5月下旬に日本で3年ぶりに皆既月食が見れます。しかもこの日の満月は、年間で最大の満月スーパームーンです。
月が完全に地球の影に入ると「赤銅色」と呼ばれる、赤黒い色となり、ブラッドムーン(血の色)とも呼ばれますので、スーパー・ブラッドムーンとなります。
皆既月食の言い伝えとはどんなものがあり、不吉なのでしょうか?
なお、前回のスーパー・ブラッドムーンは2015年9月で、次回は2033年10月8日です。またとない機会ですので、しっかり記憶に残しておきたいところです。
皆既月食の言い伝えとは?
「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる、赤黒い色に見えます。
皆既月食の際、地球の大気を通過して屈折した太陽光線に照らされることで、月が赤く色づいて見える自然現象を指します。
太陽光が地球の大気を通過するうちに波長の短い青や緑成分が散乱するため、長い波長の赤成分が残って月を照らすからと説明されています。
地球上層大気の透明度の具合で、皆既月食の赤い色づき方が大きく変わるそうですので、今回はどのような赤銅色となるでしょうか?
不吉と言われるのは?
・皆既月食(ブラッドムーン)の赤銅色が、血に染まった月を思わせ、人の不安をあおる。
・過去の皆既月食の前後に大きな地震が発生した。
・古来から洋の東西を問わず不吉な言い伝えがある。
中国:「龍が月を食べている」不吉なイベント。
インカ:「ジャガーが月を攻撃している」。
メソポタミア文明:王様が良い仕事をしていないので「月が王様に攻撃をかけている」。
インド:月食の時の食べ物が汚れ、病気の原因になる
日本の中世の人びとは、月食を「何か良からぬことが起こる兆し」だと考えていたようです。
九条兼実の日記『玉葉』や鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて起こった月食の記事が多くあります。
ここには、「月食」ではなく、端から少しずつおかしていくという意味の「蝕(むしば)む」を用い、「月蝕」と表記しています。
九条兼実は月食のときには、「一字金輪法」や「愛染王法」(密教の修法の一種で、人に何か悪いことが起きるのを止めるためのお経のようなもの)をひたすら唱え、月を見なかったと言います(日記『玉葉』)。
また、平安時代末期の歌人西行は、「山家集」に、
「忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも 破(わ)れて月見る 名や立ちぬらん」
(世間の人々は月蝕は不吉だと言って光にも当たらないようにしているが、私はそういう月であればなおさら、無理をしてでも見ようとする。奇人変人の悪い評判が立たなければ良いのだが)という歌を残しています。
昔から、洋の東西を問わず、月食が一般に不吉であると考えられていたことが分かります。
皆既月食2021の日時
皆既月食2021は5月26日(水)の夜、日本各地で見ることが出来ます。
各地の時間は以下となっていて、月の出以外の時刻は、同じで皆既月食のピークは、20時18.7分となります。
月は南東方向で、皆既食のときで高度15度前後、部分食終了時で高度30度未満と低い位置にあります。よく見える場所をあらかじめ当たっておいた方が良さそうです。
北海道西部、東北地方西部、中部地方西部、西日本では欠けた状態の月が昇ってくる「月出帯食」となります。
当日は各地の天文台がYouTubeを使ってライブ配信を行います。
国立天文台(東京都)の月食のライブ配信
三鷹キャンパス(東京都)から専門家の解説付きでの天文ショーを見れます。
5月26日 18:00開始
兵庫県明石市立天文科学館(同市人丸町)の月食の生中継
5月26日 18:00~22:00
【月食は何時?】
5月26日(水)19時すぎに、欠けた状態で東の空から月が昇ってきます。
20時すぎには赤っぽい満月となります。
夜ごはんの前後やお仕事帰りでしょうか。
観察しやすい時間帯に起こりますのでぜひご覧ください。
晴れますように。#伊丹で月食 pic.twitter.com/cTYwTrOu9T— 伊丹市立こども文化科学館【#伊丹で月食】 (@itamidegessyoku) May 20, 2021
皆既月食2021に関するみんなの反応
- 見たら運気が下がるなんて話もあるけど、見たい
- 日食も月食も食=蝕であり、「 凶兆 」とされている。 2021年5月26日の皆既月食は、プライベートの部分でダメージが強く、女性と子供に影響が出やすいそう。
- 全国で皆既月食が見られます。月はさそり座のアンタレスの上方にあり、皆既時には月が暗くなるので星空のなかに満月が浮かぶようすが楽しめます。
- 2021年最大のスーパームーンかつ皆既月食🌕✨ これは絶対に拝ませて頂こう💕
- 来週の今日の、夕方から夜の見やすい時間帯です。ただもう梅雨だしなあ(;;)/
出典:ヤフコメ
まとめ
- 昔から世界各国で、皆既月食についての不吉な言い伝えがある
- 5月26日(水)18時45分から月が欠け始め、20時09分に皆既食となり、20時28分に皆既食が終わり、21時53分には部分食も終わる
- スーパームーンかつ皆既月食を是非楽しみたい、早すぎる梅雨だけど何とか晴れてほしいとの声が多い
各地の天文台が、Youtubeで、企画している月食のライブ配信で、専門家の説明を聞きながら、一味違った皆既月食を楽しむのも記念になるのではないでしょうか?