世界的なコロナ感染症の惨事拡大で、プロ・アマを問わずスポーツ界はほぼすべてのリーグや試合、大会で中止・延期を余儀なくされています。
悔しい日々を送る選手やコーチらはもちろん、プロチームは経営面も困難に直面。さらには、専門にスポーツ中継しているメディアも放送内容の対応に苦慮しています。
中でもファンが懸念するのがネットのスポーツ中継チャンネル「DAZN」。DAZNの番組表は今どうなっているのか。「倒産が心配」との声も聞こえますが現状はどうなのでしょうか。
スポーツ中継の苦慮の現状
「命が最優先」と世界の各都市でロックダウンが行われ、感染抑止に懸命な努力が続けられる中、「平和の象徴」でもあるスポーツは実施できない状況が長期化しています。
選手もファンも悲しい事態ですが、もう一つ苦慮しているのがスポーツ中継メディア。日本でもスポーツに特化したテレビやネット局が去年まで大変人気でしたが、このコロナ禍ではどうなっているのでしょうか。
報道によると、例えば国内最大の4チャンネルでスポーツ中継する「J SPOTRS」。NPB全試合やMLB中継で定評ありますが、今年はどちらも開幕めどが立たず、空いた番組表を埋めるため過去のWBCやサッカーW杯を再放送。またBSの「WOWOW」も人気コンテンツのテニス4大大会やボクシング世界戦の中継ができず苦慮。
そこでWBAミドル級王者・村田諒太選手の過去試合の放送権を権利者から販売してもらい、村田選手自身が解説しながら振り返る特別番組を編成するなど、工夫しているそうです。
さらにファンが気をもんでいるのが、ネットのスポーツチャンネルDAZN。サッカーJリーグの全試合を完全中継するのが一番の売りで、NPBやMLB、F1などバラエティに富んだスポーツの試合を中継するため、ここ数年契約数を大きく伸ばしてきたメディアです。
しかしコロナ禍でそれらほぼ全部のスポーツが「お流れ」になり、番組表編成に苦悩。やはり過去の名試合再放送や特別番組などでしのいでいるようです。各メディアとも様々な工夫で空いた放送枠を埋めようとしていますが、ただこの状態があまり長く続くと、さすがにこの内容だけで契約を維持してもらうのは厳しくなります。
ファンの間では「解約が殺到しすぎて倒産しないだろうか…」「来年から好きな競技が見られなくなるのは困る!」といった懸念も出ているようです。
DAZNの番組表見て心痛む現状!倒産心配の声も
2020年、まったく想定外のコロナ禍でスポーツ全面中止となり、各スポーツ中継メディアは苦慮するばかり。昨年までであれば、様々なスポーツ試合を選び放題でびっしり埋め尽くされていた番組表も、今は信じられないほど「スカスカ状態」。
DAZNもその一つで、現在は過去の試合再放送番組やスポーツアニメなどが並んでいます。DAZNでは、世界的人気があるサッカーアニメ「キャプテン翼」の放送や「過去の疑惑のプレー検証」といった企画でしのいでいこうとしているようです。
ただ海外の報道によると、生々しくも厳しいDAZNの実情も伝えられています。例えば以下のようなものです。
■ロイター報道
・DAZNは中断した試合について、開催時期などが明確になるまで放映権料を支払わない意向と各スポーツ団体に通達した。
■Sports Business Journal報道
・DAZNでは解約が増えているため、スタッフに無給の休暇取得を指示。
・DAZNのCEOは「コロナはスポーツ界最大の災害であり、当社が直面した最大の経営課題。収益の落ち込みを止めることはできないが、落ち込みを管理するためコストの多くを大幅に削減する必要がある」とコメント。
スポーツ中継苦慮の現状にネットの反応は?
- ひさびさにダゾーンの番組表見たら、キャプテン翼と岡ちゃんしかやってなくて草
- 思ったけど 世界中休止状態なのにダゾーンに払ってる意味って……番組表スカスカだし
- 今月で一旦全て解約します。DAZNとJSPOも倒産するかも
- あの料金であんだけ試合みれるDAZNに感謝して(ないと思うけど倒産でもされたら試合見れなくなるし)DAZNの契約続けてる俺偉いわ
- DAZN解約した!をよく目にする。数千円でワーワー言わないし、いつもサッカー見させてくれてたのでDAZNは契約しとく
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- コロナ禍でスポーツ全面中止の中、スポーツ中継メディアも苦悩・苦境に
- J SPORTS、DAZNなど専門メディアは過去の試合や特別企画で番組表埋める
- しかし解約増は避けられず、ファンには「倒産しないかな」と不安の声も
プロスポーツの中止は、経営基盤が弱いチームにはとりわけ深刻な打撃です。特にJリーグでは危機感が強まっている様子。DAZNは17年から10年間で約2100億円もの巨額契約を結んだ大スポンサーで、J各クラブの重要な資金源ですが、全試合日程を消化できなければ減額が必至とみられるためです。
有力企業傘下のJ1はともかく、このまま試合ができず収入が途絶えればJ2、J3では「倒産」の二文字が現実味を帯びかねません。Jリーグでは、5月に試合を再開できた場合、Jリーグ全56クラブの合計減収を15億円程度と試算していましたが、さらに長引けば単体で5億円以上の減収になるクラブもあるとされます。
放映権料は入らず、サッカー教室は中止されグッズ販売も自粛。スポンサー企業自体も売上減少に苦しむ中で、多くのJクラブが前代未聞の「三重苦」に苛まれているようです。