現在、ロナウドといえば殆どの人がポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドを挙げるかもしれないが、僕らオッサン世代にとってのロナウドはブラジルのフェノーメノ(怪物)であるロナウドだ。
パワフルなドリブルと一瞬で相手を抜き去るスピードとテクニック。キーパーをもドリブルで抜き去り、ゴールへのシュートはインサイドでチョコンと流し込む様はため息しか出ないような美しいプレーだった。まるで遅れて登場するなりレディーの心を惑わせる合コンの時のセミダブル美闘のようなプレーだ。ため息しか出ない。なんも言えねぇ。
また、ウイニングイレブンをこよなく愛していた僕らは、ロナウドを扱えば一人で点が取れてしまう当時のゲームバランスに驚愕を覚えていたものだ。ほぼチートだった。
そんなロナウド氏がイングランドサッカー協会公式のYouTubeチャンネル「FATV」にて歴代のベストイレブンを選出して話題になっている。
折角なので、そのベストイレブンのメンバーと戦術。さらに、実際に試合をした場合の問題点と改善点を考察していきたいと思う。
メンバー
実際にどんなメンバーなのか、記事の順に見ていこう。
守備陣は盤石だ。GKは38歳にして衰え知らずのブッフォン。DFラインは両サイドバックにロベルト・カルロス、カフーというブラジル代表時代の盟友を置き、中央に元ACミランの“バンディエラ”パオロ・マルディーニ、欧州最優秀選手にも選出されたファビオ・カンナバーロというイタリア代表が誇る伝説のDFを選んでいた。
ブッフォンに関してはロナウド氏と同世代なのに未だ現役という驚愕の事実。どんな身体作りをしているのか不思議でならない。
両サイドバックはブラジルの盟友であるロベカル、カフー。
センターバック二人はマルディーニ、カンナバーロの2人。もう名前だけで震える。濡れて震える。
中盤も豪華絢爛だ。右の攻撃的MFにはアルゼンチン代表の英雄ディエゴ・マラドーナが入り、ダブルボランチはレアル・マドリード監督を務めるジネディーヌ・ジダンとピルロが並び、左の攻撃的MFはメッシが収まった。アルゼンチンの新旧天才が中盤の左右に配置されている。
もう夢物語のさらにその向こう側って感じの選出だが、両サイドでマラドーナとメッシの競演。現在「おまえ誰やねん」状態の髪型とヒゲではあるが、メッシはやはり入れざるを得ないだろう。天才ドリブラーが両サイドから何をしてくれるのか、ボールを持ったところを想像するだけで興奮できる。
そしてダブルボランチにジダンとピルロの天才が並ぶ。ボール供給とボールキープ力の怪物が並んでいると守備陣はどんな気分になるのだろうか、笑。
そして2トップは、ワールドカップ優勝3回のサッカーの王様ことペレ、そして「自分も選んでいいの? では自分を」と、世界を席巻した怪物ストライカーを選出している。
やはりここではペレとロナウドという凄まじい二人が並びましたね。さらにブラジルコンビであるところに母国愛も感じるところ。
化物クラスのプレーヤーしかいないが、以上の選手を文字でまとめるとこんな感じ。
GK ジャンルイジ・ブッフォン
SB ロベルト・カルロス
CB パオロ・マルディーニ
CB ファビオ・カンナバーロ
SB カフー
SMF リオネル・メッシ
CMF ジネディーヌ・ジダン
CMF アンドレア・ピルロ
SMF ディエゴ・マラドーナ
FW ロナウド
FW ペレ
メンバーを見ると、当時の世界サッカーの勢力図のようなメンバーになっている。体的に言えばブラジルとイタリアのレジェンドがずらり。しっかりとロナウド自身をFWに入れているあたりが流石フォワードとしてのプライドが伺える、笑
僕らおっさん世代にとってはなんとも豪華絢爛なメンバーだ。いや、ウイニングイレブンじゃねぇんだからとツッコみたくなる気持ちはあるが、ベストイレブンなんて強さよりも華やかさが重視されていた方が面白味があるので、こんなメンバーのフットボールをぜひ見たいものだ。
戦術
では実際にこのメンバーで試合をした場合、 どのようなサッカーになるのだろうか?
FW
前線の2トップのペレ、ロナウドはどちらも鮮やかなドリブルを得意としていたプレーヤーだが、現実では年齢と共にポジションを下げてきたペレの方がセカンドトップに近い位置で攻撃的なゲームメーカーの役割をこなすのではないだろうか。試合の中でロナウドと縦の関係になり、タメを作ることでサイドのマラドーナ、メッシの追い越しを待ち、ペレを高い位置のトップ下扱いで3トップを形成するような戦術が出来れば魅力的な攻撃が展開出来そうだ。
MF
両サイドのミッドフィルダーのメッシ、マラドーナは縦に仕掛けることも、カットインして中にも抜けていくことも出来るので、彼らの縦と中盤のスペースは敢えて空けておくことでプレーの選択肢が広がるので、両者ともやや内側寄りのポジショニングをするのではないだろうか。
また、CMFのジダン、ピルロに関しては低い位置でボールを扱っている分にはボールロストの危険性も少ないので、守備力を考えると前線と分断されることになってもポジショニングはやや低めからのゲームメイクに徹することが予想される。もちろん状況によってはジダンが前へ出て縦の関係性になるようなリスクも背負うべきだ。
DF・GK
センターバックの2人、マルディーニとカンナバーロ、ゴールキーパーのブッフォンに関しては何も話すことはなく、多くの人がイタリアの伝説的選手を挙げる事だろう。皆、イタリア代表でキャプテンマークを巻いており、カテナチオの中核を担ってきたレジェンドだ。(人によってはここにネスタを入れたい人も多いことだろう。笑)
サイドバックに関してはロベカルが攻撃的にワイドに開いてオーバーラップをする分、逆サイドのカフーがバランスを見てやや内に絞ってスペースを消すようなプレーを選択するとバランスが保てそうな気がする。てかDFめっちゃ大変そう。まぁベストイレブンなんて大体そうだけど、笑。
ジダンが上がって、メッシ・マラドーナが少し内に絞るとこんな感じになる。おう、めっさ攻撃的、笑。カウンターなんて受けないぜ!点を取りきるぜ!という意志の力を感じるメンバーと布陣といっていいだろう。
問題点と改善点
問題は守備力とカウンター対策になってくるだろう。
特にダブルボランチの2人。ジダンとピルロの攻撃面に関してはこれほど魅力的な選手たちはいないだろうが、守備面から考えるとこの二人が並ぶ中盤はハッキリ言って恐ろしい。
2人のうち片方は、ロナウド氏の年代で言えばマケレレ、ガットゥーゾ等の運動量と献身性、ボール奪取能力の高い選手を選びたいところだ。もしくは2人共をCMFタイプの選手セードルフ、ダーヴィッツ等の運動量と攻守のバランス能力の高い選手にすることで怪物的な前線の選手との橋渡しをしたいと考えてしまう。
運動量でカバーできれば、攻撃的なサイドバックのオーバーラップに対するカウンター対策もうまくバランスがとれるだろう。
なんか安定しそう。こっちの方が強いんじゃね!
・・・といっても、このメンバー、フォーメーションだって絶対ではないんですよね。読み手によっては賛否があると思います。賛否があるからフットボールは面白い。正解がわからないから魅力的。
これからも、誰かがベストイレブンを発表したら考えていじって楽しみたいところです。ベストイレブンロナウド篇はここまで。