19日に2020年の今季開幕を控える中、NPBは今季全日程を発表しました。毎年すっかり恒例になっている2020クライマックスシリーズ(CS)は、今季についてはセリーグで実施を断念。パリーグだけの開催になります。
パでも今季CSはファイナルステージだけの「3勝先取制」に短縮。この発表にファンの間では「今季はCSいらないよ」「そこまでしてやるか?」の声が。かねて指摘されていた「CSの疑問」があらためてクローズアップされています。
CSいらないの声も!2020年はパのファイナルのみ
今季NPBはコロナ禍で三か月遅れとなったことから、試合数は120戦に短縮。それでも予備日を含めてセが11月7日、パは11月6日までシーズンが続く異例の遅さとなります。
セは6球団中4球団の本拠地が屋外球場のため、11月21日開始の日本シリーズまでに十分な予備日を確保しシーズンを完全消化するため、CSは行わないことを決断。一方でパは屋外は楽天、ロッテだけで順調な消化が見込めるとして、「短縮バージョン」でCSを実施すると発表しました。
パリーグだけで行われる2020CSの概要は以下の通りです。
・11月14日~17日の4試合制(18日は予備日)。
・全試合を、シーズン1位チームの本拠地で実施。
・1位チームに1勝のアドバンテージ付与。
・先に3勝すると日本シリーズ進出。
・「○○ステージ」の名称はなく「CS」のみに。
パリーグは「ファンにシーズン終盤戦の興味を持ってもらうため、盛り上げ策が必要」と実施の理由を説明していますが、肝心のファンからは「いらないよ…」の声が噴出しているようです。
CS2020に疑問がある3つの理由
コロナ禍で非常に変則的な条件と日程になった2020年のNPB公式シーズン。07年から続き、盛り上がり度でもすっかり定着したCSですが、セリーグは初めての非開催に。パもかなり短縮するだけに、ファンの間では「いらないのに」と従来からの疑問があらためて増大しているようです。指摘される3つのポイントをまとめました。
1.日程消化の危うさと不平等さ
NPBによると、パはCSの予備日が1日あり、この日も使うと中2日で日本シリーズに突入。ドームが多いための設定ではありますが、不測の事態になった場合「日本シリーズまで連戦」といった強行日程もあり得ます。
一方セは、天候不順の影響が心配されますが、仮に最短でシーズンが終われば日本シリーズまで2週間空くことに。パは選手消耗のリスク、セは勘が鈍る恐れと、日程消化や平等性の面で疑問が指摘されています。
2.リーグ優勝の意味より薄く
疑問の2点目は「パは1位と2位だけで決戦」という形式。従来でさえ「6球団中半分の3球団に日本シリーズ進出の可能性があるとは多すぎ」と言われる中、2段階の選抜方式を採っていますが、今季は3勝先取(1位チームは2勝すれば勝ち抜け)のみで、かなり〝一発勝負感〟が濃厚。
以前からCS自体に「リーグ優勝の重みがなくなる」と批判があるのに、仮に2位球団が勝ち抜くと、ペナントレースや日本シリーズの存在意義さえ問われかねません。
3.ゲーム差や勝率の正当性は
これもかねて「反CS派」から言われることですが、仮にシーズンを独走で優勝したり、2位以下の勝率が5割を下回るなど低い場合、「CSを行う正当性がない」という点。
いずれも順当に優勝チームが勝ち抜けば問題ありませんが、何があるか分からないのが短期決戦。「大差の2位」「勝率4割台の2位」がパリーグ代表になれば、益々日本シリーズは「日本一決定戦」とはいえなくなります。
CSパのファイナルのみに関するネットの反応
- 2チームのCSならやる必要性あまり感じない。普通に今年は優勝チーム同士の日本シリーズでいいと思う
- これ、1位のチームは辛いな
- CS自体そこまでしてやる必要はあるのかなぁ…というのが正直なところ。何で優勝チームと戦うの?
- むしろ廃止しましょうや。今年はただでさえ日程カツカツなのに無理してやる意味全くない
- 10ゲームとか離れてたらどうなるのか…。せめて2勝くらいアドバンテージいるのでは
出典:ヤフコメ欄
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 2020NPBのCSはパリーグだけで開催。しかも「3勝先取」にかなり短縮
- セは消化優先で断念。パ「盛り上げ策必要」。ファンは「いらない」
- 日程不平等、優勝の価値減、独走1位の正当性…疑問点も多く指摘
セリーグが今回CSを断念した理由の一つに、選手の体調管理もあるそうです。プロ野球では原則として14連戦は禁止されており、負担を避けながらシーズンを消化するにはCSは困難。結果的に両リーグで対応が分かれ、パが不人気を挽回しようと先に始めたCS以前の頃のようになってしまいました。
CSは客入りや視聴率もよく大きなスポンサーがつくため、収益面からセパとも「やれるならやりたい」のが実情ともいわれます。シーズン短縮・無観客スタートで収益減が避けられない中、経営面を考え「どうしてもやりたい」パ球団の思いも滲んでいます。
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