この10年、いや数十年を振り返っても野球界でこれほどのサプライズ人事はなかったでしょう。何とプロ野球北海道日本ハムファイターズの新監督に、新庄剛志氏が正式に就任しました。
就任会見でも〝期待通り〟の新庄ファッションを身にまとい「新庄節」炸裂！ファンも大喜びのようですが、これほどまでに「新庄剛志はなぜ人気」なのでしょうか。野球の才能だけではないその理由を探りました。（出典：Wikipedia、スポーツメディアなど）
新庄剛志はなぜ人気か？
長らく野球界を離れてバリ島で悠々自適に暮らし、冗談か本気か「コーチは嫌。監督ならやってもいい」と嘯いてファンを苦笑いさせていた新庄剛志氏。
それがまさかまさか、NPB一軍監督就任が現実になりました。「ドッキリ企画」じゃないのといまだ目をこするばかりですが、ファンのSNSでは大歓迎の声が大半のようです。新庄剛志氏をディスる見方はなぜ少なく、なぜ人気抜群なのか、あらためて考えてみました。
新庄剛志プロフィール
新庄剛志氏は長崎県生まれ、福岡市育ちの49歳。小学校で野球を始め中学では軟式野球部、高校は西日本短大付高に進みます。甲子園出場は叶いませんでしたが、類いまれな肩と脚力をプロスカウトが高評価し、89年ドラフト5位で阪神に入団。
93年には球団最年少記録となる21歳でのスタメン4番を果たすなど才覚を現し、とりわけ超一級品の外野守備、強肩やハッスルプレーで活躍しました。20年にFA権を行使しMLBのメッツへ電撃移籍。日本人野手としてはイチロー氏とともに初のメジャーリーガーとなりました。
その後ジャイアンツに移籍すると日本人で初めてワールドシリーズ出場。通算3年間メジャーでプレーした後、04年に日本ハムへ日本球界復帰。天井からの登場、ハーレーダビッドソンを運転して外野に向かうなどド派手な「新庄劇場」でも大人気となりました。
日ハム入団会見で掲げた「札幌ドーム満員」「日本一」を達成した06年に現役を引退。バリ島に移住するとともにタレント、画家、実業家、モトクロス、馬主など「野球以外」で様々な活動を行います。
19年に突如「プロ野球に現役復帰する」と宣言し、20年の12球団トライアウトに参加。しかし獲得球団は現れず、独立リーグなどの誘いも断り再び球界を離れるかと思われましたが、このほど驚愕の日ハム監督就任が決まりました。
成績
「記録より記憶に残る」といわれた新庄剛志氏の現役成績をまとめてみました。
プロ野球
■新庄剛志プロ野球成績
・通算13年（阪神・日ハム）、1411試合、205本塁打、打率.258、OPS.737、73盗塁
■主なタイトル
・ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞10回、オールスターMVP2回
メジャー
■新庄剛志メジャー成績
・通算3年（メッツ、ジャイアンツ）、303試合、20本塁打、打率.245、OPS.668、9盗塁
新庄剛志が人気である３つの理由
野球ファンに、今でも根強くなぜ人気なのか。プロ指導歴ゼロなのにどうしてこれほど歓迎されるのか。「新庄剛志監督」の人気の理由をあらためて整理してみました。
１，底抜けの明るさと人間力
新庄劇場に数多くの面白語録、奇抜なパフォーマンス、こだわりのファッションなどスター性は新庄氏ならでは。いるだけでスポットライトが当たる底抜けの明るさ・輝きは周囲をも自然と笑顔にします。
ゴールデングラブ10回というメジャーも驚かせた外野守備の名手で、初球から本塁打を狙う豪快な打撃。そんなプレーの魅力とともに、選手からも指導者からも、そして阪神・日ハム以外の野球ファンからもその「人間力」が愛されました。
コロナ禍や「中田翔パワハラ事件」、成績低迷など暗いニュースが多い日ハムですが、23年には斬新な新球場がオープンし新時代を迎える今、「新庄イズム」で再び時代を到来させたい球団とファン双方の期待が、新監督には込められているようです。
２，「俺、俺」に見えて気遣いの人
「俺が帰ってきたからには球場は満員になる」「背番号1は俺が」と自信満々で一見「俺が、俺が」の自己中心的イメージですが、本人をよく知る仲間は「大変な気遣い、気配りの人」と口をそろえます。
稲葉新GMら日ハム元同僚も「いろいろな選手に積極的に声をかけてくれて、チームを盛り上げてくれた」「派手なパフォーマンスが目立つが、その裏にあるのは『自分以外の選手にも注目して欲しい』という思い。どうやったら選手が注目を浴びるかと率先して動いていた」と話します。
３，実は理論家&練習の鬼
「引退後は日本の野球なんて全然見てない」と放言し、指導経験もなし。他球団はコーチや解説経験豊富な監督ばかりの中「そんなので監督務まるの？」という疑問もあるようですが、実は新庄氏は相当な理論家だといいます。
YouTubeでの少年野球指導でも高度かつ分かりやすい技術解説。特に得意の守備や送球では、メジャーリーガーも唸るほどプレーには一家言あります。
しかも自身も練習の鬼で若い頃は隠れて猛特訓の日々。「練習は本当に大事。ライバルが寝てる間にしないとプロのレギュラーなんてなれない」が口癖です。監督として来季は何より「勝利」が宿命づけられますが、指導に関して問われると表情が一変し「厳しくはなる。僕が（そう）やってきたので」。
明るさとユーモア。正反対な〝厳しい勝負師〟。そんな両面も人を引きつけるのでしょうか。
新庄監督誕生への最新SNSの反応
- 久しぶりに野球が楽しく楽しみになってきた‼️
- 賛否は分かれると思いますが来季は面白くなりそうです
- 是非理論とかじゃなく野村イズムを継いで名将になってほしい
- 「俺、毎日日本シリーズなら4割打てるわ〜by新庄剛志」札幌ドームで観客が4万人を超えた日の打率は4割に達するといわれてた
- 全ての発言が的を得てて、ホント昨日の会見読めば読むほど凄いんだけど
- 新庄剛志監督、香川照之から「新キャプテンは誰？」と質問され即答…「俺」
出典：twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 今年最大の球界サプライズ！？新庄剛志・日ハム監督が本当に実現
- なぜこんなに人気なのか。底抜けの明るさとパフォ、周囲を笑顔に
- 実は気遣い豊かで練習の鬼。守備理論も高度。ユニークな監督像
野球の監督を、日本人は昔から会社の部長・役員などになぞらえます。カリスマ性があり腕を組んで常に冷静、厳しく部下を管理し営業成績を上げて組織をまとめる。「名監督＝理想の管理職」などともよく言われます。
ただ新庄氏の監督像はそんな昔監督とはかけ離れている様子。「投手・野手でタレントが生まれれば全国的に覚えてもらえる」。選手を人気者にプロデュースすることが監督業だというわけです。
「天才プロデューサー兼エンタテイナー」新庄新監督。一体どんな野球を見せてくれるのか注目していきたいですね。
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