らし合わせるなどして調べることになります。

自分たちが快適に住める家にするには、周囲にも迷惑をかけず、家その物の安全性も確保されていないといけません。
高額な費用を払って購入した家や毎月家賃を支払って住んでいる家が、違法建築の対象物件だとわかれば安心して住むことができず、また高額な費用を払ってリフォームをすることになります。

そうならないように建築関係者だけでなく、購入者や大家さんも建築基準法の基準を知っておくことが大切ですね。

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