スーパースプレッダーとはわかりやすく言うと、どのような感染源の人なのでしょう?
見分け方はあるのでしょうか?
今回の新型コロナウイルス感染で、スーパースプレッダーとして、最も注目されているのが英国人のスティーブ・ウォルシュ(Steve Walsh)さんで、11人に感染させたといわれています。
スーパースプレッダーとはわかりやすく言うと?
スーパースプレッダーとはわかりやすく言うと、自分以外の多くの人に2次感染を引き起こす感染源の人を言います。
アメリカのCDCなどがSARSについてシンガポールでの5人のスーパースプレッダーについてまとめたレポートでは、10人以上への感染拡大の感染源となった患者がスーパースプレッダーと定義されています。
しかし、世界的に何人とはっきりした定義はないようです。
感染症コントロール・感染症疫学上で、懸念材料とされています。
11人のウイルス感染招いた英国人「スーパースプレッダー」、回復を発表https://t.co/IDCkQzRU5I
— AFPBB News (@afpbbcom) February 11, 2020
先のスティーブ・ウォルシュさんの場合、武漢はもとより、中国さえ渡航歴はありません。
最初、シンガポールでの国際会議(1月20~22日)に出席した時に何人かの、中国と深いかかわりのある人たちと接触しています。
はっきりと断定はされてはいませんが、この時感染したとの見方が有力視されています。
その後、1月24~28日フランスアルプスのコンタミンヌモンジョワ(Contamines-Montjoie)で休暇を過ごし、その段階で数人に感染させています。
帰国後、発熱し、南東部ブライトンにある医療センターを受診しましたところ、新型コロナウイルスに感染と診断されました。
2月6日には、首都ロンドンにあるセント・トーマス病院(St Thomas’ Hospital)の感染症科に移されました。
少なくとも、11人に感染させたとされています。
感染の広がりはバレートの法則(80::20の法則)に従うとされています。
つまり20%の感染者が80%の人の感染に関与していることです。
バレートの法則は、売り上げの80%は従業員の20%が生み出しているという経済界での経験則や、働きアリの世界で見られることがよく知られています。
SARSの流行の際は、数十人に感染した「スーパースプレッダー」の存在が顕著でしたが、他の感染者はほとんど、またはまったく感染させていません。
全体でみるとほぼ20%の感染者が残りの80%に感染させている法則が当てはまります。
MERSでは1人の入院患者から82人に感染した例があります。
今回の新型コロナウイルスでも、病院の患者10人以上の医療関係者に感染した報告が挙がっています。
20世紀初頭、健康な保菌者メアリー・マロンが腸チフスを47名に感染させ、3名が死亡させた事件があり、その当時は健康な保菌者が感染させると言う概念はまだありませんでした。
彼女がきっかけで、スーパースプレッダーの考えが定着しました。
スーパースプレッダーの見分け方はある?
スーパースプレッダーの特徴を見てみましょう。
・生物学的要因
大量のウイルスを生産する患者
無症候性(発症しない)のウイルスキャリア(無自覚にあちこち移動する)
発症するまでの期間が長い感染者(無自覚にあちこち移動する)
肺炎コロナウイルスは潜伏期間が1週間ほどあり、無症状のケースも多数報告されています。スティーブ・ウォルシュさんのように、気づくまで、1週間ほど経っています。
・人物・性格
頻繁に旅行する社交的でフレンドリーな人。感染者から2m以内に少なくとも15分いると濃厚接触者となり、感染する恐れが高い。
掃除が嫌いな人
髪や顔をよく触る人
・環境
通勤電車、混雑する乗換駅、地下鉄で長く座る。
クルーズ船
航空機の客室乗務員
グローバル化で世界を渡り歩いている人
これらの特徴を持った人がよりスーパースプレッダーとなりやすいとは言えますが、この人がスーパースプレッダーだと見分けるのは難しく、結果論となる場合が多いと思われます。
スーパースプレッダーに関するみんなの反応
スティーブ・ウォルシュさんに対する記事のコメントで見ていきましょう。
- …本名顔出し、イギリスすごいな。
- 名前、顔だしは しなくて良いと思う。…子供とかいたら、日本ならひどいいじめにあいそう。イギリスは間隔が違うのかな
- この方の体内ウィルスの数が、平均的な方のウィルスの数の数倍、数十倍ならばスーパースプレッダーですが、…単に、接触者が多く、新型肺炎のウィルスの感染力の問題ではないのでしょうか?
- この人も被害者だし、故意に感染させた訳でもないのに。スーパースプレッダーの定義も曖昧なのに、言葉が一人歩きしてる。
- 咳をする時に手で口元を覆うこともせず、マスクもせず平気で咳してる無神経な人いますね。本当にやめてほしい。
出典:twitter
出典:ヤフコメ
たしかに個人の特定すべての行動などよくここまで、調べて公表したものです。
確かに、スーパースプレッダーの特徴を多く持っていますね。
まとめ
- まだ定義は世界的にはっきり決まっていませんが、1人が10人以上の感染にかかわった時、スーパースプレッダーと呼んで良いようです
- スーパースプレッダーの見分け方は現時点で確立していません
- スーパースプレッダーの歴史は古く20世紀初頭の腸チフス事件にさかのぼります
筆者の知人も風邪のスプレッダーになりかけたことがあるそうです。
パン屋に勤めていた頃、風邪、インフルエンザのシーズンになると、地下鉄の車内あちこちで、咳き込む人がいます。
マスクをしながら。車両を変えて、逃げ惑いますが、とうとううつされてしまいました。
職場では彼の代わりに仕事する人がいないので、続けて出勤しましたが、治りかけの1週間後、鼻をずるっと言わせた同僚が4~5人が私の周りを取り囲み、嫌みを言い始めました。
「誰にうつされたのだろうね?」私は嫌みやいじめに動じないけれど、内心、皆に気の毒なことをしたと思いました。
いずれにしても感染症のスプレッダーにはなりたくないですね。
感染したら、いくら忙しくても、家にこもっていましょう。
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