コロナ禍による緊急事態宣言を受け、対象地域の大都市を中心に、感染拡大を防ぐ目的でさまざまなお店が続々と閉店を始めています。世界的に人気が高いコーヒーチェーン「スターバックス」もその一つです。
9日から多くの店で休業を始めたスタバ。その1日の売り上げって、そもそも幾らくらいなのでしょうか。休業は業績にどう響き、いつまで続くのか。「スタバショック」の波紋を探りました。
スタバの1日の売り上げは?
国内のスタバ各店を経営する「スターバックスコーヒージャパン」は、8日に次のようなリリースを発表しました。
・9日から、東京・神奈川・大阪など緊急事態宣言対象7都府県の店舗を休業
・休業は9日から当面の間
・それ以外の国内店舗では19時までの短縮営業とし、ソーシャルディスタンスを保つため、座席数を減らし間隔を広げて余裕ある配置に変更
公式サイトによると、スタバの国内店舗数は1530店(19年末現在)で、このうち休業対象となるスタバ店舗数は約850店に上ります。
スタバファン、コーヒー好きには何ともつらい「自粛ダブルパンチ」となり、しかも今後いつまで休業が続くかは不明。カフェなどホッと一息つく空間もどんどん奪われる形で、街中に繰り出す人たちはますます減りそうです。
ところでそもそも、スタバの1日の売り上げはどのくらいなのでしょうか。休業で1日当たりどのくらい売り上げが減るのか、想定を交えて調べてみました。
日本での運営会社スターバックスコーヒージャパンは、かつては株式を上場していましたが、15年に米スターバックスの完全子会社となり、上場廃止となりました。このためその後は詳細な業績は公には発表されていませんが、日本経済新聞紙上に決算公示が掲載されていますので、そこから直近の業績をご紹介しましょう。
■スタバ・ジャパンの業績(18年10月~19年9月)
売上高 2011億円(前年度比+10%) (前年度1827億円)
営業利益 182億円(+29%) (143億円)
当期純利益 128億円(+14%) (112億円)
売り上げ、利益とも10%以上の順調な増加。ここ四年間の業績推移でも右肩上がりを続け、好調さを裏付けています。
■スタバの1日の売り上げ
店舗ごとの1日の売り上げは公表されていませんが、単純に総店舗数で売上高などを割ると以下の通りとなります。
・1店当たりの1年の売上高 約1億3000万円
・1店当たりの1日の売上高 約36万円
・1店当たりの1日の利益 約2万3000円
勿論お店の規模や場所などによって、お客さんの多さには違いがありますので、一概にはいえませんが、平均するとこうした金額に。7都府県の850店は特に大都市部ばかりでお客さんが多いと思われますので、休業による売り上げ減は大きいと考えられます。
単純計算では1日3億円の売り上げが失われ、一カ月続けば90億円に。他の営業店舗も客入りが減るとみられるため、実に1か月で年間売上高の5%ほどが減少する「打撃」となりそうです。
スタバの休業はいつまで?
1日の売り上げは1店当たり40万円弱だと算出されるスタバ各店。スタバの定番メニューを頼むのがルーティンになり、ほぼ毎日通い詰めるようなファンにとっては休業はとても痛い事態だといえます。
スターバックスコーヒージャパンは、休業について「当面の間」とし、終了日を明らかにしていません。緊急事態宣言はゴールデンウィーク明けの5月6日までとされていますので、最悪の場合5月6日まで継続される恐れもあるかもしれません。
都府県知事の指導や他のコーヒーチェーンやレストラン業界などの動きも見ながら、終了日は判断されていくとみられますが、少なくとも1、2週間続くことは間違いなさそうです。
スタバ休業の衝撃・ネットの反応は?
- これはもう全カフェおやすみになると思って、外食パフェは諦めて自作パフェするしかないか
- 最後のスタバに行列って…1年後でもスタバのコーヒーは飲めると思うぞ
- スターバックスも遂に休業になったが、シフト決定してた分の給料は出すだと!ありがとう
- 家でだって美味しいコーヒー飲めるからね
- スタバ某店の常連ですが、それこそ不要不急ではないかと。家で飲むための豆がなくなったのは痛いですが…
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- コロナ禍・緊急事態宣言受け7都府県のスタバ850店が9日から休業
- 1店当たり売上高は40万円弱か。1か月休業で売上90億円減の恐れも
- 休業は1か月近く継続か。「最後のスタバ」に惜しむファンの列…
東京都は今回、事業所に休業要請するに際し「基本的に要請する施設」「施設の種別によって要請する施設」「社会生活を維持する上で必要な施設」の3類型を設定。
飲食店は「必要な施設」に分類されるといいますが、ただキャバレー、ナイトクラブなど接待を伴う飲食業やネットカフェなど、「3密」に当てはまる業種は自粛対象になるとされます。東京都も「この区分けが非常にグレーゾーン」と認めており、カフェも判断が難しいところ。しかしスタバは感染防止に寄与したいと、率先して休業の判断に踏み切ったようです。