同じ日本に住んでいて日本語を話しているはずなのに、「え!今なんて言ったの?」と思う時がありませんか。
住んでいる場所や出身地が違ったら、聞いたことのない言葉を聞くことがあります。同じ言葉でもイントネーションが違って、「なんか違う」ということもあるでしょう。
各地方によってその土地だけの言葉ってあり、それが方言です。
逆にテレビやラジオでアナウンサーが話す標準語を日常的に話している人は、日本人の中でどのくらいいるのでしょう。
ほとんどの人は多少なりとも方言を使っていると思います。
自分の住む地域以外の方言を知っていると、初対面の相手でも「○○の方かな」と想像をすることができます。
そしてそれをネタに話が弾むこともあるのです。
全国の方言を知っておくとオトクですよ。
そこで、今回は「沖縄県の方言」を紹介します。
沖縄弁
沖縄の方言は、沖縄では「ウチナーグチ」といわれています。
ウチナーグチは県内でも「北部方言」と「中南部方言」があり、うるま市と金武または恩納村と読谷村の間に境界があります。
ちなみに、南部にある津堅島や久高島は北部に含まれます。
そして宮古島や与那国島などの離島は置くなわ方言と歯また異なる方言になっています。
沖縄方言は琉球王国の時代に首里城に按司たちが集まったときのための共通語として作られた言葉です。そのため首里方言は共通語として使われてきましたが、明治時代以降、商人たちが集まる那覇の方言の方が広く使われるようになったことで、共通語が首里方言から那覇方言に変わったという経緯があります。
沖縄方言は本州で用いられる共通語のオ段母音が「ウ」になり、エ段母音が「イ」になるという特徴があります。
例えば「て」の母音は「e」ですが、沖縄では「i」になるので「て」ではなく「てぃ」になり、「ト」の母音「o」が「u」に変わるので、「ト」ではなく「トゥ」と発音されるということです。
アクセントにも特徴があります。下降型と平板型の二つのパターンがあり、1拍目が高くて2拍目が低いのが下降型で、3拍以上の単語は3拍目以降が低くなります。平板型は概ね平坦に発音するというものです。
文法面での大きな特徴は、「~の」が「~ぬ」になったり、ごびに「~さ」をつけることです。
そのほかにも沖縄の方言には、本州で話される言葉とは全く異なった方言がたくさんあります。
戦後生まれの人達を含む現在の人たちの若い世代は「ウチナーヤマトグチ」と言って、標準語に「~さ」をつけたりアクセントを沖縄なまりにした言葉で話しています。
あ行の沖縄弁
あ行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
あきさみよー あぎじゃびよー |
ちくしょう なんてこった |
|
あたいめー | 当たり前 当然のこと |
こんなことはあたいめーやさ(そんなことは当たり前だよ) |
あちさいびーんやー | 暑いですね | |
あふぁー | 気まずい | てーじあっふぁーやっさー(とても気まずかったよ) |
あらん | 違う ~ではない |
「しんけん?」「あらんあらん」(「本当?」「ちがう違う」) |
あんくとぅやー | その通り そうだね |
|
あんまさい | 面倒くさい | あんまさいから宿題したくない(面倒くさいから宿題したくない) |
いーそーぐちわれ | おめでとう | |
いきが | 男 | |
いきがんぐゎ | 息子 | |
いちゃりばちょーでー | 一度行き合えば兄弟 | |
いなぐ | 女 | |
いなぐんぐゎ | 娘 | |
うーじ | さとうきび | |
うーとぅ | 夫 | |
うきみそーちー | おはよう | |
うたたん | 疲れた | 今日はてーじうたたん(今日はすごく疲れた) |
うちなーんちゅ | 沖縄の人 | |
うっちん | ウコン | |
うにげえさびら | お願いします | ゆたしくうにげーさびら(よろしくお願いします) |
うむやー | 恋人 |
か行の沖縄弁
か行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
かなさん | 愛しい | かなさんどー(愛してるよ) |
かむん | 食べる | うり、かめー(ほら、食べなさい) |
かりーさびら | 乾杯 | |
がんじゅー | 元気 | ちゃーがんじゅう、やみせーみー?(お元気ですか?) |
きどぅるん | 気取る | きどぅってぃ、なんでよ?(気取って、どうして?) |
きょら | 美しい | きよら海(美しい海) |
ぐぶりーさびら | 失礼します | ぐぶりーさびたん(失礼しました) |
くまいん | 困る | あいつうしえててくまいん(あいつ生意気で困る) |
ぐるくん | 沖縄の県魚(タカサゴ) | |
くゎっちーさびたん | ごちそうさま | |
くゎっちーさびら | いただきます |
さ行の沖縄弁
さ行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
さーたー | 砂糖 | サーターアンダーぎ(砂糖のてんぷら) |
しむん | いいよ | 「さきぬみがいか?」「しむん」(酒飲みに行かないか?)「いいよ」) |
じゅーしー | 沖縄の炊き込みご飯 | |
じょーぐー | 大好物 | 私はそばじょーぐー(私はそば好き) |
しんか | 仲間 |
た行の沖縄弁
た行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
たいみそーちー | おつかれさま | 仕事うわとぅん、うたいみそーち(仕事終わった、お疲れ様) |
ちばいーん | がんばる | 今日もちばいーん(今日も頑張る) |
ちばりよー | がんばれよー | |
ちぶる | 頭 | |
ちむじゅらさん | やさしい | やーはちむじゅらさんやー(お前は優しいね) |
ちゃーびらさい | ごめんください | |
ちゃっさやいびーが | いくらですか | |
ちゃんぷるー | 沖縄の炒め物の総称 | ゴーヤチャンプルー、豆腐チャンプルー |
ちゅーうがなびら | こんにちは | |
ちゅーばー | 強い人 | |
ちゅらかーぎー | 美人 | |
ちゅらさん | 美しい | うんじゅ、いっぺー、ちゅらさん(あなたはとても美しい) |
ちょーでー | 兄弟 | |
つあんまー | 母 | |
でぃきやー | 頭がいい | |
でーじ | すごく 大変 |
でーじでぃきやー(すごく頭がいい) |
てーげー | 適当 いい加減 |
てーげーでいいんじゃないの?(だいたいでいいんじゃないの?) |
てびち | 豚足 | |
とぅじ | 妻 | |
どぅし | 友達 |
な行の沖縄弁
な行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
ないちゃー | 本土の人 | |
なんくるないさ | なんとかなるさ | |
にふぇーでーびる | ありがとう | |
ぬーやいびーか? | なんですか? | うれーぬーやいびーか?(これなんですか?) |
ぬちどぅたから | 命こそ宝 |
は行の沖縄弁
は行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
はいさい はいたい |
こんにちは (男性はハイサイ、女性はハイタイ) |
|
はじかさん | 恥ずかしい | ちょっとはじかさたん(ちょっと恥ずかしかった) |
はじみてぃやーさい | はじめまして | |
ひーさいびーんやー | 寒いですね | |
ひじゅるさん | 冷たい | ひじゅるされぬまん(冷たければ飲まない) |
ひっちー | しょっちゅう | |
ふらー | バカ 馬鹿者 |
|
ふらーふーじー | 馬鹿みたいな事をする人 |
ま行の沖縄弁
ま行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
まーさいびーん | おいしい | いっぺーまーさいびーんど(とてもおいしいよ) |
まーす | 塩 | |
まーやいびーが? | どこですか? | くまーまーやいびーか(ここはどこですか?) |
めんせーり | いらっしゃる | なま、めんせーり?(今いらっしゃる?) |
めんそーれ | いらっしゃい | めんそーれ沖縄へ |
やらわ行の沖縄弁
やらわ行 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
やーにんじゅ | 家族 | |
やっさー | そうだね ~んだなぁ |
今日は寒いやっさー(今日は寒いなあ) |
ゆくさー | 嘘つき | |
ゆたしく | よろしく | ゆたしくうにげーさびら(宜しくお願いします) |
ゆんたく | おしゃべり | |
りくちくわいむん | ずるい | わーぬりくちくわいむさにワジワジー(お前のずるさに腹が立つ) |
わかやびたん | わかりました | |
わっさいびーん | ごめんなさい | |
わらばー | 子ども | |
わらわさんけー | 笑わすなよー | |
わん | 私 | |
んじちゃーびら | さようなら |
まとめ
日本全国地域によって話す言葉が異なりますが、名詞に関してはほぼ同じか、異なっていてもゆっくり聞くとわかります。しかし沖縄の方言では名詞自体わからない言葉が多いです。
たとえば「家族」は「やーにんじゅ」、塩は「まーす」、頭は「ちぶる」というなど、知らなければ想像もつかないような言葉がほとんどですね。
しかしそれが沖縄の魅力ではないでしょうか。
個人的に沖縄が大好きで10回くらい訪れています。
沖縄の今の世代の人たちからは、難しい方言を聞くことはほとんどなく、観光地の現地スタッフもよくわかる言葉で話してくれます。
それでもやはり沖縄は、元琉球王国という歴史を持ち異国情緒があるところも魅力的です。
そのため、琉球王国の時代から引き継がれた独特な方言を今後も残していってほしいと思います。