2016年と2019年に上演されたブロードウエイミュージカル「キンキ―ブーツ」第三弾が2022年秋に上演されます。
脚本はハーウヴェイ・ファイアスタインで、主役は3回とも小池徹平さんです。
1回目と2回目をご覧になった方は、どのようなミュージカルかご存知だと思いますが、まだご覧になったことがない方にもわかっていただけるように、「キンキーブーツ」のことを解説します。
そして、小池徹平さんや城田優さんの「キンキーブーツ」出演への思いをお伝えしたいと思います。
「キンキーブーツ」ってどんなミュージカル?
キンキーブーツは、ドラァグクイーン用のひざ上まであるブーツのことを指しています。
ドラァグクイーンとは、女装をする男性のことです。
しかしドラァグクイーンはみなゲイやトランスジェンダーということではなく、女装を楽しんでいるだけという人も多いのです。
そのキンキーブーツを題材にし、イギリスで実在の紳士靴メーカーの実話をモチーフに作られた「キンキーブーツ」は、2005年にイギリスとアメリカの合作でコメディ映画として放映され、それがミュージカルとなりました。
ミュージカルは、2012年からシカゴ・ブロードウエイ・全米・韓国・トロント・ウエストエンドで行われ、日本では2016年に初めて上演されました。
工場の跡継ぎのチャーリーと、ドラァグクイーンのローラのダブル主演のミュージカルです。
そのほかソニンさんや玉置成美さん、勝矢さんなどが出演し、2019年に行われた第二弾も同じメンバーが演じました。
そして第三弾が2022年秋に上演されることになっています。
ところが第三弾では、三浦春馬さんは出演することができません。
そこで代わりに城田優さんが、ドラァグクイーンの役を務めることになりました。
第三弾の公演のビジュアル広告は、2022年5月24日に解禁されています。
公演については東京のシアターオーブで10月1日から11月3日まで、休演の日もありますが34回公演、大阪では11月10日から11月20日までオリックス劇場で13回、合計47回の公演が予定されています。
「キンキーブーツ」のあらすじ
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イギリスのノーサンプトンという田舎町に、「プライス&サン」という老舗の靴工場がありました。
その後継者として生まれたチャーリー(小池徹平)は、次期社長になることを拒み、フィアンセの二コラ(玉置成美)と一緒にロンドンで生活をすることを望んでいました。
しかし、その前に父が急死し、チャーリーは工場を継ぐことになりました。
実は、工場は経営不振で破綻寸前だったのです。チャーリーは工場を継いでからそのことを知り、昔から働いてくれていた従業員たちを解雇することもできず、工場を立て直す方法も見つからずに困惑していたのです。
そんな時チャーリーは、一人の従業員ローレン(ソニン)から「倒産するのを待つだけでなく新しい市場を開発するべき」と言われました。
その時に、かつてロンドンで出会ったローラ(三浦春馬・城田優)のことを思い出しました。
靴の在庫処分の際に行ったロンドンでやけ酒を飲んでいた時、チンピラに絡まれている女性を助けようとして、逆にその女性が誤ってチャーリーを殴ってしまったのです。チャーリーは気を失い、目が覚めると楽屋のようなところにいました。
チンピラに絡まれていた女性は実は男性で、ローラという名前のドラァグクイーンだったのです。
ドラァグクイーンたちはみな、ヒールを履いて舞台に上がっていました。女装しても男性たちなので、身体の重みでヒールはすぐに壊れてしまいます。
ローレンに言われた時、チャーリーはその時のことを思い出し、ドラァグクイーンたちが履く靴を作ろうと考えました。「女ものの紳士靴」です。
そしてローラをコンサルトとして工場に迎えて、「一緒に作ろう」ということになりました。
ところが快く思わなかったのが、昔から働く従業員たちです。ずっと紳士靴を手掛けてきたのに、よくわからない靴を作ることに抵抗を感じていたようです。さらにローラの物言いも拍車をかけ、従業員たちに反感を買い、ローラはトイレに閉じこもります。
その時に話をしに行ったチャーリーは、ローラの生い立ちや葛藤を聞き、その後は二人ともキンキーブーツ作りに打ち込むようになりました。
ようやく完成し、ミラノの見本市に出展することになるのですが、そのころはチャーリーが妥協を許さない厳しい人になってしまっていたために、従業員がたくさんやめ、再度工場の経営がうまくいかなくなってしまうのです。
おまけにチャーリーは二コラともうまくいかなくなってしまい・・・・
さてその続きはどうなるのか、実際のミュージカルで楽しんでいただきたいと思います。
「キンキーブーツ」主催者の意気込み
第一弾、第二弾と大好評だったため第三弾も、と動いていましたが、2020年7月にローラ役の三浦春馬さんが亡くなり、公演を断念することも考えていたそうです。
しかし第三弾もやることに決意したのは、キンキーブーツを引っ張ってきてくれた三浦春馬さんの思い出とキンキ―ブーツに捧げてくれた愛情をいつまでも引き継ぐためです。
「日本にはキンキ―ブーツが必要だ」と思ったということです。
この強い決意のもと、新しく城田優さんを迎えて、小池徹平さんをはじめとするキャストの皆様と日米クリエイティブチームの皆様と心を込めてお届けします。と主催者の方々が語っています。
主演を務める小池徹平さんの「キンキーブーツ」への思い
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小池徹平さんは、三回目の公演をすると聞いたとき、戸惑っていたそうです。
それは三浦春馬さんがあれほど愛し、1回目2回目共に大好評だった「キンキーブーツ」を春馬さんなしでうまく作り上げることができるのか、ということと、コロナ禍だからです。
そこで、なぜ3回目を上演するのかということをスタッフに聞いたところ、「春馬は『キンキーブーツ』が日本で長く続くことを望んでいたので、『やめていいの?』と考えたときに『続けるべきだ』と思ったから」ということでした。
小池徹平さんは、スタッフのその言葉に大きく納得したといいます。
また3回目はキャストも変えたらどうか?という思いもありましたが、「いや、僕がやるべきだ」と思った反面、「3回目では、1回目と2回目の場面が蘇るときがあるので、誰しも迷いがあるだろう。そのため相当のエネルギーと決意が必要だ」という思いもあったそうです。
また、自分が他のメンバーにも声をかけて誘う、ということはできませんとも話しています。
それは、それぞれが自分で決めなければいけないからです。
だからどんなメンバーが集まるかわからなかったのですが、蓋を開けてみたらほとんどのメンバーが集まっていたそうです。
1回目と2回目で培ったチーム・家族のようなかけがいのない温かさをそのまま味わえると安心したようです。
さて、重要なローラ役ですが、城田優さんに決まりました。それに関しては小池徹平さんに心配も不安もないそうです。
なぜなら城田優さんとは共演は初めてですが、高校の同級生だそうです。
ただお互いにプロなので「いちプロ役者」という意識を持つようにしているとのことです。
そして186cmの身長に15cmのヒールを履く城田優さんは、166cmの小池徹平さん自身とずいぶんの差が出るので、ローラの怪物感も楽しみだと話しています。
ちなみに城田優さんは「ガラスのハート」の持ち主だそうで、プレッシャーが大きいかと少し心配しているそうですが、優さん自身は人前ではひょうひょうと頑張っている、とのことです。
ローラ役を務める城田優さんの「キンキーブーツ」への思い
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城田優さんはローラ役に決まった2021年11月のツイッターで、「この想いをうまく言葉に出来ませんが、春馬が愛したローラという役をとにかく一生懸命演じさせていただきます。」と意気込みを表しています。
城田優さんは、三浦春馬さんの親友と言われるほど仲が良い間柄でした。定期的に食事に行ったり、お互いに歌手活動をしてお互いに励まし合い競い合う仲だったようです。
城田優さんは、春馬さんが亡くなった後の音楽番組「音楽の日2020」で「キセキ」を歌いながら涙していたのを私も覚えています。
ところがその後、「三浦春馬と城田優は親友じゃない」「詐欺の加担をしている」などの情報がネットで流され、降板寸前まで追いやられたとのことです。
そのようなうわさはありましたが、結局、ビジュアル公開日の5月24日に城田優さん自身のインスタグラムで、「ローラ役、一生懸命演じさせていただきます。」というメッセージを添えて、小池徹平さんと並んだビジュアル画像を投稿しています。
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このインスタグラムを見たファンたちは、「ファイトです」「涙出る」「うれしすぎる」などとコメントしています。
まとめ
亡くなった三浦春馬さんが出演していて、1回目も2回目も大好評だった「キンキーブーツ」。春馬さんのいない今、3回目を上演するか、スタッフも出演者もいろいろと悩んだようですね。
ローラ役に三浦春馬さんの親友だった城田優さんが選ばれ、優さん自身もツイッターで意気込みをコメントしていたのに、そのあといろいろなうわさが飛び交ったことで城田優さん自身も心が揺れていたようです。
しかし結局は、予定通り出演されるそうで良かったと思います。
大人気のミュージカルなので、チケットもなかなか取りづらいようですが、チケット発売は、東京公演が9月3日から、大阪公演は10月1日からです。