毎年、NHK紅白歌合戦の話題が出ると、「もう今年も終わりかあ~」と思えてきますね。
月日が立つのは早いものです。
紅白歌合戦は2022年には73回目を迎える国民的歌番組です。
その紅白歌合戦が、2年ぶりにNHKホールにて有観客で行われるというニュースがありました。
皆さんはNHK紅白歌合戦を見ますか?
テレビ離れをしている昨今は紅白歌合戦を見ないという方も、裏番組を楽しむという方もおられるでしょう。
しかし73回目を迎える長寿番組なのです。日本人なら知っておきたい番組です。
そこで、NHK紅白歌合戦という番組がどのような番組なのか、なぜ2年ぶりにNHKホールで開催することがニュースになったのか、紅白歌合戦の歴史や現状などを調べてみましょう。
日本の大みそかは「紅白歌合戦」
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第1回紅白歌合戦は、1951年(昭和26年)に始まりました。
放送されたのは、年が明けてからで、正月番組としてスタートしています。
そして第1回から第3回まではラジオでの放送です。
記念すべき第1回は1951年1月3日の20時から21時の60分間の番組でした。
サプライズ演出だったので出場予定の歌手や趣向などは一切発表されませんでしたが、女性陣紅組・男性陣白組とも7名ずつの出演で、大好評に終わりました。
1回目が大好評だったので、2回目は90分枠に増やし19時30分から放送しています。
出場予定の松島詩子が交通事故に遭ったため越路吹雪が代役を務め、番組中に松島詩子の状況連絡があるなどのハプニングもあり、それがまた人気を呼んだ回でした。
3回目は、ラジオ放送でもしっかりと熱戦が伝わるように、スポーツアナが実況をし、歌手だけでなく女優達も出演しました。
1回目から3回までのラジオ放送は、「東京放送会館第一スタジオ」で行われました。
NHK紅白歌合戦の歴代の出場歌手&曲目全データがご覧になれます。過去の思い出のステージや、紅白の歴史を振り返る事の出来る…
1953年の正月に第三回紅白歌合戦を開催しましたが、年末にテレビ放送が開始されたため、第4回をテレビで年末(大晦日)に放送することになりました。
それ以降、紅白歌合戦は大晦日に行われることになったのです。
初のテレビ放送だったので、紅組の女性陣はきらびやかな衣装を身に着けて歌いました。
結局紅組が優勝したのですが、男性陣は「衣装に負けた」と悔しがっていたそうです。
会場は「日本劇場」でした。
NHK紅白歌合戦の歴代の出場歌手&曲目全データがご覧になれます。過去の思い出のステージや、紅白の歴史を振り返る事の出来る…
第5回は1954年の大みそかに「日比谷公会堂」にて行われました。
美空ひばりが初出場で、雪村いずみと江利チエミの3人娘が揃い、話題を呼びました。
6回目は「産経ホール」で開催されました。
紅白歌合戦の時から、民放が対抗をして同じ時間帯に歌番組を始めたのです。
この回で初めて応援団を作り、トニー谷のそろばんを鳴らす応援が人気になりました。
応援団の始まりの回です。
1956年大晦日、東京宝塚劇場で行われた第7回紅白歌合戦は放送時間がさらに40分延長されて、21時05分から23時30分までになりました。
出演者も32組から50組に一気に増え、紅白歌合戦の「第一期黄金時代」の到来です。
8回目も東京宝塚劇場で行われています。
紅組のトリは笠置シズ子から美空ひばりへ世代交代をしています。
新宿コマ劇場で開催された第9回紅白歌合戦のころから、裏番組の民放も生放送の歌番組をするようになりました。
売れっ子の歌手は、紅白の会場から別の番組の会場へ、また別の会場から紅白の会場へと「神風」のように駆けつけるという風潮になってきました。
1959年に、「日本レコード大賞」を決める番組「輝く!日本レコード大賞」がTBS系の放送局で始まりました。
レコード大賞が決定してからの紅白歌合戦だったので、受賞者の出演はとても会場を沸かせました。
第11回目を日本劇場で開催した後、12回目の紅白歌合戦以降は、東京宝塚劇場で開催されています。
番組の時間も年によって少しずつ変わっていましたが、第18回のころから21時から23時45分に定着していっています。
そして、沖縄が返還された1972年、第23回紅白歌合戦は、東京宝塚劇場で行う最後の回となりました。
翌年1973年(昭和48年)の第24回から、NHKホールで行われるようになりました。NHKホールが同年6月20日に完成したからです。
このころから森昌子やアグネス・チャン、麻丘めぐみや郷ひろみなど10代の歌手が出場するようになってきました。
1976年の第27回の時は「花の高3トリオ」と言われた山口百恵・森昌子・桜田淳子や太田裕美、キャンディーズ、岩崎宏美など若い歌手たちが多数出演し、第28回ではピンクレディも初出場。
1980年の第31回紅白歌合戦には、松田聖子や「たのきんトリオ」と言われる田原俊彦・近藤真彦・野村義男など80年代を元気にしたアイドルたちが初出場をし、若年層の人たちもたくさん視聴していた時代でした。
第33回の時はサザンオールスターズも加わり、歌をじっくりと聴くという紅白歌合戦のスタイルが変わってきて、出場者も会場の人も視聴者も皆が一つになってお祭りのようなステージに変わって行ったのです。
紅白歌合戦は視聴率が調査できるようになった1962年からずっと、70%から80%の視聴率を獲得していました。
そして、「日本人なら大みそかは、紅白歌合戦を見ながら家族みんなで仲良くくつろぎながら年越しを祝う」という風潮があったものです。
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視聴率に変化が・・・多様化するステージ
ずっと高い視聴率を誇ってきたNHK紅白歌合戦ですが、昭和60年代に入った1986年ごろから、少し変わってきました。視聴率が60%を切ってきたのです。
そして平成に変わった1989年の第40回紅白歌合戦の時に、開始時間が21時から19時20分に早まり、二部構成になりました。
一部では昭和の曲、二部で1年間にヒットした曲を競演するというスタイルです。
そのなかで海外の国際的スターが出演したり海外中継を行ったり、パンツ一枚でパフォーマンスをしたり、個性的な司会者で会場を沸かすなど、歌手たちの歌を聞くだけでなく多彩なプログラムが繰り広げられるようになっていきました。
またモーニング娘。やSMAPに嵐、AKB48や乃木坂46など集団で歌ったり踊ったりするグループが小さい子どもたちや若年層の人気を呼んでいました。
演出や出演者、司会者、ゲストなど様々な工夫が凝らされて、第一部の視聴率は30%台に下がってきたものの、第二部はまだ50%を保っていました。
それが近年、さらに視聴率が低迷しているのが現状となっています。
紅白歌合戦に限らず視聴率の低迷は、若者がテレビ離れをしていることが大きな原因と考えられます。
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2年ぶりに「NHKホール」とは?
2022年は、第73回紅白歌合戦です。
紅白歌合戦は、1973年の第24回の時からずっとNHKホールで行われてきました。
ただ、2020年だけは新型コロナウィルスの拡大で、無観客で行っています。
その時は司会の二階堂ふみと大泉洋、総合司会の内村光良と桑子アナウンサーが進行していました。
昨年の2021年は有観客での開催でしたが、NHKホールではなく東京国際フォーラムがメイン会場となり、NHKスタジオや中継を入れながらの放送となりました。
2021年、NHKホールは耐震工事をしていたので使えなかったのです。
2019年にNHKホールで開催した後、20年は無観客、21年は東京フォーラム会場で行ったため、有観客で行うのは2年ぶりということになります。
第73回NHK紅白歌合戦は?
2022年の紅白歌合戦は、12月31日(土)19時20分から11時45分の開催です。
観覧募集は10月6日(木)から10月20日(木)23時59分までです。
詳細と申し込みは下記のURLからどうぞ!
ジェンダーの問題
紅白歌合戦は、紅組と白組は女性と男性で分けて対抗してきました。
近年、性別で分けることがネット上で議論されています。
それを受けて、NHKの前田会長は、「原点は『歌合戦』。年越しの最後で1年を締めくくって、元気に翌年を迎えたいというのが原点なので、そこは失いたくない。ジェンダーについてだけを入れてしまって、本来の『歌合戦』がこぼれ出てしまうと、趣旨から外れてしまう。」と話しています。
また、「いろいろご意見を頂いています。ただ『紅白』で定着しているので、ちょっとだけいじるということはすごく難しい。かえって混乱する」とも述べ、紅白に関しては従来通り進めていくようです。
「マンネリではなく、毎年感動を起こすものにしてほしい」と担当にはお願いしているとも話しています。
まとめ
アラ還世代の私は、やはり今までもこれからも「大みそかは紅白」です。
普段はあまりテレビを見なくなりましたが、年末年始は違います。
お正月を迎える準備等で最初から最後までずっと見ることはできませんが、いつでも見られるように紅白歌合戦をつけています。
現在はレコード大賞を12月30日に行っていますが、以前はレコード大賞の後に紅白歌合戦があったので、レコード大賞にノミネートされた方(グループ)が紅白に駆けつける、というシーンを何度も見ました。
そして新人賞や大賞を獲った歌手は、その興奮も冷めやらぬうちに紅白に出演し、感無量の様子がとても伝わってきたものです。
それも懐かしいです。
2022年の大みそかは、2年ぶりにNHKホールにて有観客で開催されます。
どの歌手が出場して、どんなステージになるのか、今年もまた楽しみです。