日本ハムの有原航平投手が来季、メジャーリーグのテキサス・レンジャーズへポスティング制度を利用して移籍することが決まりました。
今オフではNPBからのメジャー移籍決定第一号となった有原航平投手。ただファンからは「ちょっと無理しすぎ?」「通用する?」と不安視する声も。「有原レンジャーズ行き」は正解なのか、探りました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)
有原航平のメジャー移籍は無理しすぎ?
27日朝、レンジャーズは有原航平投手を2年契約で獲得したと発表。米東部時間26日午後5時(日本時間27日午前7時)のポスティング交渉期限間際というギリギリのタイミングで、有原投手が大学時代から「力勝負に憧れます」と夢だったメジャー移籍が決定した形です。
今オフにメジャー行きを希望しているNPB選手たちの中では最速で決定した有原航平投手。ただ、ファンからは祝福の一方で「有原?ちょっと無理しすぎじゃない?」といったささやきも聞こえているようです。
近年、ポスティングでメジャー移籍したエース級の先発投手を見てみると、NPBで圧巻の成績を残してMLBの門を叩いたケースがほとんど。例えば以下のような事例です。
・ダルビッシュ有 …… 沢村賞1回、MVP2回、最優秀防御率2回など
・田中将大 …… 沢村賞2回、MVP1回、最多勝2回など
・大谷翔平 …… MVP1回、最多勝1回、最高勝率1回など
・前田健太 …… 沢村賞2回、最多勝2回、最優秀防御率3回など
これに比べると有原航平投手の成績は見劣りすると言わざるを得ません。NPB成績と主なタイトルは以下の通りです。
■有原航平 …… 日ハム6年間で60勝50敗、防御率3.74。最多勝1回、15年新人王。
今季成績は8勝9敗で、チームの勝ち頭ではあったものの日ハムは5位。6年間で二桁勝利3回、奪三振が100個を超えたのも3回。1シーズン投球200回超は一度もなし。沢村賞やMVPもなし。怪我の影響もあり18年には不調のため、プロで初めて救援に回った時期もありました。
果たして有原投手はメジャーで成功するのか。レンジャーズ、そして有原投手自身の「勝算」はどこにあるのでしょうか。
有原航平のメジャー年俸は?
「無理しすぎ?」論もある有原航平投手のメジャー移籍ですが、しかし歴としたメジャー球団・レンジャーズが正式に獲得したのは事実。ではその契約内容をチェックしましょう。
報道によると、有原投手のレンジャーズでの年俸は2年総額620万ドル(約6億4000万円)。2021年は260万ドル(約2億7000万円)、22年は360万ドル(約3億7300万円)となります。20年の日ハムでの年俸1億4500万円からは倍以上の大幅アップです。
なお、日ハムへ支払われるポスティング費用は124万ドル(約1億2800万円)で、これを含めるとレンジャーズにとっては総額744万ドル(約7億7000万円)の契約となります。
Ladies & gentlemen, Kohei Arihara. pic.twitter.com/0hAOyWo42R
— Texas Rangers (@Rangers) December 26, 2020
有原航平が通用する3つの理由
有原航平投手は広島県出身の28歳。広陵髙→早大を経て14年ドラフトで4球団競合1位指名の末、抽選で当てた日ハムに「将来のエース」の期待を背に入団しました。
そして来季からいよいよ夢のメジャーへ。「無理っぽい?」とのファンの心配を打ち消すような「大丈夫。有原は通用する!」の理由3つをあらためて考えてみました。
再建中のレンジャーズ
メディアなどによると、今回の契約合意は有原側・球団側のウィンウィンな思惑があるといいます。レンジャーズは今季アリーグ西地区最下位。ポストシーズンも遠のいたままで来季は再建が急務です。
メジャー最低レベルの先発防御率てこ入れが優先課題の中、エースのリン投手をトレードで放出。コロナ禍で減収になったこともあり、「安い価格で多くのイニング数をこなせる先発3~5番手の投手」を求めていました。
一方有原投手としても、メジャーに慣れる必要から金額面は二の次とし、すぐ結果を求められたり救援に回される恐れがある強豪球団以外で複数年契約を希望。その結果両者のニーズが合致、有原投手は「先発確約」と新たな環境に適応する2年という時間を得たわけです。
日本ハムと深い関係
レンジャーズは以前から日本球界と縁が深く、所属する日本人選手は有原投手で8人目。日ハムとは業務提携を結んでおり、日ハムからの移籍は建山、ダルビッシュ投手に続いて3人目で、馴染みやすい環境が整っているといえます。
球団の施設も有原投手にはプラス。今季オープンした本拠地球場グローブライフ・フィールドは開閉式屋根付きの最新型。空調も完備されており、夏40度を超えるテキサスの酷暑に悩まされることがなくなり、従来「投手不利」とされてきたデメリットは大幅に改善されました。
メジャー向きのスタイル
有原投手は身長190cm近い大柄選手。解説者によると、恵まれた体格を生かした投球スタイルは「外国人に似ている」そうです。小柄な日本人投手は股を大きく割って踏みこんで投げますが、有原投手は自然な歩幅で強い球を投げられ「硬いメジャーのマウンドにあう」との見方も。
テキサスの地元メディアも「彼は米国に来た他の日本投手のように圧倒的ではないが、5種類の球種を持ち、直球は走り、落ちたり伸びたりする」とメジャーへの早い順応に期待しているようです。
Tickets for the @LockheedMartin Commanders’ Classic are now on sale at https://t.co/UgxbG4euXQ pic.twitter.com/1sBIqQiJLq
— Globe Life Field (@GlobeLifeField) December 17, 2020
有原航平のみんなの評価まとめ
- そんなに評価高いのか。年俸も日本ハムでは不可能な額だし、良かったじゃないか
- 日本で無双した訳でもない先発投手がポスティングでメジャーってのは、どうなのかね?楽しみではあるが
- 2年ならダメだったときに日本に戻りやすいし、いいところじゃないかな
- 3番手で年俸3億!半端ねー!こりゃ軒並みメジャーにいかんと人生損な気がする。日本なら2000万ももらえないでしょ
- ところで、ドスコイ山口は元気かな?
出典:ヤフコメ欄
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 日本ハムの先発エース有原航平がMLBレンジャーズと2年契約で移籍決定
- 最多勝1回だけ、今季も負け越しでファンからは「無理しすぎ」懸念も
- 年俸3億円超。「安く先発投手補強」「2年の順応期間」で両者思惑一致
年内に契約が決まった有原投手は幸運だったといえるかもしれません。コロナ禍はMLBの移籍市場にも大きく影響。毎年活発にFA報道がある12月下旬でさえ、今年は全くと言っていいほど音沙汰がありません。「コロナ減収」が響き球団の動きが非常に低調なためです。
今オフ日本からは他に沢村、西川、菅野選手がMLB移籍を希望。ポスティングでは30日間と交渉期間が限られることもあり、多くの外国人FA選手が〝滞留〟している中、とりわけ難しい「移籍先探し」となりそうです。
2020年プロ野球シーズン、さまざな選手の活躍がありましたが、中でも新人王に輝いた広島の森下、西武の平良両投手の存在感は傑出していました。 今回はその平良海馬投手に注目。年俸の推移はどうなのか。高校時代はどんな選手だったのかなど、「海[…]
セ・リーグの新人王は、10勝3敗、防御率1.91の好成績を残した広島のルーキー森下暢仁投手(23)となりました。 森下暢仁の年俸推移をセパ新人王12投手のその後から予想しました。プロに進まず明治大学に進学した高校時代はどうだったのかを[…]