MLBタンパベイ・レイズの筒香嘉智選手が、成績不振を理由にこのほど球団から戦力外通告を受けました。
勝負・結果が全ての厳しい世界とはいえ、シーズン開幕からわずか一カ月での非情の結末。筒香嘉智選手はなぜ「メジャー失格」になったのか。日本を代表する強打者がMLBではなぜ打てないのか。海外の反応とともに探りました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)
筒香嘉智なぜ打てない?
筒香嘉智選手は横浜DeNAベイスターズの大黒柱・主砲として長年活躍、20年、かねてからの夢だったMLBのレイズに移籍しました。
20年のMLBはコロナ禍のため大幅に開幕が遅れた上、年60試合という異例の超短縮シーズンになり、筒香選手にとってはいきなり環境面でも試練の1年目に。成績は51試合、打率.197、本塁打8本、打点24と「今ひとつ」の結果に終わりました。
そして通常の試合数に戻った今季、「自分の100%の力を毎日出し切るだけ」と意気込みも新たにシーズンに臨んだ筒香選手でしたが、波には乗れず。約一カ月の間、主に一塁手として26試合に出場し、成績は打率.167、5打点。特にアピールポイントである本塁打は「0」という低迷ぶりでした。
メジャーへの経緯
筒香嘉智選手は和歌山県出身の29歳。中学時代から長距離砲として頭角を現し、横浜高校では1年生から4番。夏の甲子園では2打席連続本塁打など活躍しました。
09年ドラフト1位で横浜ベイスターズに入団。強打の外野手として中軸に定着し、16年にはセリーグ本塁打・打点の2冠王に輝いたほか、17年のWBCでは侍JAPANの4番を務め、1次リーグMVPに選ばれる存在感を発揮しました。
なぜ打てない?
レイズは19年シーズン、本塁打数がMLB21位と長打力で見劣りしていたため筒香選手に大きく期待。入団当時、地元メディアの海外の反応も「レイズは中軸にあった大きな穴を埋めた」「ヨシはパワーと選球眼を兼ね備え、複数のポジションを守れる」と評価の声が目立っていました。
しかし、コロナ禍で調整が難しい1年目だったとはいえ計77試合で本塁打8本は明らかに不振。今季は出塁率.244、OPS.462と〝筒香らしさ〟を全く発揮できないままです。なぜ打てないのかについて、メディアでは以下のように指摘されています。
■致命的な「速球への弱さ」
元来速球が不得手で変化球打ちが巧いとされる筒香選手。「メジャーでは弱点」との懸念通り、NPB時代より直球打率が大変悪くなりました。
93マイル以上の直球打率は2020年.065、今年は.154。速球系全てに対しても打率1割台と低迷のまま。得意なはずの変化球打率も下がり「全球種打てない」形となっています。
■パワーレス&三振も急増
打席に専念できるよう今季は1塁を任されながら、87打席で依然本塁打ゼロ。長打の指標ではMLBワースト9位という「パワーレス」ぶりも露呈。三振率は30%を超え、たまにいい当たりを打っても右方向シフトに阻まれる悪循環に陥っています。
■貢献度最悪、性格もマイナスに…
元々守備・走塁は苦手で「打棒1本勝負」だった面もあり「勝利貢献度」の指標では何とマイナス。約900人の全MLB選手中、下から約20番目という体たらくです。
非常に真面目な性格で配球やフォームなどの研究を怠らないタイプだけに、かえって思い悩み過ぎ、スランプに拍車が掛かっているとの見方もあります。
筒香嘉智今後どうなるか
戦力外となった筒香嘉智選手の今後は①他MLB球団への移籍②レイズでのマイナー落ち③NPBへの復帰―が考えられます。
ただメディアは「3つとも容易ではない」との見方が。筒香選手は現在ウェーバー期間にあり、獲得球団が現れればそこへ移籍できますが、その場合、レイズに支払い義務がある残り約6億円の今季年俸を引き継ぐ必要があります。
ウェーバー終了後ならFAとして割安な年俸で獲得できるものの、この成績では手を挙げる球団の見込みはなし。マイナーに行ってメジャー再昇格を目指す方法もありますが、筒香選手の契約には「本人の承諾なしにマイナー降格できない」との特記事項があるとされます。
残るは日本球界復帰ですが、最も有力な古巣DeNAも「ポスト筒香」の態勢を整えたばかり。すぐスタメン起用されるかは不透明で、筒香選手は〝八方塞がり〟な状況のようです。
筒香嘉智海外の反応最新
- ようやくかよ
- ヨシが「ツツ」GONEになったわけか
- レッツ「ツ」「ツ」ゴー!
- 時が来てしまった…
- 崔志万はどうなった?(=韓国ファン)
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 今季開幕1か月、MLBレイズが大スランプの筒香嘉智に早くも戦力外通告
- 打率1割台、出塁率2割台、三振率30%、本塁打ゼロ。速球苦手など理由か
- ウェーバーやFAでの他球団移籍厳しく。マイナーやDeNA復帰も選択肢
メジャーではこれまで、いわゆる「長距離打者メイン」では松井秀喜氏以外成功した日本人選手はいません(大谷選手が一刀流になれば別ですが…)。
「6年連続20本塁打」と日本球界を代表するスラッガーの筒香選手には、「松井2世」としてメジャーを唸らせる活躍を、ファンは大いに期待していたといえます。
今回は残念な結果になりましたが、選手としてはこれからが円熟期。柔軟な発想力・研究力もあるクレバーなプレーヤーだけに、粘り強く復活を果たしてくれると信じたいものです。
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