最近暑くなってきて、アイスを買う機会があったのですが、家に帰って久しぶりに冷凍庫を開けてみたらビックリ!めちゃくちゃ霜がついている!
これじゃあ、アイスが入らない!
しかも、霜があると庫内の冷えも悪くなる!
早くどうにかしないと!
ということで今回は、冷蔵庫や冷凍庫にある霜の取り方と、霜にならないための予防策を紹介します。
霜になる原因は?
そもそもなぜ霜はできてしまうのでしょう。
霜は扉の開け閉めをする際に外気が庫内に入り込むことで、冷蔵庫内と外の温度差により結露が発生し、その結露(水滴)が固まることで霜になります。
扉の開閉を繰り返すうちに氷の粒がつみ重なって、少しずつ大きくなり鍾乳洞のような氷の塊になってしまうのです。
霜をそのまま放っておくと
・収納スペースが狭くなり物が十分に入らない
・冷気が行き渡らなくなり、庫内が冷えない。
などデメリットしかありません。
また、霜が厚くなってからでは、取るもの一苦労です。
これからお伝えする霜の取り方を実践して、すぐに取ってしまうことをおすすめします。
冷蔵庫や冷凍庫の霜を取る方法
できてすぐの場合
出来てすぐのうっすらとした霜であれば簡単に取り除けます。
霜ができたら冷蔵庫の中身を全部取り出して、電源を抜いてという面倒くさい作業をしなければいけないイメージがありますが、出来立ての場合はそこまでする必要はありません。
用意するもの
タオル
霜を取る方法
- タオルを40℃くらいのぬるま湯に付けておしぼりを作ります。
- 霜におしぼりをあてる
作業がしにくいなら、庫内の食材を少し移動させましょう。 - こすり取る
霜がとけてくるので、タオルでそのままこすり取ってください。
出来立ての霜であれば、これだけやれば十分落とせるはずです。
ガンコな霜の場合
上記の方法で落とせないようなガンコな霜の場合は、冷蔵庫の電源を落としてしまったほうが早いです。
一度、庫内の食材をすべて取り出してから、連蔵湖の電源を落とし、自然に溶けるのを待ちましょう。
用意するもの
タオル
霜を取る方法
- 冷蔵庫の中を空にする
食材などは、クーラーボックスに移動させましょう。 - 冷蔵庫の運転を止める
庫内の温度調節を「切」にするか、コンセントを抜きます。 - 扉を開けた状態で待つ
早く溶かすために扉を開けて庫内の冷気を外に出します。 - 水分をふき取る
霜が溶けたら、庫内が水浸しになるのでタオルで綺麗に拭き取ってください。 - 電源を入れて、食材を戻す
霜が取れて、庫内の水滴をすべて拭き取ったら電源を入れて、食材も元に戻します。
霜をそのままにしておくと、冷蔵庫の故障の原因になったりしますので、こまめに取ることをおすすめします。
霜にならないための予防策は?
では、そもそも冷蔵庫・冷凍庫内に霜ができないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
以下の点に注意することで、霜を防ぐ効果があります。
- 庫内の水分を減らす
空気中の水分が霜の原因になるため、庫内の水分を 減らしましょう。
料理を入れる場合は、冷ましてから入れたり、きちんとラップをしてから入れるのも効果的です。 - ドアの開閉回数を減らす
庫内に空気が入ると、その時に水分も一緒に入ってきます。扉を開けている時間が長いほど外気との温度差で中のものに水滴が発生しやすくなります。 - ドアパッキンの緩みをなくす
冷蔵庫のドアが勝手に開くなど、ドアが緩くなってると感じる場合、ドアパッキンが緩んでいる可能性があります。ドアパッキンが緩くなっていると隙間から空気が入ってしまいますし、庫内が冷えないため冷蔵庫の消費電力も上がってしまいます。
霜取り不要で楽ちん!冷凍冷蔵庫の自動霜取り機能の仕組み?
霜取りが必要な冷凍冷蔵庫は、庫内の食品をクーラーボックスなどに移してから、自分で霜を取り除く必要がありますが、自動霜取り機能がある冷蔵庫なら自分で霜を取らなくても良いので楽ちんですね。
しかし手動で霜を取る場合は、霜取りだけでなく落ちてくる水をふき取るなど、作業を終えるまで手間と時間がかかるところ、自動霜取りの場合はどのようにして霜を取っているのでしょうか。
ここでは自動霜取り機能の仕組みについて解説します。
冷却器自体に霜が付く?
一人暮らし用の小型の冷蔵庫の場合は、冷凍庫内の霜を自分で取らなければいけないタイプが売られていますが、家族で使う大型の冷凍冷蔵庫は自動霜取り機能が付いているので、自分で霜を取ることは不要です。
しかし本来冷凍庫では霜が出て当たり前なのです。
それはエバポレーターという冷却器があるのですが、その冷却器が庫内の温度を下げていくことによって外気との温度に差が出てきます。
冷蔵庫を開けたり閉めたりすることで外気と触れ、庫内の温度も上がったり下がったりするのですが、それが霜を作るのです。
そしてエバポレーター自体にも霜が付いてきます。冷却器自身に霜が付着すると、冷却機能が低下して庫内を冷やすことができなくなります。
そこで一緒に搭載されているのが「ヒーター」です。冷却器の霜を取るためにヒーターが取り付けられています。エバポレーターに霜が付くと感知センサーが感知をして、ヒーターを稼働して霜を溶かします。
その時庫内の温度も上がるので、入っている食品もいったん少しだけ温められ、再度また冷却されることで少しですが霜が付いて、また溶けるということを繰り返しているのです。
小型の冷蔵庫で自動霜取り機能が付いている場合は、センサーはないので自身でボタンを押してヒーターを稼働させる必要がありますが、それでも自動的に霜取りができるので便利です。
ヒーターで温められた庫内の温度は?食品は大丈夫?
それでもヒーターでいったん温められるとなると、冷蔵庫内、冷凍庫内の温度が上昇して中の食べ物が腐るのではないかと不安になりますよね。
しかし日本興業規格「JIS」では、庫内の温度上昇は5度以下に決められているので、食品が傷むという心配はありません。
霜取り後の水はどうなる?
霜取りをすると霜が溶けて水になりますが、その水はどこに流れていっているのでしょうか?
その水は、冷蔵庫の下の受け皿に流れてきます。
次は受け皿がいっぱいになったらあふれてくるのではないかと不安になりませんか?
実は受け皿に水が流れても、たまっていくことがないのです。それは受け皿の水は蒸発しているからです。冷凍サイクルの蒸発熱を利用して、蒸発させているのです。
冷凍サイクルって?
そこでまた「冷凍サイクルって何?」という疑問が湧いてきましたね。
冷凍サイクルというのは、冷蔵庫に限らず日常生活にいても関係のある言葉で、「大気温よりも温度を下げて物を冷やすこと」です。
「蒸発」した空気を「圧縮」して「凝縮」し、凝縮したものを「膨張」してまた「蒸発」させるというサイクルです。蒸発→圧縮→凝縮→膨張→蒸発→圧縮と繰り返し行います。
冷凍方法には、氷を発泡スチロールに入れて食べ物を冷やすように「融解熱」を利用する場合と、ドライアイスを使って冷やすように「昇華熱」を利用する場合、それに熱い地面に水をかけると周囲の空気も涼しくなるように、蒸発するときに周囲の温度を奪う「蒸発熱」または「気化熱」を利用する場合の3つの方法があります。
しかし融解熱と昇華熱は長く冷やすことはできません。そのため冷蔵庫では蒸発熱を使って冷却しています。
液体を蒸発するときは周囲から熱を奪うという性質がありますが、冷蔵庫ではその原理を使っています。「圧縮機」と「凝縮器」、「膨張弁」と「蒸発器」の4つが搭載されて庫内を冷やします。
大気中では水は100度になると沸騰して気化しますが、気圧の低い高い山の山頂では100度よりも低い温度で沸騰が始まり気化します。気圧の高いところの方が沸点が高いというのは、熱くなった湯の分子が蒸発したくても圧力で抑えられているのでなかなか蒸気になれないということです。
この原理を用いて、冷媒ガスの圧力を上げることで沸点を上げてなかなか気化しないようにします。つまり高圧にすることで液体の状況が作りやすくなるということです。
そのため、圧縮機を使って空気を圧縮します。
次に凝縮器を使うことによって気体を液体にしやすくし、膨張弁というバルブを使って冷媒の流量を調整します。
液体になった冷媒を蒸発器で気体にすることで、周囲の空気を冷却します。
そしてまた、圧縮機を使って空気を圧縮して凝縮することで液体冷媒を作り、蒸発器で気化して周囲を冷やす、ということを繰り返すのが冷凍サイクルです。
自分で冷却して自分で霜取りもする冷蔵庫まとめ
冷凍冷蔵庫は、冷凍サイクルを用いて庫内を冷やし、ヒーターを稼働させて自動的に霜取りをすることで得た水をまた利用して、庫内を冷却させていくという仕組みになっています。
自動霜取り機能付きの冷凍冷蔵庫は、ヒーターで自動的に霜取りをし、溶けた水も冷蔵庫に搭載された機器で蒸発させ気化熱で冷やしているので、私たちは霜取りも水の後始末もしなくても良いのです。
まとめ
- 冷蔵庫・冷凍庫の霜の原因は外気との温度差による結露
- 霜ができたら、すぐに温めのお湯で作ったおしぼりでふき取る
- 頑固な霜には、電源を切って対応する。
- 予防するには扉の開閉回数を減らしたり、ドアパッキンの緩みがないかチェックする