WHOとは?何をメインにやっているかわからないから解説する

新型コロナウイルスの感染拡大のニュースを見ていると度々出てくる「WHO」。

このWHOが一体どんな組織なのがご存じでしょうか?

名前は聞いたことがあるけど、「健康分野の国連機関」ぐらいの認識の方が多いのではないでしょうか。

今回は、WHOとは何なのか?何をしているのかを紹介します。

WHOとは?

WHOは英語で「World Health Organization」の略で日本語では「世界保健機関」と呼ばれます。
(フランズ語では「Organisation mondiale de la santé」の略でOMSと呼ばれる)

「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関です。

WHOは人々の「健康」を守り、害するものから防ぐ唯一かつ核心をなす国際衛生機関と言えます。

WHOが定める「健康」とは「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」。
つまりコロナ等の感染症対策はもちろんのこと、精神的な病や生活環境にまで対応しています。

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WHOはいつできたのか?

Wikipediaより参照

WHOは1948年4月7日に設立されました。
設立日である4月7日は世界保健デーとなっています。

WHOのシンボルマークは、世界地図をオリーブの葉が取り巻く国際連合旗の中心に、医療の象徴であるアスクレピオスの杖(蛇の巻き付いた杖)をあしらったもの。

設立以来全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っています。
現在の加盟国は194カ国であり(※1)、日本も、1951年5月に加盟しています。

※1 2020年3月現在の加盟国

WHOは何をしている所なのか?

WHOは、国連システムの中にあって保健について指示を与え、調整する機関です。

グローバルな保健問題についてリーダーシップを発揮し、健康に関する研究課題を作成し、規範や基準を設定します。
また、証拠に基づく政策選択肢を明確にし、加盟国へ技術的支援を行い、健康志向を監視、評価しています。

WHOの活動分野は、以下のようなものがあげられます。

  • 国際保健事業の指導的かつ調整機関としての活動
  • 保健事業の強化についての世界各国への技術協力
  • 感染症及びそのたの疾病の撲滅事業の推進
  • 医学情報の総合調整
  • 保健分野における研究の促進・指導
  • 生物学的製剤及び類似の医薬品、食品に関する国際的基準の発展・向上
  • 健康関連SDGs目標に到達するために各国を支援

代表的な取り組みが国際疾病分類(ICD)の作成です。
あらゆる病気とけがの分類と死因など約1万4000項目がまとめられていて多くの国が参照し、日本だと医療保険の支払いなどの基準にもなっています。

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TVでよく見るあの人は誰なのか

Wikipediaより参照

TVでよく見かけるこの方は、WHOの事務局長です。
エチオピア政府で2005年から2012年にかけて保健大臣を務め、2012年から2016年にかけて外務大臣を務めています。
2017年7月1日にWHO事務局長に就任し、任期は2022年6月30日までとなっています(5年間)

名前:テドロス・アダノム
生年月日:1965年3月3日
出身:エチオピア

国際連合のことを知ろう!設立の理由や活動内容を解説します!

「国連」とは国際連合のことですが、国連はどのような目的で作られ、どのようなことをしている機関なのはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで国際連合とはどのようなものか、解説します。

国際連合の前にあった国際連盟

国際連合が誕生する前に「国際連盟」という組織がありました。
1929年1月1日に、第一次戦争が終わった後の世界平和と国際協力を目的に設立された組織です。

もともと提案をしたのは当時のアメリカ大統領でしたが、そのころアメリカは「ヨーロッパ諸国の紛争には干渉しない」「現存するヨーロッパの植民地は承認するが、新たに南北アメリカに植民地にすることは望まない」ことを唱えるモンロー主義の時代だったので、議会の反対もありアメリカは国際連盟には参加していません。
しかし提唱者のアメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンは、のちにノーベル平和賞を受賞しています。

国際連盟の主な目的は、戦争を防ぎ国際紛争も交渉と仲裁によって解決することでした。また労働条件や先住民との差別、人身売買や薬物の取り締まりなどの規約もありました。

連盟は独自で軍隊を持たず、第一次世界大戦で勝った国(イギリス・イタリア・フランス・日本など)を中心とする42か国の加盟から始まりましたが、ドイツやソ連なども加わり59か国の加盟国を有していました。

当時の日本は第一次世界大戦でそれほど被害を被ることなく、戦後の経済が良くなっていた時で国力が強くなってきていました。そこでイギリスやフランスと共に「常任理事国」に選ばれ、人種差別撤廃を提案したりオーランド諸国問題を解決したりして連盟を運営しました。

しかし、1931年9月18日の夜に中国の柳条湖付近にあった日本所有の南満州鉄度が爆破されたことで、大日本帝国陸軍のひとつ「関東軍」が中国軍の犯行だと発表し、満州一帯を占領する「満州事件」が起きたのです。中国側はそのことを国際連盟に訴えたことで連盟の調査が入りました。
その結果「関東軍の行為は不当で、満州国も認められない」というリットン報告書が作成され、日本は国際連盟を脱退することになりました。

その後日本は孤立したかのようですが、連盟側は「満州国を中国に返還するのではなく、自治政府を設置してはどうか」という提案もなされていました。

しかし日本が脱退した後ドイツやイタリア、ソ連も脱退して、国際連盟は弱体となって何もできない状況となり、そのまま第二次世界大戦へと進んでいくのでした。

第二次世界大戦の勃発で国際連盟が解散と国際連合の誕生

国際連盟は戦争を防ぐことを目的に設立されたのですが、結局第二次世界大戦に至ってしまいました。
第二次世界大戦が終結した後の1945年10月24日に、51か国の加盟国で国際連合を発足したのです。

国際連盟は国際連合が設立された翌年の1946年4月8日に、ジュネーブで最後の総会が行われ解散となりました。
ただ清算はしなければいけません。予備費として費用を出した国にお金を返還してから、当時で2200万米ドル程度の資産が国際連合に引き継がれました。

国際連盟が誕生した時は、アメリカ大統領が提唱したにもかかわらず、アメリカは加盟していませんでした。大国アメリカが加盟していなかったことも、国際連盟を弱体化させる要因のひとつでした。
その反省も踏まえて、国際連合はアメリカ合衆国をはじめとして、イギリスやソ連、中国などが中心となって設立されました。
国際連合の目的は、世界平和と安全保障、それに経済や文化などの国際協力です。本部はアメリカのニューヨーク、マンハッタン島にあり、ジュネーブなど各地にも事務所が置かれています。
2011年7月現在はほとんどの国が加盟していて、その数は193か国です。

国連の主要機関と主な活動

国連の主要機関は6つあります。

  1. 総会・・全加盟国で開催され、すべての問題について討論をします。
  2. 安全保障理事会…世界平和と安全のために設けられています。6つの機関の中で最も権力を持つ最高意思決定機関です。
  3. 経済社会理事会・・経済や社会問題全般に関する議決や勧告を行う機関です。
  4. 信託統治理事会・・財産の管理や処分を行う機関です。
  5. 国際司法裁判所・・国家間の法律的紛争の裁判や、要請に応じて勧告的意見を述べるこ     とができる機関で世界法定ともいわれます。
  6. 事務局・・世界各国にある事務所の中で中心となるのはジュネーブの事務局です。

国際連合の目的は、世界の平和と安全の維持です。そのほとんどの責任を負っているのが「安保理」といわれる安全保障理事会です。

他国の侵略するという罪を犯した国に対しては、国際連合の加盟国が団結して侵略を終わらせるという理念の下で発動を続けてきました。
北大西洋条約機構やワルシャワ条約機構などの地域的な防衛機構は、直接侵略や攻撃を受けていない第三者の国も一緒に防衛するという「集団的自衛権」を行使するという防衛体制が採られました。
また紛争地域に対して、交戦相手を引き離したり治安回復をサポートする平和維持軍を送ったり、停戦のための監視や終戦後の政治組織設立のための監視をするPKOの活動も行われています。

発展途上国において極度の貧困と飢餓をなくし初等教育を受けさせることや環境保全を目的とするミレニアム開発目標を掲げ、持続可能な開発目標を設定し、目標の達成を目指した活動に取り組んでいます。

国際連合の前には国際連盟があり、いずれも世界平和と安全保障を目的とした組織ですが、国際連盟は組織が弱くなって、第二次世界大戦を起こさせるに至りました。

そこで誕生したのが国際連合です。
国際連盟のときには加盟していなかったアメリカが主となり、加盟国と共に戦争をなくすための活動や貧富の差をなくすこと、環境保全など世界平和もために活動をしています。

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