ほとんどの100mレースで、ロケットスタートを見せる多田修平が今季絶好調です。
多田修平のスタートはなぜ速いのかの答え!その秘密を紐解いてみました。
多田修平のスタートはなぜ速いのか?
多田修平のスタートはなぜ速いのか?詳しく見てゆきましょう。
多田修平のスタートはガトリンも絶賛
2021年5月9日、国立競技場でのテストイベント「READY STEADY TOKYO」での100m決勝で、多田修平は、小池祐貴、“世界王者”ジャスティン・ガトリン(アメリカ)と争いました。
レースは、多田修平がひときわ低い姿勢で飛び出し、中盤で体一つ抜け出したものの、終盤はガトリンに追い上げられ、ゴール直前でかわされ、0秒02差で敗れました。
結果は、ガトリンが10秒24、多田が10秒26の2位、小池が10秒28の3位でした。
ガトリンは、多田修平と握手を交わし、「グレイトスタート」と称賛しました。
ガトリンには、2017年5月21日のゴールデングランプリ川崎でも、「素晴らしいスタートを切った男がいて、驚いた」と称賛を受けていました。
この時、抜群のスタートで先頭に立つと、その差を保ったまま終盤まで激走し、最後はガトリン、ケンブリッジにかわされて3着(10秒35向かい風1.2m)となったものの、サニブラウンや9秒台の記録をもつ蘇炳添(中国)を上回りました。
また、2017年8月の世界選手権(ロンドン)では、100mで準決勝に進出し、ウサイン・ボルトを相手にレース前半をリードするという“世界を驚かせる走り”をみせたこともあり、多田修平のロケットスタートは世界でも有名でした。
多田修平のスタートが速い理由
100mレースのスタートで重要なのは、「反応の速さ」や「スタブロの蹴り方」ではなく、「加速」であり、その重要度は64%を占めると言われています。
前傾で加速する前半と顔を上げてからの中盤までの60mから70mです。
多田修平が、覚醒したのは、2017年冬に大阪陸協主催する『OSAKA夢プログラム』という事業での、3週間のアメリカ合衆国遠征に参加したときでした。
その際に、ジャマイカのアサファ・パウエルと合同練習し、そこで、スタートの姿勢や肉体改造の筋力トレーニングなどについて、アドバイスや指導を受けます。
筋トレを強化し、さらに、今まではおろそかだった「体のケア」に時間を割くようになりました。
ここで、体重を3キロ増やし、筋力アップができたおかげで、一歩一歩踏む力が大きくなった。
深い前傾姿勢を作り出しながら、ピッチが速く、正確に胸の下で接地し加速ができる技術を身に着けました。
その結果、6月10日の2017日本学生陸上競技個人選手権大会(平塚競技場)では、男子100m準決勝で追い風4.5m参考記録ながら9秒94をマークし、日本国内の競技会に於ける日本選手初の9秒台を出して一躍注目されました。
2018年にはスランプに落ちいりましたが、学生から社会人となって、新たにコーチの指導を受けるようになり、殻を抜け出し、以前にも増して力をつけました。
今年、6月6日の布勢スプリント男子100m決勝では、山縣亮太に次ぐ2位で10秒01の自己ベストをマークし、東京五輪参加標準記録(10秒05)を突破しました。
スタートが速いその他の選手
山縣亮太
多田修平もスタートが速いことで有名だった山縣亮太のスタートを研究したと言います。ただ、現在では、山縣亮太が日本新記録を出した6月6日の布勢スプリント男子100m決勝でも、スタートか70m位まで、多田修平が先頭を行っており、最後にかわされたというレースです。
すなわち他のレースでも、スタートに関して、日本で、多田修平を超える選手はいないようです。
海外選手
海外に目を向けてみましょう。
過去には、ベン・ジョンソン(ジャマイカ、1961年12月30日生まれ)がロケットスタートと評されるスタートダッシュを得意とする前半逃げ切り型の選手として有名でした。
2016年リオデジャネイロオリンピックのウサイン・ボルト選手、ジャスティン・ガトリン選手、山縣亮太選手、ケンブリッジ飛鳥選手、桐生祥秀選手の疾走速度をグラフ化したものがあります。
ボルト選手やガトリン選手のトップスピード到達は70m〜80mの位置にあり、日本人選手のトップスピード位置は50m~65mを示しています。
つまり、日本人選手はトップスピードまでの到達が早く、その後失速してしまうために、トップスピードが後半にある海外選手に、結果として後半かわされるということになっています。
多田修平もこれまでのレースで、前半、ウサイン・ボルトやガトリンの前を走りながら、ゴール前で、抜かれています。
従って、現在のところスタートダッシュに関しては、多田修平が世界一と言っても良いのではないでしょうか?
多田修平のスタートに関するネットの反応
- 多田修平のロケットスタート、初めて生で見たけどほんまにロケットやった
- 多田修平のロケットスタートは腹筋だな。誰よりも顔を上げるのが遅い。
- 私的優勝候補は多田修平選手かなと思ってます❗️このスタートが決勝でもう一度決まれば敵なしの完璧なスタートダッシュでした。後半も伸びが半端ない❗️これは自己ベスト更新もあり得るか⁉️
- 多田のスタートの低さと中盤からの抜き具合は圧巻 決勝は山縣、多田どちらとも9秒台ありそう
- スタート得意な山縣にスタートから中間まで先行していた多田もすごい 桐生の日本人初9秒台の時も、今回の山縣の日本新の時も多田修平は2人に途中まで先行していた 多田の悔しさは計り知れんな。
出典:ヤフコメ
まとめ
- 多田修平のスタートは深い前傾姿勢を作り出しながら、ピッチが速く、正確に胸の下で接地し加速ができる技術を習得したから
- 2017年のアメリカ遠征でのジャマイカのアサファ・パウエルの指導で目をさまし、スタートダッシュに関しては、現在世界のトップレベルといえる
- レースでの多田修平のロケットスタートにほれぼれし、優勝を期待する声多い