この秋、コーヒー、牛丼、ディズニーチケットなど、既に値上げラッシュが始まっていますが、11月1日付での値上げも目白押しです。
2021年11月に値上げされる商品一覧を、何年ぶりで、どのくらいの値上げかをその原因とともにまとめました
その根本原因に、コロナ禍と地球温暖化が関わっており、今後も値上げは継続されざるを得ないと考えるべきなのでしょうか?
2021年11月値上げ商品一覧
2021年11月値上げ商品一覧と、12月以降の大きな値上げについて見てゆきます。
家庭用冷凍食品
ニチレイフーズは11月1日納品分から家庭用冷凍食品の一部の商品を、4―8%値上げする。
食用油や小麦粉、牛肉や豚肉の価格が上昇しているためだ。ニチレイフーズが家庭用冷凍食品を値上げするのは2015年2月以来、6年9カ月ぶりとなる。
家庭用食用油
日新オイリオグループ、J-オイルミルズ、昭和産業は2021年11月1日納入分より家庭用油1kgあたり30円以上の価格改定を実施します(410円とすれば、7.3%値上げ)。
原料となる大豆や菜種の国際価格が国内外の需要拡大に伴い高騰を続けており、さらに海上輸送のコスト上昇が重なり、今年4月から4回目となる値上げに踏み切る。年間の値上げ幅も計140円(410円とすれば、34.1%値上げ)に上り、「これまで例にない状況」と漏らす。
「味付メンマ」など中華びん詰
桃屋は「味付メンマ」など中華びん詰シリーズ全9品の価格改定を行う(値上げ幅は未公表)
最高級麻竹といった台湾、中国産タケノコの厳選原料を使用しているが、国内外で消費増、高騰を続けている。今後もコロナ対策の内食・頻度増も契機になって、今後の需要減と単価下落が見通せないため、安定供給のためには商品の値上げを実施せざるを得ないと判断したという。
電気・ガス料金
原油高騰でたびたび見直されていますが、今回も引き続き値上げとなります。
電力大手10社は、11月の家庭向けの電気料金を全社値上げする見通しです。
2021年6~8月に輸入した燃料価格から算出される11月分の電気・ガス料金は一般的な家庭の場合(1世帯当たりの平均)、東京電力ホールディングスの電気料金は10月比で133円高い1カ月7371円(1.8%)。関西電力は91円増の7007円、中部電力は133円高い7026円となる。
発電用の燃料である液化天然ガス(LNG)や石炭などの価格が上がりが原因である。
大手ガス4社も値上げを決め、東京ガスは10月比で89円高い4935円(1.8%)、大阪ガスは91円高い5623円、東邦ガスは89円高い6069円になります。
タクシー料金
東北運輸局は16日、県内のタクシーの新たな運賃を公示した。料金は11.47%値上げとなり、車種区分で小型車と中型車を「普通車」に統合する。適用は11月1日付。料金改定は、消費税引き上げを除き2007(平成19)年12月以来、14年ぶりとなる。
従業員の待遇改善や燃料費・車両代高騰などを理由
既に全国各地では、昨年から今年にかけて値上げされています。
12月以降の値上げ
12月以降の値上げも続きます。主なものを挙げます。
業務用の小麦粉
製粉大手の日清製粉とニップン、昭和産業の3社は、ことし12月20日の納品分から、業務用の小麦粉の価格を値上げすると発表しました。
25キロ当たりの価格で、パンなどに使われる強力粉を315円、うどんや菓子に使われる中力粉や薄力粉については、▽日清製粉と昭和産業が345円、▽ニップンは340円、それぞれ値上げします。
政府から売り渡される輸入小麦の価格が、半年前の4月期に比べ19%引き上げられたためで、今後、パンやうどんなどの値上げにつながる可能性があります。
輸入小麦の価格の引き上げは、中国の買い付け拡大と不作による国際価格上昇、海上輸送運賃の高騰が要因で、売り渡し価格は12年半ぶりの高値となります。
小麦粉、食パン、うどんなどは年末にかけて値上がりし、外食にも影響をあたえると思えます。
はさみなど文具
コクヨは、はさみ、ホチキス、バインダーなど文具20品目を来年1月から平均約8%値上げする。
鋼材価格が高騰しているためで、値上げは2019年7月以来、約2年半ぶりとなります。
コクヨはまた、デスクや椅子など鋼材を使ったオフィス家具・製品について、8割に相当する商品を平均5%値上げします。
値上がりの主な理由
この秋以降の各種商品の値上がりの主な理由を見ておきましょう。
原材料の高騰
・食品原材料の高騰
大豆や菜種の国際価格の高騰
小麦粉の国際価格の高騰
不作:大豆・菜種の主要産地である北米地域の乾燥による生産量減少見通し
・鋼材価格の高騰
世界的な需要逼迫
鉄鉱石など原料の価格高騰
輸送のコスト上昇
・原油価格の高騰による燃料費の高騰
・コロナ後の経済活動再開によるコンテナや輸送船の逼迫など
需要回復で海運混乱、生活必需品の値上げさらに? https://t.co/SI94ONI6oj
コンテナ船の運賃高騰は食料品など輸入に頼る生活必需品に価格転嫁され、クリスマス商戦に向けた需要の高まりがさらなる値上げを招くことが懸念される。
— 産経ニュース (@Sankei_news) October 16, 2021
これらの根底にあるのが、国内外の需要拡大です。
世界的な脱炭素の動きの加速によるバイオ燃料需要の増加や、経済成長が続くインドやコロナ禍の停滞を脱して経済活動を再開した中国での輸入需要の増加等による需要が拡大です。
こうした世界的な人口増加やコロナ後の経済成長による需要拡大は今後も継続すると考えられるため、各社がこの時期に値上げに踏み切ったと思われます。
結局、コロナ後の需要の急激な増加、地球温暖化による不作やバイオ燃料需要の増加などが、この時期での値上げの根底に横たわっていると考えられます。
まとめ
- 2021年11月値上げ商品5品目を一覧しました
- 値上がりの主な理由である原材料の高騰、輸送のコスト上昇の根底にある原因としてコロナ禍と地球温暖化を挙げました
- 12月以降も、小麦粉関連のパン、うどん類や、鋼材価格の高騰による文具、家具などの値上げが続きます
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