スノーボードで、冬季五輪2大会連続銀メダリストの平野歩夢が、東京五輪スケートボードに挑戦します。日本男子の五輪メダリストで夏冬両五輪出場は初となります。
東京五輪でのパーフォーマンスを満喫するため、スケートボードのルールをわかりやすく解説します。
スケートボードのルールをわかりやすく解説
スケートボードのルールをわかりやすく解説してゆきましょう。
次の4つさえ、覚えておけば東京五輪は完璧です。
・審査員が得点を付ける採点競技である
・街路に見立てた障害物のあるコースで、総合得点を競うストリートと、複雑な窪地状のコースで、最高得点を競うパークの2種目がある
・ストリートでは、構成や高さを重視するRUN方式2本と難易度重視のBEST TRICK方式5本を行い、上位4本の総合得点となるため、安定感も必要
・パークではジャンプの高さや難易度が採点基準であるので、「いかに高く飛ぶか」「いかに難易度の高い空中技を決められるか」がポイントとなる
スケートボード
ウィール(車輪)がついたデッキ(板)の上に乗り、ジャンプや回転などのトリック(技)を競う競技です。
持ち時間は45秒で、選手は1人ずつ滑って得点を競います。
競技種目
「街路」に見立てた障害物のあるコースのストリートと複雑な窪地状のコースのパークの2種目で行われます。
ストリート
街中にあるような次のようなセクション(障害物)が用意されています。
ステア(階段)、ハンドレール(手すり)、カーブ(縁石)、レッジ(すねより高い縁石、箱型の障害物)、バンク(傾斜のついた面、坂)、ギャップ(段差)
スケートボードに乗って豪快に階段を飛び降りたり、手すりの上に飛び乗って滑り降りたりと、街中をおしゃれに颯爽と走り回る様子をイメージしたライディングとなります。
「RUN方式」と「BEST TRICK方式」という2種類の採点方式があり、その合計点を競います。
RUN方式では、45秒の持ち時間でストリートコースを自由に滑り、トリックやライディングの質を競います。1人につき2回の挑戦権があり、高い方の点数がその選手の持ち点となります。
BEST TRICK方式では、ストリートコースの中のセクションから1つを選び、選んだセクションを使ってトリックを1つ披露します。1日につき5回の挑戦権があり、点数の高かった4回分がその選手の持ち点に加えられます。
ストリートは、合計得点というルールになっているため、トリックの難易度や完成度の高さは重要なのはもちろんですが、勝つためには「安定感」が必要不可欠となっている点に大きな特徴があります。
パーク
複雑な窪地状のコースで滑りを競います。
パーク競技での主なトリック(技)は、リップ(おわん型のフチの部分)にスケートボードをうまく引っ掛けて滑る「スライド」や「グラインド」、リップから大きく飛び出してトリックを決める「ジャンプ系」があります。
「ジャンプ系」は、スノーボードのハーフパイプにそっくりです。
パークはコースの底に向かって勢いよく滑り降り、曲面を昇って鮮やかに宙を舞うエアトリックが最大の見どころとなっています。空中でデッキをつかむ動作(グラブ)は、つかむ位置や姿勢などによって難易度が異なります。
パークではジャンプの高さや難易度が採点基準であることから、選手は「いかに高く飛ぶか」「いかに難易度の高い空中技を決められるか」がポイントになります。
45秒の持ち時間でパークコースを自由に滑り、トリックやライディングの質を競い、3回のライディングを行い、最高得点を競います。
ストリートに比べると難易度は高いと言われています。
ポイントとなる4つの点をまとめますと、
・ジャンプや回転などのトリック(技)の難易度やスピードといった要素に加えて、独創性やストーリー性などを加味して審査員が得点を付ける採点競技である
・総合得点を競うストリートと、3回のライディングを行い、最高得点を競うパークの2種目がある。
・ストリートでは、街中を模した障害物を利用して決められる難易度の高い技に高得点が付くため、手すりや縁石に乗り上げて板を滑らせる「スライド系」の技やスケートボードに乗ってジャンプしながら空中で板を回転させる「フリップ系」の技などで、合計得点をどうかせぐかがポイント
・パークではジャンプの高さや難易度が採点基準で最高得点をいかに獲得するかにあることから、「いかに高く飛ぶか」「いかに難易度の高い空中技を決められるか」がポイント
スケートボード日本代表選手
スケートボード日本代表選手となった10名を紹介します。
種目 | 選手名 | 生年月日 | 主な船籍 |
---|---|---|---|
ストリート(男子) | 青木勇貴斗 (あおき ゆきと) | 2003年9月4日 | 19年日本選手権優勝 19年世界選手権6位 |
ストリート(男子) | 堀米雄斗 (ほりごめ ゆうと) | 1998年1月7日 | 18年ストリートリーグ第1~3戦優勝 |
ストリート(男子) | 白井空良 (しらい そら) | 2001年11月3日 | 2019年ARK LEAGU優勝 2021年世界選手権(ローマ)3位 |
ストリート(女子) | 西村碧莉 (にしむら あおり) | 2001年7月31日 | 17年日本選手権優勝 17年Xゲームズ優勝 18年Xゲームズ2位 19年世界選手権金メダル |
ストリート(女子) | 西矢椛 (にしや もみじ) | 2007年8月30日 | 19年Xゲームズ・ミネアポリス大会2位 19年世界選手権準決勝進出 |
ストリート(女子) | 中山楓奈 (なかやま ふうな) | 2005年6月17日 | 19年日本選手権優勝 19年ストリートリーグ・ロンドン大会6位 |
パーク(男子) | 平野歩夢 (ひらの あゆむ) | 1998年11月29日 | 19年日本選手権優勝 ソチ五輪(スノーボードハーフパイプ) 平昌五輪(同) |
パーク(女子) | 四十住さくら (よそずみ さくら) | 2002年3月15日 | 18年日本選手権優勝 18年アジア大会金メダル 18年世界選手権優勝 |
パーク(女子) | 岡本碧優 (おかもと みすぐ) | 2006年6月22日 | 19年Xゲームズ優勝 19年世界選手権優勝 |
パーク(女子) | 開心那 (ひらき ここな) | 2008年8月26日 | 19年日本選手権優勝 19年Xゲームス2位 19年世界選手権準決勝進出 |
最年少13歳の開心那選手から、最年長の22歳平野歩夢選手に至るまで、若い選手ばかりです。
中でも、女子はストリート、パークにそれぞれ3選手が代表となっており、世界選手権優勝者も複数いますので、金メダルも狙える位置にあります。
スケートボード最新SNS
ストリート
白井空良らの属するムラサキスポーツ動画より
パーク
まとめ
- スケートボードのルールを4つ押さえると、東京五輪を一層楽しめる
- 五輪代表10選手には、堀米雄斗、白井空良、岡本碧優など、金メダルを狙える選手が複数いる
- 2種目の動画から、技の凄さがわかる