熱波と猛暑・酷暑の違いとは?その定義と地球に住めなくなる日

今年もまもなく半年近くが過ぎようとしています。2020年の日本列島そして地球は、新型コロナウイルスの蔓延に大打撃を受け、人々は今もこの疫病との戦いの最中にあります。

ただ自然の猛威はそれだけではありません。5月頃から夏にかけ、このところ毎年のように各国を悩ませているのが熱波です。世界の科学者は熱波が将来の地球の大きな災禍になるとも警告しています。

この熱波の定義とは?天気予報でよく聞く「猛暑」「酷暑」との違いは何なのでしょうか。〝人類の新たな敵〟熱波の恐怖に迫りました。

最近地震が多いから「コロナとダブルになったらどうしよう…」って心配してるのに…。熱波も来るなんて考えたくないよ!!

熱波と猛暑・酷暑の違いとは?

今年もまた暑い夏の足音がしてきました。「ヒートアイランド現象」の影響もあるのか、ここ数年大都市部の酷暑は年々ひどくなっている気もします。

暑さを示す言葉にはいろいろな種類がありますが、例えば「熱波」「猛暑」「酷暑」の違いとは何なのでしょうか。気象庁の公式Webサイトの用語解説から引用してみます。

【熱 波】

広い範囲に4~5日またはそれ以上にわたって相当に顕著な高温をもたらす現象。「相当に顕著な高温」としては、平年値が最も高い時期において「かなり高い」気温を目安とする。(筆者注:ちなみにWHOの定義では、日中の最高気温が平均最高気温を5°C以上上回る日が、5日間以上連続した場合を指すそうです)

【猛 暑(日)】

1日の最高気温が35度以上の日(筆者注:ちなみに「真夏日」は30℃、「夏日」は25℃以上の日です)

【酷 暑】

厳しい暑さ(筆者注:熱波も酷暑も気象庁の予報では使わず、報道発表や解説資料で用いる言葉だそうです)。

こうして見てみると、気象庁の定義による「暑さ度」では熱波>猛暑>酷暑というイメージ。とりわけ熱波は「その地域の平均的な気温に比べて、著しく高温な気塊が波のように連続して押し寄せてくる現象」(Wikipediaより)だといえ、まさに異常な高温が何日も続く、人命にも危険が大きい「災害」と呼ぶべき現象のようです。

当分「ウィズコロナ」だから、猛暑でもマスクは外せない…。換気も大事だし、今年は熱中症には特に注意しなきゃいけないかもな!
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熱波で地球に住めなくなる?

人類にとって脅威の大自然災害といえる熱波。単なる猛暑、酷暑とは大きな違いがある恐ろしい異常気象です。そして近年は毎年のように世界で熱波被害が報告されています。Wikipediaなどから一部をご紹介しましょう。

■2003年

西欧で500年来の熱波到来。欧州全域で死者52000人以上に。

■2010年

欧州から西ロシアで異常高温、干ばつや森林火災の被害。

■2015年

インドで2000人以上死亡、欧州、豪州、イランなどでも40℃以上の異常高温。

■2016年

インドで51℃の国内気温最高記録を更新。熱波で160人以上の死者。

■2018年

日本列島で7、8月に異常高温。埼玉県熊谷市で7月に日本最高41.1℃、岐阜県でも8月に41℃を記録。

■2019年

フランスで6~7月に熱波被害。秋までに1400人以上が死亡。豪州では秋から翌年にかけかつてない大規模森林火災が発生、野生動物に深刻な被害。

熱波ではここ数年はほぼ毎年大きな被害が出ていますが、このほど国際的研究チームがさらに恐ろしい予測を発表し、ネットでも衝撃が走っています。この発表を報じた米CNNのウェブニュースを引用します。

(国際研究チームがこのほど)米科学アカデミー紀要に発表した予測では、このまま地球温暖化が進行すると熱波など極端な暑さが2070年までに地球表面の19%に拡大し、35億人に影響が及ぶという。南京大学の専門家によると、人口が急増しているアフリカや南米、アジアなどがこの熱波の影響を受け、特にインドとナイジェリアは、過酷な気温の下で暮らす人口が最も多い国になると予想される。

気温が1度上がるごとに10億人が別の場所への移住を余儀なくされる可能性がある。地球の気温は2100年までに3度の上昇が予想される。陸上は海上に比べて温暖化のペースが速いことから、気温は2070年までに約7.5度の上昇が見込まれる。そうした変化は食糧生産や水資源の確保に重大な影響を及ぼし、移住に伴う衝突や紛争を発生させる。

CNN.co.jpより(要約)

何と、異常な熱波のために今30億人以上が住んでいる地球上の場所で、50年後には人が住めなくなるかもしれない、というのです。予想される地域は発展途上国が多いこともあり、毎年おびただしい人が亡くなる恐れがあるほか、こうしたもの凄い人数が他地域に一斉に移住すれば、どんな混乱や紛争が起きるか、確かに想像するのも恐ろしいほどです。

研究チームは同時に「世界の二酸化炭素排出量を迅速かつ大幅に削減すれば、熱波にさらされる人数を半減させることも可能だ」と指摘しているけど、それでも15億人…。地球の未来は本当に厳しいな…

熱波へのネットの反応

  • コロナ禍の経済停止でCO2排出量は減るもののいずれはリバウンドするだろうしな…
  • 住める土地を取り合うと争いを引き起こし、特に熱波の影響を強く受けるインドとパキスタンは最悪の場合核戦争にも発展しかねない
  • 人類が自らの欲求の為に環境を悪化させ、発展させてきた反面では結果人類が住みづらくなるという悪循環
  • 熱波もだが自然災害の規模が今後は半端ないだろう。暑いより先に住居が破壊されてるかもしれない
  • 言いづらい問題ではあるが、ここ数十年で人間は本当に増えすぎた。先進国並みの生活を皆が望むようなら地球はもたないのは明らか

出典:ヤフコメ欄

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まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

  • 熱波は過去最高級の異常気温が続く状態。猛暑、酷暑より恐ろしい災害
  • 近年は毎年のように世界で熱波被害。欧州、アジアなど多数死亡の地域も
  • 50年後に35億人が熱波で住めなくなる予測も。温暖化防止が益々緊急課題に

コロナ禍で隠れてしまった印象もありますが、実は今年2月、世界の環境問題の研究者でつくるネットワーク「フューチャーアース(地球の未来)」も「気候変動や生物多様性の消失、食料と水にまつわる危機が積み重なって文明の崩壊をもたらしかねない」と警告する報告書を発表しました。

同書では「気候変動と異常気象、生物多様性の消失、食料危機と淡水の危機の五つのリスクが今後、世界に大きな影響を与えるだろう」と指摘。既にその兆しがあり、豪州の山林火災や南極では18.3℃という過去最高の気温を記録、アフリカではバッタが大発生し食糧危機を招くなどしています。

疫病に熱波、台風などの異常気象、地震、火山噴火…多くの危機が連鎖的に発生し文明や社会を崩壊させる恐怖に、21世紀の地球人はさらされ続けるのか。人類の英知を結集してそうした惨事を防がねばなりません。

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