いよいよ始まったMLBのオープン戦で、エンゼルスの大谷翔平選手がバッティング好調です。先日のレンジャーズ戦では超特大ホームランをかっ飛ばし、ファンを沸かせました。
怪我の手術とリハビリに苦労したこの1~2年を終え、新シーズンに期待膨らむ大谷翔平選手。好調なのは打撃フォームを改良したことも一因だとされますが、「天敵解説者」張本勲さんはTVで早くも激辛なダメ出し。大谷選手のフォームはどう変化し、張本氏はなぜそれをダメだと言うのか、探ってみました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)
大谷翔平新フォームを比較
張本氏はなぜか常に辛口なものの、MLBでの投打の二刀流挑戦をブレずに続ける大谷翔平選手。4年目となる今季は、肘や膝の手術のリハビリも完了し、ほぼ万全な体でシーズンに向けて順調に調整を進められているようです。
まずキックオフとなった打撃面では、オープン戦2試合で5打数3安打。レンジャーズ戦ではMLBのオープン戦で自身初となる2ランHRを放つなど好調です。
昨季はなぜ不振?
メジャーでの「打者大谷」を振り返ると、1年目は打率.285、本塁打22、打点61と活躍し新人王を獲得。2年目も打率.286、本塁打18、打点62とまずまずの成績でしたが、昨季はコロナ禍で実戦練習も試合数も少なかったこと、さらに19年に左膝の手術を受けた影響もあり打率.190、本塁打7、打点24と不振に終わりました。
本人いわく昨季の不調はその左膝が大きな要因。大谷選手の理想は「軸足を意識した下半身主導の打撃フォーム」ですが「周りからも言われ自分でも感じていたが、リハビリと並行していたので難しかった」。うまく体重を軸足に乗せられず「上体でさばきにいくしかなかった」ため、凡打が増えたとのことです。
今季はフォーム改造
そこで今季は左足にしっかり体重を乗せた新打撃フォームに改造。大谷選手の解説では「しっかり軸足に乗っていないと飛距離を出そうとしたときに、身体のひねり、上半身のローテーションで飛ばしたくなる傾向がある。そうすると率につながらない。しっかり下で回れている時は、上半身がフリーになり、率が残る可能性が高い」ということです。
その結果がオープン戦の好調。特大HRについても「いい角度で飛んでいるということは、いい軌道で捉えられているということ。上半身がしっかり残っている段階で、打ちにいくかどうかを下半身で決めているのでいい傾向」と大谷選手。今後さらに状態を上げたいと自信と意欲を見せていました。
この3年でどう変化?
では大谷選手の打撃フォームはメジャーで一体どう変化したのか。以下に動画で振り返ってみましょう。
↓19年の大谷翔平打撃フォーム
↓20年の大谷打撃フォーム
↓21年OP戦、特大HRの打撃フォーム
↓21年OP戦、逆方向安打の打撃フォーム
トッププロの打撃フォームは多分に感覚的な面もあるといわれ、〝数㍉〟単位の非常に繊細なものともされますので、素人の筆者が見てもなかなか見分けがつきにくいですが、確かに昨季は上体だけでバットを「満振り」している印象も。
今季は体全体がよりガッシリして安定感が増し、ほんのわずかに上体が遅れてスイング。そのため力感少ないイメージながらも、スイングスピードは速くパワフルな打球が飛んでいるように見えます。
大谷翔平新フォームを張本氏ダメ出し
しかし、そんな大谷翔平選手をMLB移籍以来ずーっと厳しい目で見る一人が、NPB最多安打のレジェンド張本勲氏。先日の日曜日、レギュラー出演するお馴染みTV情報番組でも早速ダメ出ししました。
大谷選手の新打撃フォームについては「ちょっと難しいね。今の打ち方は」。試行錯誤を続ける大谷選手にも「ころころ変えちゃダメ。ストライクゾーンは決まっているんだから、機械のように同じようなフォームで打たないと。軸足に乗せすぎ」と指摘しました。
昨年のフォームとの比較映像が流れると「(打つ勢いで)軸足が動いている。その場で回転しなくちゃいけない。体重が前に行きすぎている」と分析していました。
プロの打撃理論も素人にはかなり難解で、張本氏の言い分が妥当なのか否か判断できませんが、SNSではファンらから「老害」「張本古い。現代野球は進化している」「いや基本は合ってる」「一応これまではハリーの予言通り」などなど、様々な反応が出ているようです。
大谷翔平新フォームへのネットの反応
- フォームを固めた方がいいという基本は賛同出来るけど、それは良い結果が出て調子良い時の話
- 明らかに身体は大きくなり出力は増している
- 今の野球はステイバックは常識です!
- あのフォームで悠々の柵越え出来るから凄い。ホームラン残しつつアベレージ残せるといいね
- 期待の裏返しなのかもしれないが、ハリーは大谷翔平には厳しいな
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- MLB大谷翔平がOP戦で打撃好調。143mの超特大アーチなどヒット量産
- 打撃フォーム改造が奏功。軸足に体重を乗せ下半身主導で強スイング
- しかし張本勲氏は「軸足が動いてる」とダメ出し。SNSでは賛否様々
アマ、プロ問わず全ての野球選手にとって「強い打球をより遠くに飛ばす。それを沢山打つ」ことは究極のテーマでもあります。百数十年とされる野球の歴史で、幾多の先人が「こうすれば絶対打てる」理論を考え続けていますが、一方投手側も「絶対打たれない方法」を研究し続けているため、結局答えはいまだ出ず。両者のせめぎ合いは将来も延々続くでしょう。
世界屈指のプロ同士が全身全霊で「打ってやる」「抑えてやる」としのぎを削る、この姿も野球の醍醐味。両方突き詰めねばならない大谷選手は、苦労や努力も人の何倍も必要なわけで、だからこそ「二刀流」がリスペクトされ、人々が憧れる理由だともいえそうです。
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