この記事では、
「自己効力感」とは何かということを分かりやすく丁寧に解説します。
ビジネス・経営の世界でも出てくるようになったこの「自己効力感」という言葉。
英語で、セルフ・エフィカシー(self-efficacy)と言います。
自己効力感は今、マネジメント・経営の世界のトップリーダーたちの間で重要視されています。
今後、ビジネスの世界で頻繁に出てくる
キーワードになりことは間違いありません。
なので、最先端のキーワードである「自己効力感」について、
そして、合わせて知っておくべき関連用語「自己肯定感」についても
わかりやすく丁寧に解説しますので、最後までお読みください。
アルバート・バンデューラ博士が提唱した「自己効力感」とは?分かりやすく
自己効力感という概念は、アメリカ心理学会会長の
アルバート・バンデューラ博士によって提唱されました。
自己効力感とは
「自分にはこれができる」
「これならできる!」という気持ちのことです。
例えば、
「来客に出すお茶を買ってきてください」
と、上司から言われたとします。
簡単なお使いなので、一般的な社会人なら
「はい、分かりました」と買いに行く時
「できない」とは思わないでしょう。
これが、「自分はできる」と思っている状態。
すなわち、「自己効力感がある状態」のことなのです。
この自己効力感が在るかないかでは、
仕事のパフォーマンスにも、スポーツにも勉強でも大きな差が現れます。
別の例でお話してみましょう。
例えば、「会社の売上を50%増大させる企画を考えてください」と
言われたとします。
Aさんは
「自分ならできる!これはチャンスだ!」と
思って取り組み始めたとしましょう。
対してBさんは、
「そんな企画、自分なんかにできるわけがない……」
と思って、企画を作り始めたとしましょう。
さて、どちらのほうがいい企画を作れると思いますか?
普通に考えて、「自分にはできる」
と意気込んで取り組むAさんのほうが
良い企画を提出できるはずです
このように、個人のパフォーマンスを
上げるためのキーワードとして、
現在ビジネスの世界でこの「自己効力感」が
取り上げられているというわけです。
今社長や経営者たちは、
社員の個人のパフォーマンスを上げるために
「どうやって社員の自己効力感を高めようか」
つまり、
「どうやって社員に『自分はできる』と思わせようか」
と考えているというわけですね。
自己効力感を高める方法とは?
自己肯定感を高める方法には、この4つです。
①実際に行動して、成功体験を得る。
②他人の行動を観察する
③自己強化(アファメーション)や、他者からの説得的な暗示
④生理的・生体的な反応の変化を体感する
では、一つ一つ見ていきましょう。
身近な例として、
一人で買い物に初めて挑戦する子供の例
に、当てはめて解説します。
①実際に行動して、成功体験を得ること。
これは、逆行行動の達成、と言います。
例えば、子供の頃に初めて一人で
お使いに行ったときのことを思い出してください。
「レジに行って、あの店員さんに、声をかけても良いのかな?」
「お金はどのタイミングで渡すんだろう…」
「お釣りを貰えるのかな…?」
などと、初めてすることには不安がつきものです。
ですが、実際にやってみて、うまく買い物ができたとします。
「お金を渡す」
「品物を受け取る」
「お釣りを受け取る」
という「成功体験」を積み重ねることで
「自分には買い物ができる!」
という自己効力感が生まれることになります。
この自己効力感ができると、
それからは当たり前のように「買い物をする」という
能力を発揮できるようになります。
②他人の行動を観察する(代理的体験)
次に、「他人の行動を観察する」ことです。
これは、周りの人が成功しているのを見ると、
自分もできそうな気持ちになる、ということです。
例えば、買い物の例を上げて話します。
「親が買い物をしているところを、いつも見ていた」
「友達が買い物をしているところを見た」
ことから、「買い物をする」というイメージが湧いて、
「自分にも買い物できるんじゃないか?」という
自己効力感が生まれるというわけです。
したがって、「できる」という実感を得たければ、
実際に「出来ている」人を観察して、
出来ているイメージをリアルに描くことが有効だというわけです。
③自己強化(アファメーション)や、他者からの説得的な暗示、
次の方法は、自己強化(アファメーション)や、
他者からの説得的な暗示、言語的説得言語的説得です。
これは、自分で「できる」と言い聞かせることです。
例えば、「自分には買い物ができる」と言い聞かせること。
「○○くんが出来ているんだから自分なら買い物ができるはずだ!」
といった形で、「自分にはできる」と言い聞かせること。
あるいは、「○○ならできるわよ」と母親(他者)から言われることで
「自分にはできるんじゃないか」という
自己効力感を得ることにも繋りいます。
④生理的・生体的な反応の変化を体感すること。
これを、情動的喚起といいます。
取り組む時に「あ、リラックスしてる…」
と思えるようなときもまた、
自己効力感につながります。
おまけ:関連キーワード「自己肯定感」についても抑えておこう
ここまで、自己効力感についてお話してきました。
合わせて、もう一つの重要な概念についてもお話します。
心理学の用語では、類義語で、「自己肯定感」があります。
厳密には違うのですが、
自己肯定感とは「自己の価値を認証できている」
という感覚のことです。
対義語に、「無価値感」と言うものがあります。
「自分には価値がない」「○○しないと自分には価値がない」
という状態のことを指します。
なので、「仕事で結果が出せないと自分には価値がない」
と考えている人は
「無価値感」に支配されているということになります。
この自己肯定感は、無条件の自己承認です。
そしてこの自己肯定感が強いと、
「自分ならできる」という根拠のない自信を生み出すことが出来ます。
根拠がない自信とは、
実績や経験のない状態から「自分にはできる」
という確信がある状態のことです。
そして、この「根拠のない自信」はとても重要です。
なぜなら、最先端のビジネスは
実績や成功経験のない状態から始まります。
全く新しい「成功を作り出す」ことをしなくてはならないからです。
AKBプロデューサーの秋元康氏も、
革新的なプロデュースを次々と世の中に打ち出していましたが、
その秋元康氏も、「根拠のない自信」を大切にしています。
この根拠のない自信こそが、「自分にはこれを達成できる」
という自己効力感につながるのです。
なので、自己肯定感から自己効力感が生まれるということ。
自己肯定感は、自己効力感の土台のようなものです。
自己肯定感が高いほど、自己効力感を持ちやすくなります。
そして自己肯定感を高めるには、その反対の「無価値感」を取り除くことが
非常に重要となります。
一歩進んだ知識として、
この「自己肯定感」も是非覚えておいてください。
まわりに一歩先んじることが出来ます。
自分の強みを知って、自己効力感を得たい方は、
コチラも合わせてチェックしてみてください。
自分の能力や向き不向き理解して強みを見つけることは、
強力な自己効力感につながります。