隠れ熱中症とは?どんな症状や注意すべき点とは

暑い日が続くと気を付けたいのが熱中症です。

日本では熱中症により2020年8月10日~8月16日までの1週間で全国で1万2,804人が救急搬送されています。
前年同時期に比べて、5,165人も多い数字となっています。

自分は大丈夫と思っていても、すでに熱中症になっているかもしれません。
そんな自覚がなくても熱中症になっている「隠れ熱中症」の方が今増えてきています。

今回は隠れ熱中症とは?症状や注意すべき点を紹介します。

隠れ熱中症とは

熱中症とは、温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体のだるさ、ひどいときには、けいれんや意識の異常など、さまざまな障害を起こす症状のことです。

湿度が高く、風もなく、冷房機器を使用していない場所に長時間いると起こりやすくなります。

隠れ熱中症は無自覚のうちに熱中症になっている状態のことです。

子どもや高齢者は熱中症になっても自覚しにくいので隠れ熱中症になりやすいと言われています。

また、体力がある人などは熱中症になっても単なる夏バテや睡眠不足などと思い込んで重症化してしまうケースがあります。

気付かないまま放置していると症状が悪化してしまうので、体調が悪いと感じたら熱中症対策を講じてみてください。

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熱中症対策!注意すべき点は?

隠れ熱中症になっている人は、脱水症状になるので次の症状が出ている可能性があります。
次の項目をチェックしてみましょう。

・手のひらが冷たい
脱水状態になると手のひらに血液が行きわたらないため冷たくなります。
手のひらで自分の頬や額に触れて熱く感じれば手のひらが冷たいのがわかります。

・舌が乾いている
脱水状態になると唾液が減少するので舌を出して鏡で見ると乾いていることがわかります。

・つまんだ皮膚が戻りにくい
脱水状態になると皮膚の弾力が失われます。
手の甲の皮膚を指でつまんで放し、3秒上以上戻らなかったら脱水症の疑いがあります。

・親指の爪を押して赤みが戻るのが遅い
指先に流れている血液は爪の色でわかります。
親指の爪をギュッと押したあと、赤みが戻るのに3秒以上かかったら脱水の疑いがあります。

この中で1つでも該当していたら、隠れ熱中症の可能性があります。

また、トイレの回数が少ない場合も注意!
通常2~3時間に1回は排尿しますが、それより長くトイレに行かない場合脱水症状になっているかもしれません。
お子様やお年寄りは自分では気づけないかもしれないので、周りの人も気を付けてみてあげるようにしましょう。

熱中症の疑いがあったら

熱中症になると脱水状態にあるので、水分補給をしましょう。
塩分も摂れるスポーツドリンク、0.1%~0.2%の食塩水やイオン飲料、経口補水液がよいでしょう。

お茶やビールでは水分補給にはなりません。
お茶やアルコールには利尿作用があり、身体の中の水分を外に出してしまうため、水分の補給に適していません。

また、エアコンが稼働している屋内に移動しましょう。
屋外なら日陰の風通しがよいところを探してください。

水分を摂って休息したあとにも、めまい、立ちくらみ、しびれ、筋肉痛、頭痛や吐き気、けいれん、意識障害といった症状があれば、救急車を呼ぶなどして医療機関で診てもらうようにしましょう。

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熱中症と日射病・熱中症の違いは?どれも命にかかわります!

毎年夏になると熱中症にかかる人が増えてきます。

以前は熱中症という病気はなく、日射病や熱射病といわれる病気はありました。

しかし近年では日射病という言葉はほとんど聞かれず、「熱中症」のみがよく聞かれます。

熱中症は日射病のことなのでしょうか。

ここでは熱中症と日射病・熱射病は同じなのか、違うのか、またかかった時はどうすればよいのか、それにかからないための予防策について解説します。

熱中症は日射病・熱射病と同じ?

日射病は、直射日光が原因となって体調が悪くなる病気です。
頭部に強い直射日光を浴びるところで運動や重労働をすると起こりやすくなります。

体温が急に高くなり倦怠感や吐き気が現れます。顔が赤くなったり、眠いわけでもないのにあくびを催すのもその症状のひとつです。
体内では脱水症状が起こっていて、心臓に流れていく血液の量が減少します。

重症になれば激しい頭痛や意識障害が起こり、死に至ることもあるのです。

熱射病は、高温下で激しい運動や重労働をすると起こりやすくなる病気です。特に運動などをしなくても、長時間高温下でいるだけでかかることもあります。
体温が上がるような運動や労働をすると、汗や様々な方法で体外に放熱をしようとします。しかし外気温が高ければ熱の放出がうまくいかず、体内にこもってしまうのです。

その体内にたまった熱が、症状を引き起こします。

軽ければ皮膚が赤くなりめまいや頭痛が現れるくらいですが、体の深部の温度が40度以上に上がり、臓器がうまく働かなくなり、中枢神経にお障害が起きてきて死に至る危険性がとても高い病気です。

深部体温は直腸の温度で知ることができます。直腸専用の体温計で、医療従事者のみが測ることができます。
そのため一般人が、深部体温を知ることができません。脇などで測る普通の体温計の温度とは異なるので、医師の診察を仰がなければいけません。

そして熱中症とは、日射病や熱射病の総称です。医学用語としては昔からありましたが、世の中に広まってきたのは1995年ごろのことです。
軽度・中等度・重症の3段階に分けられています。その症状は以下の通りです。

  1. 軽度は:めまい、こむら返り、発汗、筋肉痛、微熱程度の発熱など
  2. 中等度:頭痛、吐き気、倦怠感、口の渇き、37.5度から40度の発熱など
  3. 重度:意識障害、眠り込んでしまう、高熱、けいれんなど

かかったらどうすればよい?

日射病や熱射病、総称して「熱中症」にかかっときは、まず、エアコンのきいた涼しい部屋に移動して寝かせ、衣服を緩めます。それから(移動できない時も)額や首、わきの下を冷たく濡らしたタオルなどで冷やし、さらに扇風機やうちわなどで風を当てて体温の低下に努めます。

脱水症状が起きているので、飲みやすく冷たい飲み物を少しずつ飲ませていきます。
しかし吐き気がある場合は飲むことができないので、すぐに病院に連れて行くようにします。

高い体温がなかなか下がらない時や、意識が薄れてきた時、けいれんを起こした時は急いで救急車を呼んでください。

熱中症にかからないようにするための対策

熱中症にかかるのは、暑い夏の日に屋外で運動や仕事をしているときとは限りません。
室内にいても高温の中で長時間いれば、熱中症になるのです。
特に子供は体温調節が十分ではないので、かかりやすいです。また高齢者も暑さやのどの渇きに気づきにくいため知らない間に熱中症にかかっていることがあるので、子どもと高齢者には注意が必要です。実際、熱中症患者の半数は65歳以上の高齢者なのです。

室内では、扇風機やエアコンをつけて高温にならないように調節し、室温をこまめに確認することが大切です。
また、打ち水やすだれなどを使って、直射日光が入らないようにしたり外気温を下げる工夫をしましょう。

屋外では、日傘や帽子を使って直射日光が体に当たらないようにし、日陰があればこまめに休憩をします。
そして天気が良く暑い日は、あまり外出をしないようにすることも大切です。

体に熱がこもらないようにするため、通気性や吸湿性の良い服を着て、時々保冷剤や冷たいタオルなどで体を冷やすようにしましょう。

室内でも屋外でも、こまめに水分をとることを習慣づけましょう。
喉が渇いていなくても、30分おきくらいに少しずつでも良いので、お茶や水、スポーツドリンクなどを飲むようにします。
特にお酒をたくさん飲んだ翌日や、風などの病気で汗をたくさんかいたり体が弱っているときは、脱水がおきやすいので水分を多めに摂るようにすることが大切です。

そして高温下では、できるだけ激しい運動や重労働を避けるようにすることで熱中症にかかるリスクを少なくしましょう。

まとめ

熱中症は日射病と熱射病の総称で、日射病や熱射病というのは熱中症の一種ということになります。

日射病は直射日光によって起こり、熱射病は高温に長時間さらされることによって起こります。さらに直射日光や高温下で激しい運動や労働をすることで、そのリスクがうんと高まるのです。

熱中症の中でも一番重篤なのは熱射病で、死に至る確率が高いです。体内が高温になり内臓や中枢神経の働きが弱まってくるからです。

熱中症は命に係わる病気です。夏の暑さは以前に比べて毎年ひどくなっていて、熱中症にかかる人も毎年多くなってきています。
自分だけでなく仲間の体調にも気を使って、お互いに熱中症にならないように注意をしながら、暑い夏を乗り切っていきましょう。

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