プロサッカー、イングランド・プレミアリーグの名門クラブ、チェルシー。ロンドンを拠点とする人気の強豪チームですが、サポーターの間では知る人ぞ知る「呪いのジンクス」があるといいます。
それは「チェルシー9番の呪い」と呼ばれるもの。随分おどろおどろしいネーミングですが、一体どういう内容なのでしょう。今も〝呪い〟は続いているのか、誰がその対象なのか、探ってみました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)
チェルシー9番の呪いとは?わかりやすくまとめ
「チェルシー9番の呪い」。この9番というのは選手の背番号のことです。プロのサッカーチームの「背番号9番」といえば、一般にはFWのエースストライカーが背負う、サッカー界で特別な番号の一つとされます。
相手ゴールの一番近い場所に常に待ち構え、隙さえあればひたすらゴールを狙う、最も華々しいポジション。「ゴールが宿命づけられた存在」なのはチェルシーでも同じで、本来なら名誉の背番号のはずですが、どうやらちょっと事情が違うようです。
というのも、チェルシーの歴代9番は多くのFWがプレーに苦しみ、あまりいい成績を残せてないからです。後ほどご紹介するように、多額の移籍金で鳴り物入りで入団した錚々たる実績の選手でさえ、なぜかチェルシーで9番を背負うと得点が低迷。
このためいつからか「チェルシー9番の呪い」「呪われた9番」などと呼ばれるようになったそうです。
チェルシー9番の呪い歴代選手
なぜか脈々と受け継がれているという「チェルシー9番の呪い」。では実際には過去にどんな選手たちが〝呪われて〟しまったのか、以下に見てみましょう。
サッカーメディアによれば、呪いの始まりは2004-05シーズンのマテヤ・ケズマン選手。彼がリーグ戦25試合でわずか4得点に終わって以来、15年間、ほぼ毎年のように「チェルシーの9番」は担い手が変わってきました。歴代の主な「呪いに負けた?」スター級のストライカーたちは以下の通りです。
■エルナン・クレスポ(2005-06)
インテル・ミラノから移籍金1680万ポンド(約24億円)と、当時世界で最も高額な選手といわれて9番を担いましたが、73試合の出場で25得点。普通のクラブなら悪くない活躍ですが、ことチェルシーでは「期待外れ」と揶揄。
■フェルナンド・トーレス(2011-14)
リヴァプールから当時の最高移籍額を更新する5000万ポンドでチェルシー入り。しかし初ゴールまで9試合もかかり、その最初の躓きを挽回できず、最終的には出場172試合で45得点。「誇大広告」「リヴァプール時代が完全に忘れ去られた」とも言われました。
■ラダメル・ファルカオ(2015-16)
ポルトとアトレティコ・マドリーで「獣のようなストライカー」の名をほしいままにし、13年にはモナコに大型移籍。ケガから復帰後マンチェスター・ユナイテッドにレンタルされたものの、初挑戦のプレミアリーグではほとんど存在感を示せず。チェルシーでは12試合で1ゴールという悲惨な結果でした。
このように実績高いスターでさえ力を出せないことから、ある時期には「9」を単なる空き番号として、CBハリド・ボラルーズ(2006-07)、MFスティーブ・シドウェル(2007-08)選手らがつけていたこともあったそうです。
Tammy redefining the @ChelseaFC No9 Jersey !
Hatrick! and very brilliant! pic.twitter.com/cCy16THwvl
— George Addo Jnr (@addojunr) September 14, 2019
チェルシー9番現在は誰?
このように、過去に15人を数える「呪いの」歴代チェルシー9番。現在このユニフォームを身にまとっているのはFWのタミー・アブラハム選手です。
アブラハム選手はナイジェリアにルーツを持つイングランド出身の23歳。チェルシーの下部組織からの生え抜きです。アストン・ビラへのレンタル移籍から戻ってきた19年、わずか21歳の若さでチェルシーの9番を担い、今に至っています。
プレミアでの実績がない未知数の若きホープでしたが、19-20シーズンではハットトリックを挙げるなど34試合15得点を記録。今季も、3月24日までで20試合6得点の成績で、得点ランキングでは27位につけています。
チェルシーは今季開幕から負けが込み、現役時代のクラブの功労者でもある就任2年目のランパード監督を今年1月に解任。直前までパリ・サンジェルマンを率いていたトゥヘル監督を招聘して以降は、3月18日までの公式戦で9勝4分け無敗と復調し、リーグでは3位と勝ち点5点差の4位と、さらに上位をうかがう「上げ潮ムード」です。
「チェルシーの9番」アブラハム選手が今後も勝利に貢献し、呪いを払拭できるのか、残りシーズンのプレーが注目されます。
チェルシー9番の呪いに関するネットの反応
- タミーが成長したとはいえ、CFがチェルシーの1番の弱点なのは間違いない
- チェルシーの呪い……うー怖いですね笑
- チェルシーはジルー、ヴェルナー、アブラハムの3人CFいるけど、ジルーはもう30代半ばだし、ヴェルナーはチームにフィット出来ていないし、どうなるのか…
- チェルシーはより高いレベルのストライカーが必要だと思う
- タミーは厳しい状況が続くな。なんとか頑張ってほしいけども
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 英プレミアリーグの強豪チェルシーで続く「背番号9番の呪い」ジンクス
- エース点取り屋の歴代9番が軒並み成績低迷。実績ある大物でもなぜか不調
- スタイル合わない?多雨が理由?現9番の若きアブラハムは払拭できるか
サッカー界のジンクスの一つ「チェルシー9番の呪い」。ではスポーツ界には他にどんな有名な「呪い」があるのか、最後にちょっと笑えるものも含め、いくつかご紹介して終わります。
【山羊の呪い】
1945年のMLBワールドシリーズで、カブスファンがペットの山羊を連れてきたところ「臭い」と入場拒否に。するとカブスは突如3連敗してシリーズ敗退。その後16年に108年ぶりにWS制覇するまでの71年間の低迷は「山羊の呪い」だとされた。
【ディープインパクトの呪い】
競馬でディープインパクトに勝利した、またはディープに次いで2着になった馬が後に必ず故障したため「ディープインパクトの呪い」説が浮上。
【カーネル人形の呪い】
1985年NPBの阪神優勝の際、大阪市のケンタッキー店頭のカーネル・サンダース人形が、興奮したファンから道頓堀川に投げ込まれた。その翌年から阪神は長期低迷、「カーネル人形の呪い」と噂された。
【ロッテ弁当の呪い】
「プロスポーツあるある」の一つで、チームや選手の応援・記念弁当が発売されると故障や成績不振など良くないことが起こるというジンクス。